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ポップコーンは買わない派です。vol.85

ブックスマート

予告編

あらすじ

高校卒業を目前にしたエイミーと親友モリーは成績優秀な優等生であることを誇りに思っていたが、遊んでばかりいたはずの同級生もハイレベルな進路を歩むことを知り、自信を失ってしまう。勉強のために犠牲にしてきた時間を一気に取り戻すべく、卒業パーティへ繰り出すことを決意する2人だったが……。

ブックスマートとストリートスマート

ブックスマートは本作のタイトルであるが、それと同様に重要な用語として

「ストリートスマート」

が挙げられる。

これはどちらがかっこいいかとしている意味合いで、

ブックスマートというのは本の通りに、真面目に試験や有名大学に受かる、卒業するということが良しとされている考え方。

一方、ストリートスマートというのは、教育はないけれどもいろんな経験をしていてそこから得る学びから世間を広く知るという考え方。

日本でいうところの「現場で学ぶ」ということ。

ビルゲイツやスティーブ・ジョブズ、マークザッカーバーグなど、超有名な実業家も大学や高校を中退したものの自分で事業を作り上げ、成功を収めている。

これらはまさにストリートスマートに当たる例である。

話を戻すと、本作に登場する主人公の2人について、

エイミーとモリー

この二人はまさにブックスマートの権化ともいうべき存在。

勉強のみを真面目に頑張ってきた子たち。

その対照、ストリートスマートの権化に当たるのは二人以外の生徒たち。

めちゃくちゃに遊んで一見すると勉強がまるでできなような人たちがめちゃくちゃいい進路に進むことが明らかになって、モリーが強くショックを受けるところからこの作品が始まるのだが、日本で例えるならろくに授業も受けないヤンキーが早稲田や慶応、東大に合格しているような感じ。

自分は常に努力をしていきたのにも関わらず、自分の知らぬ間に周りのみんなも努力していて、結果を出していて、なおかつしっかり遊んでいたと知ったら自分の努力は無駄とは思わなくとも、もっと遊んでおけばよかったと強く後悔するかと思う。

ここで主人公の二人は卒業前夜に開催されるパーティでめちゃくちゃに遊んでやろうと企てるのだ。

いや、最後の一日で取り戻せるのか?と一瞬感じるが、その直後に

いや、取り戻せ!イケイケ!がんばれ!w

と思えるくらい二人のキャラも最高で、つい応援したくなるw

どっちがかっこいいか

それではブックスマートとストリートスマートどちらがかっこいいか。

それは多くの場合、ストリートスマートが支持されることだろう。

考えなくてもわかることだ。

でもこれが支持されているということはだ、ストリートスマートな人間はこの世においてはマイノリティの存在であることがわかる。

故に皆憧れを抱くのだ。

でも、本作では明らかにブックスマートであるエイミーとモリーがマイノリティとして描かれている。

これは二人の主人公を際立たせるための演出かもしれないが、ストリートスマートな人間が多い学園シーンはやけに異様であるという印象を持つと同時に、一種の嫉妬も我々に植え付けられるように感じる。

フェミニン要素が一歩前に出ているものの、基本的にはジェンダーや性的指向、人種においてニュートラルに描かれていることが本作の大きな特徴のひとつであると言えよう。

例えば、男女が共に使うジェンダーニュートラルなトイレ。これってら海外には存在するものなのだろうかと思って調べてみるとカリフォルニアの学校にはいくつかあるらしい。

それはトランスジェンダーの子たちがいるから。

日本では考えられない場面が見られるので違和感を感じる場面もありつつなんだが、

恋愛の機微や友情はジェンダー云々の飾りを抜きにして平等にあるものなんだと思った。より強調されていたようにも感じる。

全体的に、これは若者に支持されて然るべき作品であると考える。

こんな友達いたら最高やなぁって思うし、クラスメイトも個性が溢れててみんなおもろくて最高やし、つくりもコミカルだから観やすい!

変に要素も押し付けがましくないのでエンタメとして最高だと思います。




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