ドル/円の上昇は終わった?(マネトレ! 2021年4月)
※こちらはオンラインセミナー「超実践FX~マネ育トレーニング」の講演内容をベースにしています。
<マネ育相談BOXに寄せられたご質問>
ドル/円の上昇は終わったのでしょうか?
まず、今年に入ってからのドル/円の上昇要因をおさらいしましょう。
主な要因としては、バイデン政権の大規模な財政出動で経済正常化への期待が高まった事や新型コロナウイルスのワクチン普及を背景とした米長期金利の上昇などがドル相場を押し上げたと言えます。
ただ、3月末には111円目前まで上値を伸ばしていたにも関わらず、4月に入ると徐々に上値を切り下げる形となっています。
米国の景気回復期待が続いている事は雇用情勢からも読み取れますが、4月以降は何が変わったのでしょうか。
これは、FRBが発表した金利・経済見通しにおいて、ゼロ金利の長期維持姿勢が強調される格好となった事から「早期利上げ期待」が後退した事が大きいと考えています。
しかし、景気の急回復があれば想定より早く利上げがあるかもしれませんし、逆に想定以上に鈍化すれば遅延する可能性もあります。
利上げ時期を巡る思惑が交錯する所ですが、少し先の事なので正直なところ判断が難しいのが現状です。
そこで、「フィボナッチ・リトレースメント」というチャート上のサポートとレジスタンスのポイントを判断するテクニカルを使って機械的に分析してみましょう。
テクニカル面では、1月6日安値(102.59円前後)を起点とする3月31日高値(110.96円前後)までの上昇トレンドの調整メドは38.2%押しにあたる、107.70円台となります。
現在は108円台を割り込んでも、底堅く推移しておりますので、ここから判断すると「上昇トレンドが終わった」と決めるのは早計でしょう。
仮にその水準を下抜けたとしても、50%押しにあたる106.70円台で踏み留まる事が出来れば、まだ上昇トレンドの勢いは残されていると言えるでしょう。
ドル高トレンドが「終了」か「一服」かの判断は、今の状態をこのまま維持出来るかが非常に重要ですので、今後の動向に注視しましょう。
おわりに
超実践FX~マネ育トレーニングの最新号では「ドル/円の上昇は終わった?」のほかに、マネ育相談BOXに寄せられた「ユーロはなぜ強い?」、「スコットランド選挙でポンド暴落の可能性は?」についても解説しています。ぜひご覧ください。