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トルコリラの対ドル相場は11月1カ月間で30%を超える暴落 リラは対円でも約29%下落

トルコリラ/円週足

依然として13週、26週、52週の短・中・長期移動平均線からの乖離が大きい事から下げ足はいくぶん鈍ったが、最安値圏での推移が続く。下値のメドが見えない「チャートレス」の様相に変わりなく、あくまでも急落後の速度調整による下げ渋りと判断できる。

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トルコの実質金利マイナス幅拡大

トルコでは、インフレが高進する中でも中銀が利下げを強行しており、政策金利からインフレ率を差し引いた「実質金利」は11月時点で-6%に達する。リラ安が進む中でもエルドアン大統領は中銀の追加利下げを擁護。利下げに反対を唱えたとされる財務相も辞任に追い込んだ。これらの経緯から12月16日の中銀会合でも追加利下げが確実視されている。「実質金利」のマイナス幅拡大への懸念は、今後もリラ相場の重しになりそうだ。

トルコ中銀がリラ買い介入

トルコ中銀は、12月1日と3日にリラ買い介入を実施。1日には「不健全な為替相場が形成されているため外貨売却によって市場に直接介入した」との声明を発表した。いずれの介入も効果は小さく、リラの反発は一時的だった。自国通貨買い介入については、原資となる外貨準備高が潤沢でなければ成功率は低いというのが定説だ。