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アンフレンデッド:ダークウェブ(2018年/アメリカ)感想 PC盗んだら元の持ち主がヤバい奴で大変な事になった若者達。


2014年、全編PC画面上でストーリーが進む斬新さで話題になったらしい"アンフレンデッド"の第2作。

そんな前作を観ていない僕でしたが、今作は前作との物語的な繋がりなどは一切ないみたいで安心して楽しめました。


〘アンフレンデッド:ダークウェブ〙

(UNFRIENDED:DARK WEB)

アンフレンデッドダークウェブポス

画像引用元:アマゾンプライムビデオ: https://www.amazon.co.jp/


以下、一部にネタバレを含む感想記事です。


■ストーリー

ネットカフェの落とし物コーナーから盗んだラップトップPCでオンラインフレンド達とはしゃごうとした結果、大惨事へ。


■内容

前作"アンフレンデッド"、僕は未視聴なのですがどうやらサイバーホラー的な、SNS時代と怨霊要素を融合させた作品だったようで、かつ全編PC画面上で物語が進行する、という斬新な映像表現で描かれ話題になった映画だそうです。

そんな作品の映像表現を受け継ぎつつ、改めてインターネットの闇と巻き込まれる人々にフォーカスし再構成したのが今作"アンフレンデッド:ダークウェブ"になります。前作と物語上の繋がりはありません。


今作の公開年は2018年、前作は2014年。

全編PC画面上で物語が進行する映画と言えば"サーチ/Search"が有名で物凄く話題になりましたが、このサーチが奇しくも2018年公開でした。

この手の映像表現の先駆がサーチでは無くアンフレンデッドだと知らなかった上にその続編でしたという、外要素の驚きが2つもあって楽しい映画です。


オンラインフレンドとのゲームナイトの模様が主人公のPC画面上で描かれ、その中で次第に不審な出来事が連続し、次第にとんでもない事態に陥っていた事が発覚、そして惨劇が始まるという内容で、良くも悪くもインスタントな面白さに溢れた映画です。



■感想(ネタバレあり)


全てはネットの闇の住人達の仕掛けた、仕組まれたゲームだった…という結末を迎えたことで、本編視聴中に生まれる多くの疑問点やツッコミどころにカタを付けてくれます。

シンプルな描写不足や考証不足などでは無いので「仕組まれてたならそりゃそこはガバガバにしておくよね」っていう、そういう納得がちゃんと最後に生まれる映画でした。


例えば冒頭、主人公のマタイアスが盗んだPC(この盗んだものだったというのも後々に明らかになる要素ですが)に無理やりログインしようとして想定されるパスワードを試しまくるところから始まります。

ユーザーネームの"?"1文字を打ち込むと無事ログイン成功、物語が進むにつれて元の持ち主が相当な知識を持つ人物である事やPCにとても重要なデータが大量に保存されてる事が発覚しますが

「そんな重要なPCのログインパスをなんでそんな分かりやすいものにしてるの」とか「フェイスブックにしろ他のアプリケーションにしろなんでIDパス自動保存状態にしてるの」とかそういう素人すぎるガバガバセキュリティが目に付くわけですよ。

ところがそれも全部仕込みだった、というオチのお陰でモヤモヤ要素として残らない、むしろ後々そういった要素を思い返すごとに仕組まれたゲームだったという説得力が増していくので、この構成は中々上手いと思いました。


中盤以降、マタイアスとゲームナイトに参加していた友人達が事態を把握してから参加メンバーにダイレクトアタックが始まるわけですが、この辺りは良くも悪くもこの手の映画らしい展開ではありました。

マタイアスの盗んだPCの元の持ち主の名であるカロンⅣ、そしてカロンの名を持つ人物が他に何人もいる事、彼らはダークウェブ上の闇サイト"ザ・リバー"で何かの取引をしている事など、まずい事態に巻き込まれた事はこの辺りでゲームナイト参加メンバー達も把握し始めます。

個人的には、マタイアスが他のゲームナイト参加メンバーを自分がPCを盗んだせいで起きてしまった不測の事態に巻き込まないように「ゲームをやってる」という体でなんとか誤魔化しつつ、カロンⅣと取引をする、といった流れになるんだと勝手に予想していたので、この辺りのメンバー全員まきこみ展開は意外でした。そしてそれが悲劇の引き金に。


そして、このゲームナイト参加メンバーは当然闇のゲームの犠牲者になってしまう訳ですが、死亡シーンがこれまた、やたらと手の込んだ演出を仕掛けてくるんですよ。

それがたまらなくツッコミ欲を刺激する無駄な遠回りと雰囲気作りにパワー振りまくった演出の連発なんですが、それも結局は「全てはダークウェブ上で開催されたゲームによって仕組まれた出来事だった」オチのおかげでなんとかなってたりします。


わざわざゲームナイト参加メンバーのウェブカメラ映像を切り貼り再編集して発言抽出して組み合わせてみたり、何故かゲームナイト開始前のカメラ映像(多分カメラログを後から掘り直したとかなんでしょうけど)を持ち出して雰囲気作りしてみたり、手の込んだ殺し方をするカロン達。

「はいはい出た出たこの手の映画あるある無駄に恐怖を煽ろうとする系の謎演出と謎すぎる死に様ですね」みたいに斜に構えてしまう気持ちは物凄く分かりますが、何度も言いますがこれも全てシナリオ通り。


結局は、ダークウェブ上で開催されていた人命軽視ゲームの一環で、マタイアスがPCを盗む事すら織り込み済みで全て仕組まれていた事が終盤で発覚し、マタイアスもまた最後にその"ダークウェブ的ゲームナイト"の進行画面を目の当たりにしながら死んでいきました。


そんな感じの内容なので、オチに全て収束する映画ではあります。

ただ、そういった構成的な上手さはともかく、飛び抜けて面白いスリラー映画かと言われるとそうでも無い気がしました。

やっぱりそれは、終盤に至るまでの展開が本当に良く見る流れなのと、中盤以降に事態を好転させられそうな要素やその可能性が提示されない、端的に言えば後半はもうずっと絶望的な展開が続く点が大きいのかもしれないです。

一瞬助かる希望をチラつかせてからの「やっぱり救われませんでしたー!!」的なイジめ方をしないのでそこは潔い点ではありますが、それは同時に「あーこいつらもうこの後ただただ死ぬのね」みたいな、そういう変に冷静な気持ちになったりもしたので、そこが個人的には少し引っかかりました。



■〆

個人評価:★★★☆☆

この手の映画で萎え要素になりがちな部分が上手くオチの意外性に直結している珍しい映画だと思いました。

さすがに、カロンのメンバーがカメラに映る瞬間だけ発生するブロックノイズとジャミング演出はどういう仕組みなのか全くわからない超常の力を感じちゃう不自然さでしたけどね。唯一のご都合要素かも。


全然ありな映画だと思いました。前作も観てみたい。

ではまた。



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