おとな女子旅:世界の動物園&水族館⑤掛川花鳥園
ハシビロコウ人気を不動のモノにしたのは、こちらにいる“ふたばさん”と、彼女の魅力を広めたいというスタッフさんの熱意の賜物ではないでしょうか?ハシビロコウはそもそも“動かない”トリで、塩対応が基本であるものの、担当飼育員さん達へはちゃんと心を開いていたり、特にふたばさんお気に入りの飼育員さん(イケメン)へは惜しみなく愛情表現(クラッタリング)する姿が、私たちの共感を呼ぶからかもしれません。トリ側から見る“イケメン”度が、私たち人間が思うそれと同じというのがね、新たな発見と言って良いんじゃないかと思うのですが。鳥の研究をされている先生方のご意見も、ぜひ聞いてみたいところ。
そんなふたばさんに魅了され、全国からはるばる会いにやってくるファンは後を絶たない様子。私もそのひとり。2年前、仕事がひと段落着いた所で、掛川まで出かけて行ったのてした。そして、ぜひリピートしたいと思う動物園のひとつになりました。こちらはふたばさん以外にも、会いに行きたくなるトリ達が沢山なんですよ!
何はともあれ、花と鳥に特化した園、という潔さも良いじゃないですか。“鳥しかいない”のではなく、“鳥ばっかり”いるんですよ。トリ好きにとってはもちろんですが、そんなにトリに興味がなくても十分楽しめるし、ここを訪れたことで俄然トリ好きになる割合が多いのではと思いますが、どうなんでしょう?
花の方では、年に数回テーマを絞ったイベント&展示即売会が開かれており、特にユニークな植物が揃う珍奇植物の回は、愛好者の皆さんでごった返す人気ぶり。ということで、プラント愛好者の方と、トリ好きの方から、特に熱狂的な人気がある園なんですね。
入口を入って直ぐ出迎えてくれるのは、様々なフクロウ達。このエリアはガラス窓越しになりますが、世界のフクロウが勢揃いしている一角で、思わず声が出ること間違いないと思います。私が訪れた時は、生後間もない、小っちゃいヒナにも会えました。羽がまだポヨポヨ状態!このエリアだけで意外と時間を取られますから。“トリしかいない動物園でしょ?”などと、舐めてはいけません。
園内はゾーン毎に仕切りがあるものの、トリ達はそれぞれのゾーン内でほぼフリー。自由に動き回っています。動物園の基本設備である檻や柵が、ほぼ無い。トリ達との距離が想像以上に近いのです。突然、目の前を走り抜けていかれたり、頭上スレスレを飛行されたり、ビックリする場面も多いと思います。
写真撮影に集中していた私は、ハッと気付いたら背丈が同じくらいのフラミンゴ数羽に囲まれていて、おまけにギャーギャー鳴かれて焦りました!さすがにちょっと怖かったー!フラミンゴとはどうも相性が良くないようで、別の動物園でも威嚇されたりと、いまいちコミュニケーションが難しい…。
ちなみに、フラミンゴって足先の部分が一番ピンク色が強いんですね。そしてフラミンゴのピンクって、オレンジ掛ったサーモンピンクなのかと思っていたら、意外とネオンピンクに近い色。機会があれば、ぜひ彼らの足の水掻きをよーく見てみてください。自然界にネオンピンク色が存在するって、へぇーっと思うんじゃないでしょうか?
室内でフリーフライング&ウォーキングが許されているトリ達は、カラフルでバリエーション豊かです。個体差も大きいのでしょうが、種によって特徴が異なるのも発見になりますよね。エボシドリやヘラサギなどは、かなりマイペースに歩き回っていますし。ひと際鮮やかな金鶏は、本当にGoldの羽をしている!ただ、どのトリよりも人が苦手な様で、隅っこの方で目を合わせないようにしていたので、あまり深追いせず。
屋外エリアには、エミューもいます(エミュ―牧場には柵あり)。日本人には、至近距離でお目に掛ることないトリの一種ですよね。人慣れしていて、ガンガン柵のところへ近寄ってくるので、逆にこちらが身を引く感じになるかも。
フクロウだけでなく、猛禽類の種類はさすがトリに特化しているだけあります。様々な猛禽類が集まる一角に行くと、それまで室内で接してきた人懐っこいトリ達になれた身には、ピリっとさせられる瞬間があるかも。カメラのレンズに反応して、窓越しに攻撃モードでくるトリが多い一角です。見学させてもらっている身なので、ちょっと申し訳ない気持ちにもなりますけれど。
1日に数回行われるバードショーは、ぜひ最前列で見ることをおススメします!足元近くまでトリが来る場合もあって、迫力満点!時間をチェックして、早めに席を取りにいくべし。
見応えのある睡蓮池は、インコ達の自由行動エリアにもなっているので、ボーっと眺めていると、突如、ヒッチコックの映画的な場面に見舞われることも。このエリアはぐるり緑に囲まれているので、周囲の木々にトリ達がまぎれています。よくよく目を凝らしてみて初めて、あっ、という発見もまた楽しいでしょう。
園内には、レストランとカフェがあります。私が訪れた時のレストランのランチは、単品料理の他に、シェフおススメの和食御膳と洋食コースがありました。お手頃価格だったので洋食コースにしようかと思ったのですが、メインがチキンソテーでビックリ!さすがの私でも、トリ達を見に来ていて、トリ達の直ぐ傍で、鶏肉を食べる気にはなれず…。これは、敢えて狙ったメニューだったのでしょうか?
カフェの方には、ふたばさんやオオハシさんなど人気のトリをモチーフにした、目でも楽しめるスイーツメニューがいろいろとあります。レストランもカフェも季節毎にメニューが変わるので、お出かけ前にウェブサイトやSNSでチェックしてみると良いですね。
隅から隅までじっくり見て、トリ達と触れ合おうと思ったら、最低でも2時間は必要。私はひとりで行って、3時間半ほど滞在していました。
掛川は、新幹線はこだましか停まらないのですが、普段こだまに乗る機会もなかなか無いので、それもまた楽しんだら良いと思います。東京~掛川は、こだまで110分ほど。掛川駅からはバスで10分、タクシーで5分、徒歩でも10分ちょっとくらいでしょうか。
掛川駅の反対側には掛川城があるので、こちらの茶室で日本庭園を愛でながら一服して、帰りの新幹線に乗るという、1日掛かりのちょこっとTRIPにおススメの動物園です。