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目的と手段を間違えない人生設計とは

人生を充実させたい、多くの人がそう考えるでしょう。そのために目標を立てたり計画を練ったりするのですが、気づかないうちに「手段が目的化」してしまうことがよくあります。

例えば、資格を取ることが目的になり、その先にある「稼ぐ」や「安定する」という本来の目的を忘れてしまうこと。仕事を前進させるための会議が、いつの間にか「会議をうまく進行すること」自体が目的化していること。あるいは、「モテたい」という目的で始めたジム通いが、気づけば「筋トレそのもの」が趣味になり、出会いの場に行くことを後回しにしてしまうこと。

これらの例は決して珍しいことではなく、多くの人が経験しているでしょう。本来の目的を見失い、手段に振り回される状態がなぜ起こるのか、そしてそれをどう修正していけば良いのか。今回はそんなテーマについて考えていきたいと思います。


手段が目的化する理由とは?

目的と手段が入れ替わるのは、いくつかの要因が絡み合っています。

1. 短期的な満足感に囚われる
資格の取得や会議の進行、筋トレそのものは、それぞれ達成感や満足感を与えてくれるものです。しかし、そこに意識を集中させすぎると、本来の目的を忘れてしまいがちです。人は目の前の達成感に弱い生き物であり、長期的な目標を見失うことがあります。

2. 他人の期待や評価に影響される
社会的な成功や他人からの評価を得ることが手段の成果と結びついている場合、目的よりも手段にフォーカスしてしまいます。例えば、「この資格を取れば周りに認められる」という思いが強くなりすぎると、「稼ぐため」という本来の目的を見失うことがあるのです。

3. 目的を意識する習慣がない
子どもの頃から「目的と手段を明確に区別する」考え方を教わっている人は少数派です。学校教育や家庭でその習慣がないと、大人になってから自分で修正するのが難しくなります。

解決の鍵は逆算思考にある

大谷翔平選手の「目標設定シート」は、逆算思考の優れた例です。彼が高校時代に作成したこのシートには、「メジャーリーガーになる」という最終目標が明確に掲げられており、それを実現するために必要な要素が具体的に分解されています。「技術力を高める」「体力をつける」「メンタルを強くする」など、すべての行動が目的達成に直結するよう設計されていました。

このように、「目標→手段→行動」の順序を維持することが、目的と手段を混同しないための最良の方法です。そして、この考え方はスポーツだけでなく、ビジネスや日常生活にも応用できます。

人生を旅行に例えてみる

私は若い頃、人生を旅行に例えて考える方法を教わりました。旅行の目的は何でしょうか?人それぞれですが、例えば「余暇を楽しむこと」「恋人との思い出作り」「家族との団欒」などがあります。一方で、目的地や移動手段(車、電車、飛行機など)は、あくまで「手段」に過ぎません。目的地や移動手段が旅行そのものの目的になってしまうと、本来の楽しみが薄れてしまいます。

人生も同じです。「どんな人生を送りたいか」が目的であり、職業や資格、働く場所などはその目的を達成するための手段に過ぎません。しかし、私たちは資格を取ったからその資格を活かさなければならない、就職したからその会社に居続けなければならない、といった具合に手段が目的化してしまうことが多いのです。

私自身の経験:目的を見失った時期

私自身も、かつては手段が目的化していました。安定した人生を送り、お金に困らないために薬剤師免許を取得しましたが、いつの間にか「薬剤師で働き続けること」自体が目的になっていたのです。振り返ると、本来の目標を考え直す機会を持つことなく、惰性でキャリアを続けていました。

しかし、人生100年時代を迎えた今、一度選んだ手段に縛られる必要はありません。社会の仕組みも変化しており、「マルチキャリア」や「ライフシフト」という考え方が普及しています。一つの仕事や職場に固執する必要はなく、目的に立ち返りながら新しい選択をしていける時代なのです。

目的を見直すための3つのヒント

1. 紙に書き出す
自分が本当に大切にしていること、どんな人生を送りたいかを紙に書き出してみましょう。視覚化することで、頭の中が整理され、本当の目的が明確になります。

2. 信頼できる人に相談する
家族や友人、キャリアコーチなど、信頼できる人に話してみると、自分では気づかなかった視点からアドバイスをもらえることがあります。

3. 過去を振り返る
「なぜその手段を選んだのか?」過去を振り返ることで、当時の自分が抱いていた目的を再確認し、軌道修正のきっかけを得られます。

人生の目的に立ち返る大切さ

人生は長い旅です。目的は途中で変わっても構いませんが、本来の目的を見失わず、それに合った手段を選び直す柔軟さが大切です。大谷翔平選手のように逆算思考を取り入れ、定期的に目的を振り返ることで、自分にとって最適な道を選び続けられるでしょう。

私は、自分自身が20代の頃から逆算思考を取り入れ、キャリアについて考えてきました。その経験を活かして、現在はキャリアアドバイザーとして活動しています。一人ひとりのキャリアの明確化に心血を注ぎ、妥協することなく向き合っています。もしキャリアに迷いや不安を感じているなら、ぜひご相談ください。あなたの人生を一緒に考え、最適な手段を見つけるお手伝いをいたします。

あなたはどんな人生を送りたいですか?
そのために今の手段は最適でしょうか?
ぜひ一度、自分に問いかけてみてください。そして、必要であれば私が全力でサポートします。

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