新型コロナ第2波で市場への影響は?
※こちらはオンラインセミナー「超実践FX~マネ育トレーニング」の講演内容をベースにしています。
新型コロナの第2波が来た場合、市場への影響は?
<マネ育相談BOXに寄せられたご質問>
米国などで新型コロナ感染が再び増加していますが、もし第2波が来た場合、市場への影響は?
米国では局地的には感染者数が増えている州も出てきており予断を許さない状況です。
ただ、第1波の時よりは深刻にならないだろうと考えています。
理由としては医療体制が整ってきている事などいくつかあげられますが、まずは3月の値動きを振り返ってみましょう。
ドル/円相場は新型コロナウイルスの感染が欧米に広がる中、101円台まで下落しましたが、その後は111円台まで10円以上も反発しています。
「リスク回避の円買い」から「有事のドル買い」へシフトした格好です。
経済活動を再開するとなると、どうしても感染第2波を巡る影響が懸念される所ですが、避けて通れない事もありマーケットもある程度は想定しているでしょう。
今現在、実際に第2波への警戒が広がりつつありますが、このところの「ドル」と「円」はリスクオフ、リスクオンの局面で同じ値動きをしている事からも、3月のようなパニック相場になることはないと考えています。
引き続き、ドル/円は値動きが限定されることを踏まえると、この機会にクロス円やドルストレートといった通貨ペアに目を向けてみるのも良いかもしれません。
ユーロやポンドが下落している背景と今後の見通しは?
<マネ育相談BOXに寄せられたご質問>
最近、ユーロやポンドが下落していますが、その背景と今後の見通しを教えてください
ユーロが売られている背景を見てみましょう。
まず、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を再生させるための復興基金(コロナ復興基金)を巡りEU加盟国内の対立が解消出来ていない事などが挙げられます。
これが長引くとコロナ不況と財政赤字拡大でイタリア国債急落(利回り急騰)リスク、最悪の場合には債務危機再燃の可能性を心配する声も一部から聞こえて来ています。
ポジティブ要因としては、ドイツが7月1日より欧州連合(EU)理事会の議長国を務める事になりますが、メルケル首相は復興基金の早期取りまとめを目指すと述べている事から、早期に合意ができれば一旦は好材料と市場は捉え、ユーロは買われる公算が高くなるでしょう。
次に、ポンド相場においては英国とEUの自由貿易協定(FTA)交渉が難航している事などが重石となっています。
英国の欧州連合(EU)離脱に伴う移行期間を延長するか否かの判断期限が6月末に迫っていますが、英国は移行期間を延長しないと正式に確認しています。
このことから、2020年12月31日を最後に英国は完全にEUから切り離される事になります。
ただし、このまま行けば貿易に関する取り決めなしに離脱してしまういわゆる「合意なき離脱」の可能性が出てきています。
6月29日からFTA交渉の第1回目を開始し、5週連続で通商交渉を行う事になりますが、交渉が難航する場合にはポンド売り、進展期待が高まればポンド買いで反応しそうです。
ユーロ相場、ポンド相場ともに行く末を見守る必要がありそうです。
おわりに
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