おとな女子のメイク事情:Make ‟UP”になっていますか?
自分のメイクについて、面と向かって指摘されたこと、ありますか?
メイクについて初めて面と向かって注意されたのは、20代前半のロンドン遊学時のこと。ある朝、玄関を出た時に鉢合わせした、お隣に住んでいたLGBTQ+のJames(当時30代後半)に『おはよう!』と挨拶したら、思い掛けない返事が来たのです。
『ちょっとアナタさぁ~、ちゃんとメイクくらいしなさいよっ!せっかく女の子なんだからっ!』
えっ?!メイクしてますけど…?
『そもそもアナタ、マスカラしてないじゃなーい?マスカラくらいちゃんと塗りなさいよっ!』
当時の私は、①ファンデーションを塗り、②眉を書き、③フューシャピンクの口紅を塗って終了。もちろん、マスカラの存在は知っていたけれど、3ステップのメイクに何も疑問を持っていませんでした。口紅中心メイクの時代だったし(当時の日本は)、そもそも普段は学校と家との往復だけだったし、それで十分だったのですよ。
そんな私に正面切って、『そんな化粧ならば、素顔の方がよっぽど素敵に見えるわよっ!』と言って来たお隣さん。私のメイクはMake UPじゃなく、Make DOWNだと。
Jamesはメイクこそしていないものの、長いまつ毛をビューラーできちんとカールしていたし、常にハイブランドのシャツを着ていたし、お洒落には拘りがある人だったのだと思います。だからこそ、隣の日本人オンナがいつも適当にメイクしていることが、ずっと気になっていたのでしょう。
その日の学校終わり、マスカラを買ったのは言うまでもありません。この日から、毎朝のメイクアップを意識して行うようになりました。メイクを濃くしたとか、派手にしたという訳ではなく、『きちんと顔を作ること』を意識するようになった、ということです。Make UPになっているか?ということを。
マスカラを塗るようになって気付いたことは、まつ毛が顔の上に作る影が、日本人の平たい顔に妙味というか、ドラマ性を持たせてくれるということ。いつもよりちょっとだけ、美人度がアップするというか、ドラマティックな何かが足されるの、解りますよね?まつ毛の重要性に気付いたのも、Jamesの指摘のおかげ。
それからというもの、国内でも海外でも化粧品を買う際、時間が許す時には必ずメイクを施してもらい、最新情報とテクニックを聞き出すことが習慣となりました。毎シーズン新作を出す度に、ブランド側は何かしら新しい提案をしてきている訳です。デパートのコスメカウンターには、最新技術を持ったBAさん、メイクアップアーティストの人がいるんだもの、聞かない手はないでしょう?
1つ2つ何か購入する時ついでにメイクをお願いしてみると、繁忙時じゃない限り、大抵快く引き受けてもらえます。彼ら/彼女らも、自分の技を披露するチャンスになるので、特に人の少ない平日昼間だと、持てるテクニックを目一杯、披露してくれますよ。どの人にお願いするのかは、その人のファッションセンス(制服のお店も多いので、着こなしや佇まいという感じ?)や、その人自身のメイクの感じから、自分好みの人を選んでいます。基本は、『素敵だな』と思った人、ですね。
国内であれば、メイクの出来栄えに関しては問題ないでしょう(出来上がりが自分の好みと一致するかは別として)。一方、海外でお願いする場合、アメリカの様にアジア系が多くメイク技術も高い国では、日本人へのメイクも問題なく上手な人が多いです。どこのカウンターでメイクをお願いしても、ほぼほぼキレイに仕上げてもらえます。
注意が必要なのはヨーロッパ!私の経験上、比較的アジア系が多いロンドンやパリでさえ、日本人独特の腫れぼったい目のアイメイクは、上手に出来る人があまりいません!アジア系の店員さんを見つけられたらラッキー、ぜひその人にお願いするべき。
大概、ぼってりした目を引き締めて見せようと寒色系のアイシャドウを使われるのですが、まるで青あざ?ボクシングの後?まるで一発殴られた様な、そんな悲惨な顔が出来上がるのです。何度その様な『えせ青タンメイク』を施されたことか。チャレンジャーの方は、ぜひ一度、トライしてみてください。それも人生の良い経験、旅の笑える思い出になることは間違いなし!