昨日のドル円相場ときょうのひとこと(9/23 金)
遺恨を残す政府・日銀の円買い介入 初戦は当局の勝利も市場の信条を踏まえれば再戦は必至
-------------9/22ドル円相場------------------------
日銀の緩和維持と黒田総裁「当面利上げない」発言で24年ぶりに145.906まで上昇。しかし、政府・日銀の円買い介入が入ると140.347まで大幅反落。一巡後は米金利上昇で142円台へ持ち直した。
OP143.970 HI145.906 LO140.347 CL142.386
----------9/22主な出来事---------------------------
11:54 日銀、金融政策の現状維持を発表
「新型コロナオペを段階的に終了」
「必要なら躊躇なく追加緩和」
「金融・為替市場の動向や日本経済・物価への影響、十分注視する必要」
13:35 神田財務官
「介入はまだやっていないが、ステルスでやる場合もある」
「必要な時は必ず介入することになる」
「適切な対応は、ずっとスタンバイの状況」
15:36 黒田日銀総裁
「当面は金利を引き上げない」
「来年度以降のコアCPI、2%下回ると予想」
「今の時点で政策指針の変更は必要ない」
「将来的な政策指針の変更はありうるが、当面は経済回復支援」
「マイナス金利、現在大きな副作用や問題を引き起こしてない」
「欧州がマイナス金利やめても日本がやめる必要ない」
「マクロ政策として金融政策は経済回復支援が必要」
16:30 スイス中銀、政策金利を-0.25%から0.50%に引き上げ
17:00 ノルウエー中銀、政策金利を1.75%から2.25%へ引き上げ
17:21 神田財務官
「断固たる措置を実施」
「為替介入を行った」
18:34 ECB報道官
「ECBは為替市場に介入していない」
20:00 BOE、政策金利を1.75%から2.25%へ引き上げ
20:00 BOE議事録
「必要に応じて力強く対応」
「委員1人は0.25%利上げを支持」
「今年4-6月、7-9月期にかけてマイナス成長」
20:00 トルコ中銀、政策金利を13.00%から12.00%へ引き下げ
21:30 アメリカ4-6月期経常収支 -2511億ドル
前回-2914億ドル(-2825億ドル)
予想-2606億ドル
21:30 アメリカ新規失業保険申請件数 21.3万件
前回21.3万件(20.8万件)
予想21.8万件
22:12 南ア中銀、政策金利を5.50%から6.25%へ引き上げ
23:00 アメリカ8月景気先行指標総合指数(前月比) -0.3%
前回-0.4%(-0.5%)
予想-0.1%
24:52 米財務省
「ドル円相場における日本の為替介入を理解する」
「為替介入はボラティリティへの対処と日本側が説明」
--------9/22株式・債券・商品------------------------
日経平均 27153.83▼159.30
豪ASX -----
上海総合 3108.910▼8.267
英FT 7159.52▼78.12
独DAX 12531.63▼235.52
NYダウ 30076.68▼107.10
日10年債利回り 0.237%▼0.022
豪10年債利回り -----
英10年債利回り 3.495%△0.184
独10年債利回り 1.965%△0.072
米02年債利回り 4.1222%△0.0738
米10年債利回り 3.7138%△0.1840
NY原油 83.49△0.55
NY金 1681.10△5.40
------------9/23注目材料----------------------------
<国内>秋分の日の祝日で休場
特になし
<海外>
13:50 カザークス・ラトビア中銀総裁講演
14:00 8月シンガポール消費者物価指数
16:15 9月仏製造業PMI・速報値
16:15 9月仏サービス業PMI・速報値
16:30☆9月独製造業PMI・速報値
16:30☆9月独サービス業PMI・速報値
17:00☆9月ユーロ圏製造業PMI・速報値
17:00☆9月ユーロ圏サービス業PMI・速報値
17:30☆9月英製造業PMI・速報値
17:30☆9月英サービス業PMI・速報値
21:30 7月カナダ小売売上高
22:45 9月米製造業PMI・速報値
22:45 9月米サービス業PMI・速報値
24:30 ナーゲル独連銀総裁/ジョーダン・スイス中銀総裁講演
27:00☆パウエルFRB議長あいさつ
25日 イタリア総選挙
------------9/23きょうのひとこと---------------------
政府・日銀が11年ぶりに為替介入を実施しました(円買い介入は24年ぶり)。いまにして思えば、神田財務官が日銀会合後に「スタンバイ」と発言しており、準備は万端だったのでしょう。もっとも、「スタンバイ」と「実弾発射」の間には高いハードルがあると見ていたわけですから、意外にあっさり発射ボタンを押してきたなあ、というのが個人的な感想です。もうひとつ驚いたのは、米国側が日本のドル売り・円買い介入に一定の理解を示した点です。この根回しも含めて、とりあえず初戦は当局の勝利といったところでしょうか。ただし、これで当局と市場の間に遺恨が残ったのも事実。「介入で為替のトレンドは変えられない」というのが市場の信条なので、どこかのタイミングで再び戦闘が起きる可能性が高いと思われます。なお、アメリカ財務相による「為替操作国」認定条件の一つはGDP比2%の介入実施です。日本のGDPが約550兆円なので2%は11兆円。当局が昨日の円買い介入にいくらつぎ込んだかは今月末に財務相が発表する「外国為替平衡操作の実施状況」で明らかになります。
本日もよろしくお願いします。