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ポップコーンは買わない派です。vol.73
オン・ザ・ロック
恋愛や人間関係に悩む全ての人へ
予告編
あらすじ
ニューヨークで暮らすローラは順風満帆な人生を送っていると思っていたが、夫ディーンが新しい同僚と残業を繰り返すようになり、結婚生活に疑いを抱き始める。そこでローラは、プレイボーイで男女の問題に精通している父フェリックスに相談を持ち掛ける。フェリックスはこの事態を調査するべきだとアドバイスし、父娘2人でディーンを尾行することに。アップタウンのパーティやダウンタウンのホットスポットを一緒に巡る内に2人は距離を近づけていき、自分たち父娘の関係についてある発見をする。
はじめに
私はよく自分がみたい映画を探すために映画.comさんのアプリを利用させてもらっていて、それを周回している時に見つけた作品が本作で、ポスターでビビッときた作品でした。「これは!!面白そう!」
自分の中でこの感覚が間違っていることはあまりないのできっといい作品に違いないとは思っていたのですが、まさかの地元では上映なし、、ミニシアターでの公開がほとんどでとても悲しかったのですが、
よくよくみてみると、、
んん??アップルTV+オリジナル??これってアップルの純正アプリで入ってるサブスク動画配信のところのやつだよな、、、
まさか!!
実はアップルTV+のサブスクに1年間無料というサービスがあったのであまり興味はなかったものの(個人的に見放題の作品に魅力を感じなかった)、登録していたのです。それを思い出して、アップルTV+に直行したところ、あったんです!ネットフリックスオリジナル的な立ち位置で「オン・ザ・ロック」が公開されていました!
映画館ではなかったものの、視聴環境を選ばないというのも悪くはないかと思い、鑑賞しました〜。
監督のソフィア・コッポラの実体験を基にした社会派コメディ
主演の一人であるビル・マーレイは本当の父親を投影したような存在で、ソフィア・コッポラの作品にはもはや欠かせない存在となってきた。
さて、本作ではあるきっかけを基に夫の浮気を疑って探偵のようなことを始めるのだが、女性目線で描かれている分、どうしても男性側への疑いは色こく見えてまう部分がある。
感情移入してしまうポイントかもそれない。これは男女問わずだ。
だからこそ、男性は女性目線、女心を理解する上でこの作品は優れているように感じるのだ。
夫の方もきっと潔白なんだろうけれど、一度疑いをかけると全ての挙動が怪しく見えてくる。これは本当に面白い現象だ。そして見事にやることなすことがうまくいかない。
仕事が重なって誕生日を直接祝うことができなかったり、サプライズで用意されたプレゼントにもあんまりときめかなかったり、後日の埋め合わせでの食事も周りがうるさいレストラン。(前提として父親が静かでエレガントなお店で誕生日を祝ってくれた背景があるから)うるさいから店を出ようかという話のタイミンングで誕生日ケーキが運ばれてくる。
「え、もしかして私に?!」
と思いきやそのケーキは隣のテーブルに。それを見ていた嫁に気づいた旦那が慌てて、
「ケーキ欲しかった?今から頼むよ!?」
こうなったら最悪ですよね。やることなすこと全て裏目に出てしまう。これも一度の疑いがあってこそのものなのかもしれません。
多忙や遠距離恋愛ではパートナーの見えない部分が疑いの対象になることを忘れてなりません。特に男性は。
この旦那とは対象の存在として描かれているのが嫁(ローラ)の父親フェリックス。彼はプレイボーイとして描かれていて、女性の扱いや女性の喜ぶことを網羅している。古典的な固定観念がある部分も見られるが、作品ではそれが悪い部分として浮かび上がってこないところがすごいところだ。
旦那と父親の違いは、真面目さ不真面目さ?、硬派、軟派、という対象な部分にあると思う。でもそれぞれに良さがあって、もちろん欠点も存在する。
しかしそんな欠点もローラは受け入れ、良い部分をちゃんと受け止めて生きている姿が見れるのがすごいなと思うし、人間としても鏡だなって感じる部分だと思った。
総じて考えると、多様性を大事にしている映画なのかもしれないと感じた。最後は旦那のディーンがローラにうまいこと寄り添っていった形が結果としてあわれているのが見事で、これはマスターピースに間違いなく入ってくる作品であると確信した。
ちなみに話はタイトルのことになりますが、オン・ザ・ロックの意味はウイスキーをロックで飲むという意味の他に恋愛や人間関係がうまくいかないことを意味することもあるそうです。船が岩に座礁するといったような。
最後に
配信で新作映画をみる機会はこのコロナ禍によって増えてきたし、これからもそういう流れになっていくのかなと思うと
映画業界にもニューノーマルが浸透しつつあることを実感した鑑賞体験でした。
ベッドの上でスマホ片手に新作を鑑賞する日がくるなって思ってもいませんでしたが、だんだんと都心と地方との見れる作品ギャップがなくなってくれることは大歓迎です。しかし、映画館という環境は捨てきれません。
ニューノーマルとはいえ、基本的に映画は映画館でみるというスタンスは変えたくないものです。