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海外で暮らす家族が得られるもの 〜親子で乗り越える経験が成長につながる〜
昨日は息子の仲良しのお友達が、3月末に日本に本帰国になってしまうことについて、息子の気持ちを考えながら複雑な思いを書いてみました。
出会いと別れの回数が、日本で普通に暮らしている家族よりも多くなるわけですが、それはそれで良い面、悪い面いろんなことがあります。
私の家族のように、移住と言う形で外国(タイ)に住んでいる場合、なかば当たり前のような感覚になってしまうのですが、そんな中で、家族の結びつきの大切さを改めて感じることもあります。
海外での生活は、言語や文化の違いだけでなく、日々のちょっとした出来事の中にも学びや成長の機会が詰まっています。日本にいると気づきにくい「家族で支え合う時間」の価値が、海外ではより明確に感じられるのです。
特に子どもにとっては、親と共に様々な経験を乗り越えることが、自立心や適応力を養う貴重なプロセスになります。
今回は、そんな海外子育てがもたらす家族の絆の深まりについて、私の実体験を交えながら書いてみたいと思います。*
海外での子育てというと、「異文化に触れること」や「英語が身につくこと」などがよく語られますが、実際に経験してみると、それ以上に大きな影響を与えるのが家族で過ごす時間の濃さだと私は感じています。
特に、駐在員家庭や海外移住を選んだ家族は、日本での生活に比べて家族単位で行動する機会が格段に増えます。慣れない環境の中での生活は、親も子どもも「家族だからこそ助け合える」場面が日常的に生まれるからです。
1. 海外生活で家族の結びつきが強くなる理由
海外で生活を始めると、まず直面するのが「生活の基盤を整えること」です。日本なら当たり前にできることが、海外では一つひとつ試行錯誤しながら進めていく必要があります。
買い物ひとつ取っても言葉の壁がある(シラチャの市場で、タイ語の数字を言いながら、懸命に値段交渉する子ども)
病院に行くのも一苦労(救急車を呼ぶ、熱が出た深夜、近所の24時間病院へ駆け込むなど)
水道や電気などのトラブルは予想外に発生する(突然断水になり、近所のタイ人の家で水を分けてもらったこと)
手続き関係は日本よりも時間がかかることが多い(ビザ更新で何度も役所に通いながら、息子と「忍耐力」を鍛えた)
こうした日々の出来事に、子どもも自然と巻き込まれていきます。
親が「今日はコンドの守衛さんとこんなやりとりがあった」と話したり、一緒にタイレストランへ行って「どう注文すれば伝わるか?」を考えたり。家族みんなで試行錯誤することが、当たり前になっていきます。
この過程で、子どもは「家族の一員として役割を持つこと」を自然に学ぶのです。
2. 海外ならではの出会いと広がる世界観
海外生活には、日本ではなかなか経験できない「偶然の出会い」や「サプライズ」が日常に溢れています。例えば、
ダイビングツアーで知り合った人が、実は日本でも有名な企業の社長だった
レストランで隣り合ったタイ人家族と会話を交わしていたら、有名なスポーツ選手だった
旅行先で出会った外国人と仲良くなり、家族ぐるみの付き合いが始まった
こうした予期しない出会いが、子どもたちにとって「世界は楽しい!」という感覚を育むきっかけになります。
たとえ何気ない会話であったとしても、習いたての英語やタイ語で会話のキャッチボールができた時の感動は、一生忘れることができないほど、その子の大事な思い出になるでしょうし、「できた!」という自信にも繋がります。
日本では社会の枠組みや人間関係の距離感が固定化されがちですが、タイのようにオープンな雰囲気の国では、人とのつながりが自然と広がる文化があるのです。
このような経験を重ねることで、子どもは「どこに行っても、どんな人とでも交流できる力」を養い、自信を持つことができます。
3. 海外子育てならではの「協力して生きる力」
日本にいると、子どもには学校、親には仕事があり、意識しなくてもそれぞれの役割が決まっていることが多いです。しかし、海外ではその「役割分担」だけでは回らない場面がたくさん出てきます。
例えば、
家族全員で情報を共有しながら生活を成り立たせる(新しいスーパーやタイ料理の情報を家族内でシェア)
買い物や手続きに子どもも一緒に参加することが増える(息子がタイ語でオーダーして屋台でご飯を買う)
緊急時にどう動くか、家族で話し合う機会が多い(洪水時にどこに避難するか、家族で話し合った)
こうした日常の中で、子どもは「自分も家族の一員として何かをすることができるし、それが大切だ」と実感するのではないでしょうか。
また、異文化の中で暮らすことは、予想外の出来事が日常茶飯事。そのたびに家族で話し合い、解決策を考え、柔軟に対応することが求められます。
親にとっても子どもにとっても初めての経験に遭遇する。
こんな経験を積み重ねることで、子どもは「困ったらまず考える」「みんなで協力すれば解決できる」といった「生きるためのサバイバル力」を身に着けていけるのではと思います。
4. まとめ 〜家族で過ごす時間の価値を大切に〜
だからこそ、海外、特にタイ・シラチャで過ごす時間は、家族にとってかけがえのないものです。日常の出来事の中で家族が協力し合い、時には困難を乗り越えることで、家族の絆は一層深まります。その経験が、子どもにとって大きな財産となるのではないでしょうか。
私はシラチャという地域に関わる一人として、占星術を活かした子育て相談や、不動産、タイ語学習のサポート、地域の活動などを通じて、皆さんのお役に立てればと思います。
海外での子育ての時間を大切にしながら、一緒に成長していけたら嬉しいです。