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(少しだけ)『#ヘスティア』の話

相変わらずの不定期更新具合。
どうも、後関貴大です。

あっという間に一週間前になりました。
何がって?

ゴセキカクvol.2『#ヘスティア』に決まってるだろ!!

『#ヘスティア』フライヤー表面
『#ヘスティア』フライヤー裏面

二年前に公演を行ったゴセキカク、一度きりと言っていたはずなのに恥も外聞もなく戻ってきました。

今回はそんな第二回公演『#ヘスティア』について、ちょっとだけ書こうと思います。


まずは何のこっちゃという方向けにあらすじをば。

「炎上した VTuber 、俺の妹でした」

アラサーのフリーター、出雲悠太。
彼は自堕落な日々を過ごしながら、大嫌いな父の住む実家に寄生していた。

ある日、前職の同僚から一人の VTuber「丙栖てぃあ」を勧められる。
その正体は、音信不通になっていた妹、環奈だった。

インターネットと家族。人と人との繋がり。
関係性の下に拗らせていくディスコミュニケーション会話劇。

CoRich公演紹介ページより

ざっくり、こんな内容です。
「家族」×「VTuber」系ディスコミュニケーション会話劇、と僕は勝手に銘打っています。

詳しい公演詳細はこちらから。
同じページから予約フォームにも飛べます。

前作『明けちまったな、夜。』から二年。
色々と状況が変わっていく中で、僕はどうしてももう一度自分の作品をつくりたいと思いました。
そんな『#ヘスティア』の話を、今回はさせてください。

※ここから先『#ヘスティア』本編の内容に一部触れている箇所がございます。少しのネタバレも嫌な方はブラウザバック推奨です。



***



『#ヘスティア』の構想を考えていたのは前作『明けちまったな、夜。』(以下明け夜)の執筆中でした。

遡ること2年前、2022年の夏。
Twitter(当時)のスペースでの悪ふざけから始まったゴセキカク。
キッカケはあまりに軽薄でしたが、やるからには心血を注いだ作品を作りたい。
そんな想いで無我夢中でした。

とはいえ初の長編執筆。
『明け夜』は筆が進まず悩み悶える日々が続きました。
現実逃避に「なんか全てがうまくいって次回やりたいなってなったらどういうのがいいかな〜」と妄想していたのが『#ヘスティア』の構想の基。
実は2年前から、この作品のことをずっと頭の片隅で考えていました。

「行方不明の妹がVTuberになってて、炎上して実家に帰ってくるけど、それを全然知らない無関心な兄」
ぐらいのざっくりさで、「なんか面白いなー。次やるならこれやりたいなー」なんて思っていました。
「家族」×「Vtuber」、観たことない演劇が作れるんじゃないか。
なんてことを考えながら。

実際、僕には妹がいて一人暮らしをしているんですが、彼女が何をして暮らしているかとか、全く知りません。
互いに連絡取ったりすることも別にないです。仲が悪いわけではないんですけどね。


『明け夜』が終わって、なんとなくで終わっていた第二回公演の構想を本格的に考え始めていた中、僕の身の周りで大きな変化がありました。

父の末期ガンの発覚でした。

重度のヘビースモーカーだった父は、いつからか急にタバコを吸わなくなりました。
それがなんだかおかしいなと思っていた、そんなある日のこと。

僕はそのときとある公演の真っ最中でした。
奇しくもそのとき演じていた役は、父親を亡くした痛みをずっと抱えている男性。
そんな偶然あるんだ。
本当に皮肉にも、その瞬間役の気持ちがやっとわかった気がしました。


そんなことを書いといてアレですが、僕は父とはいい関係だったとは言えないと思います。

父との忘れられないエピソードが2つありました。

1つは父の誕生日。
確か僕が小学校低学年ぐらいの出来事だったと思います。
そのとき父は寝ていました。普段から昼夜逆転したような生活をしていた父は、家で寝ている姿の方が馴染み深かった。
僕は、そんな父に誕生日を祝うことで喜んでほしくて父の周りをウロウロしていました。
意を決して父の身体を起こそうと揺すったその瞬間、僕はとても不機嫌な声で怒鳴られました。

多分、寝ているところを起こされて機嫌が悪かったのでしょう。
とはいえ人生10年も生きていない子どもにそんなことがわかるはずもなく。
僕はめちゃくちゃに泣いて自室に篭城しました。

「どうして喜んでもらおうと思ったのに、怒られているんだろう」
そんな悲しみでいっぱいだったのを覚えています。
どうやって部屋を出たのかも覚えていませんが、父からそのことを謝られた記憶はありません。


もう1つは近所にあったサイゼリヤでの出来事。
これも小学生ぐらいの頃だったと思います。

そのとき僕はコーンクリームスープを飲んでいました。
そんな僕に対して父が一言、「スープの飲み方が違う」。

何のことかさっぱりわからなかった僕はその指摘を一旦無視することにしました。
すると父もヒートアップ。しつこく何度もスープの飲み方を指摘され続けました。
最終なんやかんやあって、やはり僕は泣いていた気がします。


“父の思い出”と聞かれて真っ先に思い出すのがこの2つ。

『#ヘスティア』に登場する家族も、これによく似た家族です。

家族の話をやる以上、そんな父の話も今回本にしてやろうと思いました。
僕なりの、ささやかな復讐なのかもしれない。


ここまでお読みくださった中で、しっかり読んでくださった方の中には気になっている方もいらっしゃるかもしれません。

「Vtuberの話どこいったの?」

ご安心ください。
ちゃんとあります、そういう話も。

その話は、またいずれ。
公演が終わったら、後語り的に何か記そうと思います。


前作「明け夜」が青春時代の思い出のその後を描いた作品だとしたら、
今作『#ヘスティア』は後関貴大の思い出の奥底を描いた作品なのかもしれない、と個人的には思います。

極めて個人的でエゴに満ちた作品かもしれません。
だけど、だからこそあなたに見届けてほしいんです。

このnoteも僕のエゴなのかもしれないけど、それでも何か届くものがあるはずだと信じて。

どうか、待ってます。
10/31(木)~11/4(月)までやっています。

ゴセキカクvol.2『#ヘスティア』

よろしくお願いします。

⬇ご予約はこちらから⬇


皆様と劇場でお会い出来るのを楽しみにしております。
ではでは。

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