雑感:アングラな場が生む生態系
新規事業開発を会社でやっているとどうしてもオフィシャルなプロセスばかりが気になってしまうものです。
例えば、事業提案のピッチのフォーマットや発表の時間、事業化検討のプロセス、スケジュール、予算化 etc.
外から決められたそれらの縛りの中で事業を考えて、アイディアの良し悪しを標準化された判断軸で評価されて、比較的良いものが採択される。
そういった誰の目から見てもわかりやすいオフィシャルなプロセスを会社では決めて、新規事業を提案する人もそれをベースに考えていきます。
そういった新規事業開発もあるとは思いつつ、私はなんとなく窮屈さを感じてしまいます。
というのも、オフィシャルな枠があると、その枠に入るアイディアが作られがちであるように思うからです。
自動的に思考に枠が作られる、と言い換えてもいいかもしれません。
本来、新規事業が作り出すそれまで世の中になかった新しい価値というのは多かれ少なかれ、当初想定していたオフィシャルな枠から外れていて然るべきと私は考えています。
オフィシャルな新規事業開発のプロセスに窮屈さを感じるもう一つの理由は、そこに泥臭い議論や試行錯誤の余地が見えないことです。
いいアイディアはポッと湧いてくるものではありません。
生煮えの、海のものとも山のものともわからないアイディアを成長させ、磨いていくことが必要ですが、そういった時間の読めない不確実性が高いプロセスはオフィシャルにはフォローされないことがほとんどです。
では窮屈な思考の枠を外して、自由で独創的な新規事業を生み出すためにはどうしたらいいでしょうか?
個人的なアイディアとしては、事業アイディアを持つ人たちが形式なくフラットに交流できるアングラな場を作り、一種の生態系を形成することが良いと考えています。
形式が思考の枠を狭めてしまうなら、形式がなく自由に興味や意欲がある人たちが集まって話せる場所を作ればいい、という発想です。
実際に、起業家が集まるコミュニティでは同じような光景を見ることができます。
彼らはピッチ大会だけで発信しているわけではなく、様々なシーンでアイディアを話し、議論を経て磨き上げて行っているのです。
起業家はそういった活動を自然とやりますが、企業の中ではそういったことをできる人はあまり多くありません。
そういった方々の発想の枠をはずし、いい事業提案を引き出すためには、オフィシャルな場だけではなく、アングラで自由な議論ができる生態系を作っていく必要があるのだと思った今日このごろ。
以上
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