ドル/円は再び大きく動き出す?
※こちらはオンラインセミナー「超実践FX~マネ育トレーニング」の講演内容をベースにしています。
ドル円は近いうちに再び動き出す?
<マネ育相談BOXに寄せられたご質問>
ドル円は3月に大きく動いた後は膠着していますが、近いうちに再び動き出しそうですか?
3月は10.50円程度の値幅があり、2000年代で4番目に大きく動いた月でした。
しかし、4月は3円、5月は2円程度(5/26時点)の値動きと変動が新型コロナウイルス感染拡大以前に逆戻りし、再び膠着相場になっています。
その分エネルギーが溜まって、大きく動くという見方もあるようですが、過去の動きも参考に3月を振り返ってみたいと思います。
まず、直近10年で10円以上の値幅があった月は6回、2円未満は10回と値動きが少ない月の方が多いのです。
また、この期間の平均値幅は4円程となりますが、ここから分かることはそもそもドル/円は変動が低い通貨ペアということです。
実際にオプション市場の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)もコロナ禍以前の水準でまで低下してきています。
ただ、「動かないのが基本」であれば、逆に捉えれば、戦略を立てやすい通貨ともいえるのかもしれません。
5月のレンジは106円~108円前後で推移しているため、106.00円では買い、108.00円では売りが有効とみられますが、レンジをブレイクした場合はこの限りではありません。
損切りも視野に入れるなど、しっかりと相場に向き合う必要があります。
しかし、しばらくは米中対立などを背景としたリスク・オフの局面でもドルと円が同方向に動く傾向(リスク・オフならドル高・円高、リスク・オンならドル安・円安など)が強いと見られるため、ボラティリティの高い通貨で取引を検討している場合にはクロス円をチェックしてみるのもいいでしょう。
日本の個人投資家の動きは為替市場全体にどれくらいの影響が?
<マネ育相談BOXに寄せられたご質問>
FX取引額が3月は1000兆円を超えたそうですが、日本の個人投資家の動きは為替市場全体にどれくらいの影響があるのでしょうか?
まず、日本の個人投資家の取引量は世界に占める割合が4%くらいといわれています。そうなると、やはり全体への影響も大きい考えられます。
参考情報となりますが、外為どっとコムのポジション比率を見ると、コロナ禍に揺れた3月に101円を割り込む水準(2016年10月以来の安値)まで下落した時は買いポジションの比率が8割まで膨らんでいました。
その後、111円後半に切り返す中で今度は売りポジションのボリュームが増加しています。
日本の個人投資家の特徴として、ドル/円が上昇すると「売り」、反対に下落すると「買い」というように逆張りを狙った取引が多いといわれていますが、それが証明された格好でしょう。
それ故に101円を割り込むことなく踏みとどまったのは、この日本人投資家の逆張りの影響と推測することもできます。
おわりに
超実践FX~マネ育トレーニングの最新号では「ドル/円は再び大きく動き出す?/高井ひろえ氏が出演!」のタイトルで「ドル/円5月レビュー」「外為短観5月アンケート「コロナ終息後、最初に本格的な回復を始める国はどこだと思いますか?」」「マネ育相談BOX「膠着しているドル/円、近いうちに再び動き出す?」」「マネ育相談BOX「日本の個人投資家の動きは為替市場全体にどれくらい影響がある?」」「高井ひろえ氏が出演!経済ニュースの読み方や考え方を解説します」と盛りだくさんの内容でお送りしています。
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