【ゲームレビュー】ファイナルファンタジー 零式 HD
ゲームについて
PSPで発売されたファイナルファンタジー外伝作品のHDリマスター版。
PSP版に対してゲームバランス調整やオンラインマルチプレイの廃止などが施されている。
ざっくり総評
4つの国家が争う大陸を舞台に、14人の若者を主人公とし戦争と死を描くアクションRPG。
戦争、戦う若者、死者が忘れ去られるという設定の下で描かれる重厚なストーリーが魅力的な一方、アクションやゲームバランスは調整が入った上でなお不満を感じる。
+死や戦争をテーマにした重厚なストーリー
+性格も性能も個性的な14人の主人公によるアクション
-いくつか疑問のあるストーリー描写
-アクションの高い難易度
良い点
死や戦争をテーマにした重厚なストーリー
本作は14人の若者が、死者が忘却される世界で敗北寸前の国家の切り札として戦い抜く様を描いている。
戦争の中で戦い生きる人々の描写や記録映像のようなムービー、各種ミッションの内容がそのストーリーをより確固たるものにしている。
死や戦争に関しては個々人の価値観により印象が大きく変わると考えられるため、個人的には良かったという感想に留めておきたい。
性格も性能も個性的な14人の主人公によるアクション
性格や性能の違う14人が主人公として使用できる。
剣や銃、弓、刀、槍といったよくある武器を使うキャラから、カードや楽器といった珍しい武器を使うキャラまで使用武器にもバリエーションがある。
一方で武器攻撃やスキルを主力にするキャラ、魔法やサポートに秀でたキャラといったキャラごとの役割については得手不得手はあるものの比較的自由にできる。
使用可能な魔法やアクションの選択肢こそは基本的に共通であるものの、扱う武器やスキルはそれぞれ違うため飽きの来ないアクションを楽しめる。
悪い点
いくつか疑問のあるストーリー描写
ストーリーに関しては概ね良好な出来だと感じるが、一部キャラに関する描写や終盤の一部描写に気になる部分があった。
特にストーリーの終盤に二周目以降にのみ選択可能なミッションに関する言及が存在している点と、主人公の1人に関するエンディングでの描写は必要性に関して疑問を感じるところだった。
アクションの高い難易度
ストアページにてゲームの売りとして「メンバーの使い分けやアビリティ、一撃必殺のキルサイトシステムによる、戦略性の高い爽快な
アクション」を挙げているが、これらはゲーム内の挙動のクセや操作キャラの育成が最大で14人分必要になることなどが組み合わさり高い難易度になっている。
HD版になって難易度選択が追加されているものの、それを含めてもなお難易度が高い。
またゲーム内で難易度を緩和できるアイテムや魔法などが存在するものの、それを入手するためには膨大な稼ぎプレイが必要なこともあり攻略を緩和するという目的では現実的でない。
まとめ
戦争と死を描いた重厚なストーリーや個性的なキャラクターが魅力的なアクションRPGではあるものの、特に難易度の面でおすすめしにくいと感じた。
ゲームの設定やストーリーがとても良いだけにもったいない作品だ。