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私が子育てにおいて大切にしている指針『成長と発達のステージ理論』とは?
1. はじめに:人の成長と発達にはステージがある
子育てをしていると、「この子の将来のために、何をしてあげるべきか?」と悩むことが多いですよね。
早期教育や習い事、学習環境など、親としてできることを考えれば考えるほど、やるべきことが増えていくように感じることもあるでしょう。
私もあれこれ考えては、闇雲に与え、散々迷っては試行錯誤を繰り返す毎日でした。
しかし、子育てに関していろいろな学びをしていく中で、吉村正剛さんという方が提唱している 「成長と発達のステージ理論」 に出会い、その理論に基づいた子育てを実践している方たちと出会い、子育てに対して一つの指針を得ることができました。
そして今はこの指針にできるだけ沿ってこどもと接するように心がけています。
(もちろん完璧にできているとは思いません。)
このステージ理論によると、子どもの成長には順番があり、最も大切なのは「10歳までの過ごし方」 だと言われています。
*年齢域に関してはきっちりこの年齢というわけではありませんので、あくまでも参考まででお考え下さい。
今回は、まず 成長の7つのステージ について、どういうものなのか簡単に説明したうえで、最も大切な ステージ1・2 について詳しく解説していきます。
2. 成長の7つのステージ
成長と発達のステージ理論では、人の成長を 7つの段階 に分けています。
ステージ1:「本能のステージ」(0~4歳頃)
体を動かし、感覚を発達させる時期
爬虫類脳(生存本能)が発達する
ハイハイや自然遊びが重要
ステージ2:「感性のステージ」(4~10歳頃)
感情や感性を育てる時期
哺乳類脳(感情を司る脳)が発達する
「自己肯定感」や「安心感」を育むことが大切
ステージ3:「思考のステージ」(10~20歳頃)
創造性や論理的思考を育む時期
人間脳(知性)が発達する
ステージ2が満たされていれば、反抗期が少ない
ステージ4:「調和のステージ」(18歳頃~)
社会のルールに適応する時期
日本人の多くはここで成長が止まる
「周りに合わせること」が求められやすい
ステージ5:「自立のステージ」(社会人~)
集団から離れ、自分の道を切り開く時期
起業やリーダーシップ、自己実現に向かう
ステージ6:「自省のステージ」
人生の目的を見つけ、社会貢献を考える時期
精神性やスピリチュアルな探求が始まる
ステージ7:「超越のステージ」
すべてを俯瞰し、執着を手放す境地
自由な視点で世界を見られるようになる
これらのステージは、順番に進んでいくもの。
一足飛びにはいけません。
その原因のひとつが 「ステージ2が十分に満たされていない」 ことにあると私は学びました。
つまり、 幼少期にしっかりと安心感を得て、自分らしく生きる力を育んでいないと、大人になってからも自信が持てず、チャレンジを避けるようになってしまう ということなのです。
だからこそ、10歳までの ステージ1・2 の過ごし方が、その後の人生に大きな影響を与えるということがいえます。
まさに親にとっては子育て真っ盛りのタイミングかと思います。
ここからは、 子どもの人生の土台を作る「ステージ1・2」 に重点を置いて解説していきます。
2. ステージ1:「本能のステージ」―― 体と感覚の発達が最優先
ステージ1は、 「生きる力の基礎を作る」時期 です。
この時期の子どもは、 「肉体」と「感覚」を通して世界を知る ことが何よりも重要になります。
現代の子育てでは、早い時期から知育玩具を与えたり、言葉を教えたりすることが注目されがちですが、この時期に本当に必要なのは「体をしっかりと動かすこと」 になります。
① ハイハイの重要性:爬虫類脳を鍛える
ステージ1では、脳の中でも 「爬虫類脳(生存本能を司る部分)」 が最も活発に発達します。
この爬虫類脳の発達を促す最も重要な動きが 「ハイハイ」 です。
ハイハイをすることで、 体幹が鍛えられ、脳と全身の神経回路がつながる のです。
しかし、現代の赤ちゃんは、ベビーカーや抱っこ紐で過ごす時間が長く、ハイハイを十分にしないまま歩き始めてしまう子が多くなっています。
早く立たせることを望んで、歩行器に長時間乗せておられる方もおられるのではないでしょうか?
私自身、子どもが小さい頃、「そろそろ立って歩き始めるかな?」と楽しみにしていましたが、実は ハイハイの期間をできるだけ長くとった方が、運動能力や集中力が高まる ことを後から知りました。
ハイハイがもたらす発達効果
体幹を鍛える(スポーツや姿勢の基礎が作られる)
左右の脳をつなげる(バランス感覚、空間認識能力が高まる)
感覚を刺激する(床の感触を手や膝で感じ、神経が発達する)
ハイハイをしっかりと経験した子は、歩き始めたときに転びにくく、運動能力の発達もスムーズになる ことがわかっています。
このため、「早く歩かせること」を目標にするのではなく、できるだけ長くハイハイをさせる環境を整えること が大切なのです。
このことは本当に盲点で、早く知ることができて本当に良かったと思ったことの一つでした。
② 自然の中で過ごすことの大切さ
この時期の子どもは、五感をフルに使って世界を理解していきます。
だからこそ、できるだけ 自然の中で遊ばせること が大切です。
例えば、
裸足で芝生や砂浜を歩かせる(足の裏の神経を発達させる)
風の音や鳥の声を聞かせる(聴覚を鍛える)
泥や水に触れさせる(触覚を刺激する)
こうした経験が 脳の神経回路をつなげ、豊かな感受性を育みます。
子どもが小さい頃、私は「安全で清潔な遊び場」を探して、ショッピングモールのキッズスペースなどに連れて行くことが多かったのですが、本当に脳の発達に良いのは、自然の中で遊ばせること だと遅ればせながら気づきました。
たとえ都会に住んでいても、公園で裸足になって遊ぶ時間を意識的に作る ことが大切なのだと思います。
泥遊びとかも実はかなり大切だったりします。(腸内細菌とかとの関係も)
3. ステージ2:「感性のステージ」―― 自己肯定感と安心感を育てる
4~10歳頃にあたる 「ステージ2」 は、「感情」と「感性」を育む時期 です。
この時期は、脳の中でも 「哺乳類脳(感情を司る部分)」 が発達していきます。
① 「自己肯定感」を育てるには、夢中になれる時間が必要
この時期の子どもにとって最も大切なのは、安心して「自分らしくいられる」環境を作ること です。
そのために、親が意識すべきことは 「子どもが夢中になれる時間を作ること」 です。
私自身、子どもが何かに没頭しているとき、つい「もう時間だからやめなさい」と言いたくなることがあります。
でも、実はその 「夢中になれる経験(フローに入る)」 が、自己肯定感を育てるのに最も大切なのです。
「すごいね!」と共感する(結果ではなく、過程を認める)
「楽しいね!」と一緒に楽しむ(共感的なコミュニケーションを大切に)
「やりたいこと」を自由に選ばせる(親の価値観を押し付けない)
この時期に「自分は大切にされている」「自分の好きなことをやっていいんだ」と感じた子どもは、その後の人生でも自分に自信を持ち、主体的に生きることができるようになります。
親があれこれ指図したり、危険を事前に察知して、リスクを取り除いたりと言うことを極力避け、文字通り「見守る」ということが大切だと学び、実践する毎日です。(なかなかうまくは行きませんが、これは親の修行だと考えています。)
4. まとめ:子どもの成長には順番がある
吉村正剛さんの 「成長と発達のステージ理論」 では、各ステージで適切な経験を積むことで、自然と次の成長段階へ進める ことが示されています。
特に 10歳までのステージ1・2の経験が、その後の人生の土台を作る ことは、子育てをする上でとても大切な視点です。
ステージ1(0~4歳)では…
ハイハイをしっかりさせる
自然の中で感覚を養う
ステージ2(4~10歳)では…
夢中になれる環境を作る
「こうしなさい」ではなく、自由に選ばせる
「すごいね!」「楽しいね!」と共感する
こうした経験を積むことで、子どもは自然と成長し、思春期以降も「自分らしく」生きることができるようになる のです。
このステージ理論は私の子育てにとっての指針となっており、息子が10歳を迎えた今でも、ステージ1,2で満たされていない部分が極力なくなるように、意識をしているところです。
子育てに関しては様々な情報が氾濫しており、専門家によっても意見が分かれるところも多く、それが子育てを難しくしている原因の一つでもあります。
「成長と発達のステージ理論」は、人間の成長を 7つのステージ に分け、それぞれの段階で必要な経験や発達の課題を明確にしています。これは単なる年齢の区分ではなく、脳の発達 や心の成長プロセス と深く結びついており、人がどのように自己を確立し、社会と調和しながら生きていくかを示したものです。
私がこの理論を 子育ての指針 としているのは、子どもを単に「何歳だから〇〇すべき」と画一的に考えるのではなく、その子が今どのステージにいるのか を理解し、それに応じた関わり方をすることで、無理なく自然な成長を促すことができるからです。
この理論を参考にすることで、子どもの「今」をしっかり見つめ、その時期に本当に必要な関わりを意識的に行う ことができるのです。
「子どもを無理に成長させる」のではなく、今のステージで必要なものを満たし、次のステージへスムーズに進めるようサポートする ーー これこそが、私がこの理論を子育ての指針としている理由です。
もっと深く知りたいと思った方はこちらの書籍を参考にしてみて下さいませ。
子育て中のお父さん、お母さんたちとこのようなお話をしながら、一緒に子育てについて考える機会を持ちたいなぁと思いました。
これが絶対に正しいと言うつもりはありませんが、是非いろいろなご意見をお聞きしたいです。