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ポップコーンは買わない派です。vol.70

空前絶後の80年代随一のSF映画

予告編

あらすじ

西暦2084年、地球の植民地となっていた火星では、エネルギー鉱山の採掘を仕切るコーヘイゲンとそれに対抗する反乱分子の小競り合いが続いていた。一方、地球に暮らす肉体労働者のダニエル・クエイドは、毎晩行ったこともない火星の夢を見てうなされていた。夢が気になるクエイドは「火星旅行の記憶を売る」というリコール社のサービスを受けることに。しかし、それをきっかけに今の自分の記憶が植えつけられた偽物であり、本当の自分はコーヘイゲンの片腕の諜報員ハウザーだったと知る。クエイドは真相を知るため火星に旅立つが、真実を隠匿するコーヘイゲンに命を狙われ……。

はじめに

最強のSF映画のリバイバル上映この機会を見逃すな!

変にキュレーションぽくなってますが、この作品についていろいろ調べてみるとスタッフ最強さ加減がすごいんです。

SF映画が元から苦手ですという方やカップルでの鑑賞はおすすめしません。

映画好きの方でも覚悟して観た方がいいかもしれません。これは思っている以上に世界が深いです。

私は入り込みすぎないところで留まりました。

では見ていこう。

原作がすごい

原作はフィリップ・K・ディックという方が書いた

「追憶売ります」

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という小説で、この作品自体は十数ページの短編で映画にするにあたってはかなりの脚色を加えていて、ほぼほぼオリジナル脚本なんじゃないかってくらいらしいです。

これがホラーのジャンルでいうスティーブン・キングだったらどうでしょう。ガチギレブチギレ間違いないでしょうね。

ちなみに

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スタンリー・キューブリックが制作したシャイニングという作品は原作がスティーブン・キングですが、あまりの脚色にブチギレていたそうです。

後々原作に従順な作品を作ったらしいですから、怒りは相当なものだったのでしょう。

話を戻しますが、原作者のフィリップさんはこの追憶を売りますという作品の他にも

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

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という作品を発表しており、これは「ブレードランナー」というSFを代表する映画として多くの人に知られています。

原作者がSFにおいて巨匠なのです。

まず原作が最強。

監督がすごい

次は監督です。

監督はポール・バーホーベンさん。

オランダ出身の監督さんですが、代表作として「ロボコップ」が挙げられます。

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これまたSFにおける代表的な作品を監督されています。

実は2年前くらいにロボコップもリバイバルで上映されていて、その時に鑑賞させていただいたのですが、今回鑑賞したトータルリコールも同じ空気感を感じたのは事実ですね。

監督の個性がよく伝わってきて、めちゃくちゃ好きですね。

CGが発達する前の時代に構築された特殊な視覚効果は画期的であったと思います。

しかしながら、それは当時の人間にとってはの話なので自分としては想像でしか考えることができません。

初めてあれをみた現代の若者は違和感を感じざるを得ないかもしれません。

しかしこれを表面だけで毛嫌いするのは違うと思うし、さらにいうなら背景を知ると現代の映画よりも興味深い事実が浮かぶ上がってきたりとか映画の変遷を知ることができる、

まさに地質学。

地層のようにロマンが溢れてるのです。まず地層のロマンがわからねえってか。僕もそこまでわかってねえけどブラタモリ観てる人ならなんとなく察してもらえるはず。

また話がずれてしまいましたが、実際にこのトータルリコールはアカデミー賞でも視覚効果賞という特殊な賞を獲得しているので評価が高いのは事実です。

アカデミーの協会からは

「お金をかけなくても優れた視覚効果を生み出すことができている」

という講評うけたようだった。

それって、ねえ、褒めてるの?

なんか言ってますか?次にいきましょう。

特殊メイクがすごい

視覚効果の脈略で申しますが、特殊メイクがすごいんです。

芸術なんです。

CGが登場する前の映画としてCGの優位性を感じますが、特殊メイクにはCGには絶対に真似できない特殊メイク人の芸術性があるんです。

担当しているのはロブ・ボティーンさん

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この人は14歳で商業映画の世界に入り込んで、キングコングやスターウォーズなどの特殊メイクの現場に参加していたそうで、なんと18歳(20歳と記載されている記事もありました)で独立してその道を極められていったそうです。

半端ないですよね。その道に生きるために生まれてきたようにも感じる。

カッコ良すぎます。

代表の造形物の中に「遊星からの物体X」の謎の生命体を手掛けていて、

謎というだけあって、どこにもお手本となるようなものがない。つまり、自分の想像力でおぞましい物体を作り上げていく。

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まさにアートの産物であったのは間違いない。

アカデミー賞でもメイクアップ&ヘアスタイル賞という部門があるように、芸術性としての観点からも造形や特殊メイクと映画の芸術性はかなり親和性が高いと言えると思います。

日本出身のカズ・ヒロさんがウィンストンチャーチルの映画でゲイリーオールドマンに施した特殊メイクが評価され、受賞されていたのは記憶に新しいですね。

最後に

いやあ、正直なところ80年代のSFはカルト的な人気があるような気がしていて、マニアにはすげえ評価されそうな雰囲気を感じます。

もちろんR15指定なので、割り切ってるとは思うのですが。

でもすごい評価されているし、その裏付けも納得できる。

万人に評価される映画ならそれはそれでいい。監督、スタッフの芸術性の結集がググッと集まってすげえ作品が出来上がった感覚ですね。

映画好きの人はこういう作品はなんとか理解しようとして探ると思います僕のように。笑

知っていくうちにどんどん魅力にのめり込んでしまう沼のような映画なのかもしれません。

しかしファンの中でもこの映画を評価しなければファンと名乗ってはならないような圧力的な雰囲気を感じるのも事実かもしれなくて。

アングラを知っていることが真のファンであるみたいな観念。ファン歴が長いことの方が偉いという観念。

しょうもないことと思いますが、そのような感じです。

でも今回のトータルリコールは一見だけでは

「ん〜〜〜?んん?!」

ってなると思います。でも掘って知ると面白いです。

おすすめしまーす!

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