メキシコペソは2大懸念緩和で下落トレンド入り回避 ただ、小幅な利上げではペソの上昇は見込めず(12/9)
メキシコペソ/円週足
13週、26週の短・中期移動平均線を下回る水準ではあるものの、52週の長期移動平均線を上抜けており回復途上。少なくとも下落トレンド入りはひとまず回避した模様。
新型コロナ変異株「オミクロン」を巡る懸念が後退
バイデン米大統領の医療顧問などから、新型コロナ変異株「オミクロン」感染者の重症化例が少ないとの指摘が相次いだほか、ワクチン製造元のファイザー社はワクチンの3回接種で「オミクロン」の中和効果が認められたと発表。新興国通貨のサポート要因となる市場のリスク選好度合も回復途上。
中銀独立性を巡る懸念もやや緩和
「オミクロン」と同時並行の形でペソ売り材料となった「中銀の独立性を巡る懸念」については、次期総裁に指名されたロドリゲス氏が上院議会で「独立性維持に取り組む」と強調した事などからいくぶん緩和した。次回12月16日のメキシコ中銀金融政策決定会合はディアスデレオン現総裁にとって最後の会合となる。インフレ率が7%台に高進する可能性が高まる中、政策金利は5.00%から5.25%に引き上げられる見通し。ただ、25bp(0.25%)の利上げでは、政策金利からインフレ率を差し引いた「実質金利」のマイナス幅は拡大する公算が大きい。来年1月に就任するロドリゲス次期総裁がインフレ対抗の利上げ姿勢を前面に打ち出すかは依然として不透明なだけに、12月の利上げに対して市場がポジティブな反応を示す可能性は低いだろう。