人差し指の伝言|猫の手鑑定日記
これは随分前のお話ですが、ご夫婦で鑑定にいらしたNさん、ご主人の方のお話です。最初に奥様がお友達の紹介で来られ、そして次にはご夫婦でみえられたのです。ご主人のNさんは若い料理人さんです。
まずは初めての方は大抵手を最初に拝見するのですが。
Nさんの手を拝見したときに、右手の人差し指の怪我が大変気になりました。
切り傷なのですが、よくよく拝見すると古い傷跡もありかなり何度も怪我を繰り返している様子がわかります。料理人とは言え、右利きのNさんが右手の人差し指に切り傷を繰り返すのも妙なこと。
ちょっとそのNさんの手をざっくり図で書いてみますとこんな感じの特徴です。
手のひらをさっと見渡しますと、親指の付け根部分、金星丘と西洋手相術では呼ばれる部分はとてもふっくらして、細かい格子模紋が全体に見られます。図でいうとA。このような方はとても包容力があり非常に細やかな愛情の持ち主です。
次に頭脳線と生命線の交わりのBの部分も特徴的で結合部分が長い方です。このように結合部分が人差し指と中指の間まである人は慎重で温和で内向的で優しい方が多いです。頭脳線がややカーブをもちつつも水平に近いので中年期からは人生に対しての積極性が見られ運気が受動的から能動的に変わる人という特徴を持ちます。
そして感情線の終点部分は人差し指と中指に向かいます。図Cです。
このような方はとても純粋さと潔癖さを併せ持つ人が多く、家族や恋人には尽くす人が多いものです。
このA,B,Cの傾向を合わせて観ると、Nさんの優しいお人柄が浮かび上がってきます。
ところが、何度かリラックスをして手を出していただき指の動きを観ると人差し指と中指がすぅーと離れてしまいます。図Dです。実際はもう少し中指の先端から離れていく感じです。
いろんな流派、観方があるのですが、このような場合は『父親との距離をとっている』と私は読みます。そして右手の人差し指の傷が指し示すのは『父親に反抗して生活が不安定になることへの注意』かなと。人差し指は父親を表すのです。
その旨をNさんに伝えると、びっくりされたように
「ええ、そうなんです、小さい時から親父とは全く意見があわないというか。全く僕の話や母の話も聞かずに一方的で。なので実家に行ってもあたりさわりのない話で逃げている感じです」と。
「Nさん。Nさんはとてもお優しいしとても家族を大切にされる方なので、ずっとそのことが心の深くで傷になっているんじゃないですか?
分かり合いたいのにそうじゃないのってとても辛いことです。どうも、それはお父さんも一緒だと思うんです。だからこうして繰り返し傷となってメッセージを送っているんだと思います。」
「でも、父は本当にすぐに話をさえぎってお話にならないんですよ」
「じゃあ、一方的に最後まで伝えることができるようにメールやお手紙はどうでしょうか?
お父さんお誕生日から占うと、おそらくね、結論を先に聞きたいタイプなようですね。でもNさんは順番にきちんと手順を追ってお話したいタイプで。なので、メールやお手紙を書くときにちょっとね、工夫して結論を先に書いたらどうでしょうか。ストレートにね。『僕はお父さんともっと分かり合いたいです』とかね。またお話をもっていくときもそこを心掛けると、いいかもしれませんね」
それから、Nさん。
本当にお父様にお手紙を書かれたそうです。便箋で。一文字ずつ丁寧に書きましたよ、と笑いながらご報告いただきました。
今度一緒に二人で飲みに行こうって。考えたら初めてなんですよね。
と嬉しそうでした。
その後、お父様のお力添えもあって、見事独立されてお店を持たれました。
行動は、自分の運命と世界を変えますね。
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