庶民を苦しめる安売り規制

政治家はよく、政治は庶民や貧しい人の味方だと大見得を切ります。しかしもしそれが本当なら、どうして安売りを禁じ、庶民や貧しい人を苦しめるような規制を行うのでしょうか。

記事によれば、1~6月のビール系飲料(ビール、発泡酒、第三のビール)の課税済み出荷量は、前年同期比1.3%減の1億9025万ケースでした。原因は、6月に施行された酒類の安売り規制でビール系飲料の小売価格が大幅に上昇したことです。

今回の規制は、大手量販店などの安売り攻勢に苦しむ中小の酒店を守るため、自民党の「街の酒屋さんを守る国会議員の会」が中心となり、昨年の参院選直前に議員立法で実現させたものです。つまりは選挙対策です。

量販店などとの競争で中小の酒店の多くが経営不振に陥っていることは事実でしょう。しかしだからといって、政府が市場に介入し、量販店などに安売りをやめさせれば、安価な発泡酒や第三のビールを楽しむ庶民や貧困層の暮らしが苦しくなります。

中小酒店の経営も苦しいかもしれません。しかし自分が苦しいからといって、他人を犠牲にして自分が救われていいということにはなりません。

政治家はよく、市場原理は庶民や貧しい人を不幸にすると言います。しかし不幸にするのは市場原理ではありません。市場原理を無視した政治です。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ12H43_S7A710C1MM0000/

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