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少し前の思い出と、少し先の場所について

 1月にTracy Templeton展関連のポストをして以来久しぶりの日記。本来は2019年6月のイギリス・ベルファスト出張から中国・成都出張までのレポートをシリーズで書こうと思いつつ、時間が確保できず休眠状態だった。その2つの海外出張はいずれも野村浩さん関係。2019年の年明け「暗くて明るいカメラーの部屋」(横浜市民ギャラリーあざみ野)から、先日終了したMerandi展(POETIC SCAPE)まで、まさに野村浩さんのおかげで色々な経験をさせてもらった。

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↑野村浩キュレーション「The Dark and Bright Room of CAMERAer」が開催された、成都A4 Museumが入る施設のエントランスにて

世界が変わる前のロンドンの様子

では、今からまとめて振り返って書けるかというと、書けない。いや、書けるけどあんまり意味がないって感じ。ベルファストからロンドンに移動し、留学時代の同級生の家に泊めてもらって垣間見た、ロンドンのフォトグラファーの暮らしとか、恩師がディレクターを務めるロンドンのUAL(University of the Arts London)LCC写真学科の充実ぶりとか、The Photographers' Galleryのスタッフに色々聞いた話とか、V&Aの新しい写真セクションを案内してもらったこととか、多分面白いトピックはあったのだろうけど、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、多分全て過去の話になってしまった。(とりあえず写真だけいくつか載せておきます)

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↑大学の同級生で現在ロンドンで活動するフォトグラファー、Dee Ramadan。ロンドンでも注目のエリアBrixtonのフラットに店舗のインテリアデザインを手がけるパートナーと娘と猫と暮らしている。フラットは丸ごと所有していて、1Fはスタジオ、2F-3Fはリビングや娘の部屋、そしてロフトがベッドルームと羨ましい限り

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↑UAL(LCC)にある印刷機(ハイデルベルグ)近くに製本機もあり、学生は自分の写真集を校内で作ることができる

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↑留学時代の場所(レスタースクエアの駅前)から引っ越して大きくなったThe Photographers' Gallery。写真集中心のbook shopに加え、若手の作品を展示販売する小さめのスペースがあった

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↑V&A(ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアム)にて。拡張したばかりの写真セクションをBelfast Photo Festivalで出会ったV&AのCatherine Troianoさんが案内してくれた。次年度に再拡張すると語っていたが、どうなったのだろう

あれから数ヶ月後の別世界にて

これらの写真を見て、実際は1年経っていないのに随分昔のことのように感じる。5/3現在、Lockdown下のロンドンで、V&AもThe Photographers' Galleryも臨時休館している。そしてPOETIC SCAPEも4/4から一ヶ月営業していない。さらに追い打ちをかけるように、明日にでも緊急事態宣言の延長が宣言されるはずだ。正直先が見えない。でも見なくてはならない。ギャラリーディレクターである私は、経営者でもあるので。

最近、知人やお客様とメールで連絡を取った結びに「どうぞご自愛ください」とか「コロナが終わったら遊びに行きます」という言葉を交わすことが多い。でも先日、ある方から頂いたメールにはこう書かれていた

「コロナと共生できたら一席いきましょう。」

NEW NORMAL時代のギャラリー像を考え始める

多くの人々が気が付いているように、新型コロナウイルス感染症との戦いは長期戦になりそうだ。少なくともワクチンが開発されるまでは。もしかしたら、この厄介者は定期的に猛威を振るうウイルス感染症として、私たちの世界にずっと居座るかもしれない。そうなればこのウイルスと共生するために、私たちの行動様式の方が変容していかざるを得ないだろう。どちらにしても、もう以前と同じ世界には戻ることはないっぽい。いわゆる「NEW NORMAL」という世界だ。

NEW NORMAL時代のアートギャラリーは、一体どういう姿をしているのだろう。ちょっとの変化で済むのか、もはや全く違うビジネスモデルに生まれ変わらねばならないのか。とにかく今は、今日明日を生き延びる手段を講じつつ、同時に未来のことも少しずつ想像していかねばと思う。

久しぶりなので長くなってしまった。今後はもう少しさらっと、日記っぽくやっていきたい。
↓ギャラリーは休業ですが、オンラインストアはやってます。



いただいたサポートは、POETIC SCAPEの活動を通じてアーティストをサポートするために使わせていただきます。サポートをぐるぐる回していければ素敵だなと思っています。