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写真を上達させるためにやったこと(プロレス写真)

一眼レフカメラを購入して3年半、プロレス写真を撮り始めて3年ほど経過したので、振り返りやアウトプットの意味も込めて、写真を上達させるためにやったことをまとめてみます。

なお、この記事は「明日からプロ級!?写真の撮り方ポイント!」みたいな即効性のある内容を主としていません。腕のない自分が語っても薄くなるので、技術的に大口を叩くことはしたくないです。
料理で例えるなら、こんな感じ。

✖おいしく作れるレシピ
 →写真が上手く撮れる方法、カメラの設定紹介
〇材料の各種切り方、調理器具の使い方
 →本稿

0.3年前と今の比較

3年前

いま

パッと見てわかるところ、個人的に分析して分かるところ、自分でも気づいていないところ、と様々あるかと思いますが、以前よりも多くの方に評価いただける写真にはなっていると思います。

1.人の写真を真似る

「学ぶ」の語源は「まねぶ」であり「真似る」と同じ、とはよく聞く話で、何かを上達させるためには「模倣」を行うことが一番手っ取り早いと思います。
しかし、何も考えずに真似だけしていては、何も変わらないままとなってしまいます。

人の写真を真似るにあたって、次のステップを踏むようにしていました。

①好きな写真、好きな写真を撮る人を見つける
②その写真をなぜ好きなのか、技術面・心理面から考える
③考えた結果を真似するには何を変えるべきか考え、実行する
④実行した結果と理想の乖離を捉え、②に戻る

ポイントは、「なぜ好きか、技術面・心理面から考える」の部分です。
自分が良い・好きと感じるからには、何かしら理由があるかと思います。被写体が好きなのか、その場面が好きなのか、捉えられたその瞬間が好きなのか、構図が好きなのか etc…

自分が好きな理由があるということは、他の誰かにも当てはまる内容があることを意味します。また自分が目指したい方向性を確認する上でも、指標として用いやすいターゲットに設定できます。

好きな理由を踏まえた上で、自分で出来ない・出来たことがない写真に対して、その理由を考えます。
「理屈は分かるけど出来たことがない」、「どうやっているかすら分からない」、「機材面で出来ない」etc…

一例として、私の尊敬するお二方の写真から見てみることにします。(私の技術はお二方の写真を参考に作られました)
たとえば。

私の尊敬するダイソンさんの投稿から。
美しい肉体の魅力を最大限に引き出し、空中姿勢を捉えられるよう調整されたシャッタースピード。適切なタイミングで切られたシャッター。上から下まで、説明的すぎず迫力を持たせる構図。どれをとっても完璧な一枚です。

私だとこのシーンは、下にいる選手を入れきれないか、どこか見切れるか、広角気味で撮って味気なくなるか、になるところです。。。

私に足りない部分を考えるなら、①選手が出す技やタイミングへの理解不足、②構図設定の瞬発力、③機材、となります。
①は回数見に行って理解するしかないので、リベンジあるのみです。③は資金がないので、すぐには変えられません。
ということで②に関して、写真のような構図を頭に入れて、似たようなシーンで取り入れてみる、というトライをしてみようとなります。

現在私が自身に課題としている「引きの構図」の教科書的な1枚でした。

もうひとつ。

同じく尊敬するまっくすさんの投稿から。
選手の魅力がピークになる瞬間を把握し、ベストかつ挑戦的な「寄りの構図」で捉える熟練した技術と知識に打ちひしがれます。

入場シーンは人により好みが分かれるところではありますが、私は体全体を入れて説明的になってしまう傾向があるので、迫力に欠けるものになると思います。。。

先ほどと同様に考察すると、3つのポイントは同じになります。
ダイソンさんの写真では「引きの構図」での真似ポイントがありましたが、まっくすさんの写真では「寄りの構図」での多くの真似ポイントがあります。
ひとえに「好きな写真」と言えど、そこから感じ取っている内容というのは1つ1つ違っているので、深く考えることはオススメします。

2.画像編集のポイントを決める

写真の編集そのものに関しては過去に書いた記事をご覧ください。

個人的な編集のポイントは3つ。

①画像の水平補正
②画角の補正
③肌の色の補正

①はカメラ雑誌からの受け売りです。風景撮影の辺りでは口うるさく言われます。
②は先の項で学んだことを活かす、試行錯誤のターンです。1枚の写真でも印象がガラッと変わるので、慎重に行うようにしています。
③は個人的なこだわりですが、「自分が撮りたい写真とはこういうものだ」を主張していく上で決めたポイントです。

以上の3点は、写真を撮る上での基本事項をプロレス写真にも当てはめたものです。多くの場合は基本で対応し、基本をマスターしてきた段階で応用に進む方が応用も幅広くできます。

一例として次の画像を。

①まず写真の基本は「水平」です。プロレスのリング外から撮影をする場合、ロープやリングを水平になるように角度を調整します。
効果を付けるために、あえて斜めの構図にする場合はありますが、無暗に傾けるのは余計な印象を与える要因になります。

②画像を回転させたことで画角が変化するので、バランスが取れるよう画像を切り抜きます。この時、「主役は何か」「一番見てほしいのは何か」を見失わないようにしないと、余計なモノが多い「説明的な写真」になったり、逆に場面を理解する情報を失うことになるので、慎重に行います。

③私個人の好みですが、肌の色合いを「できるだけ白く、かつ不健康に見えない程度に血色を残す」ようにしています。
具体的には、オレンジの色成分を彩度低め・明度高めに設定することで、自然に肌の白さを表現させています。
女子プロレス撮影へのテーマとして、「レスラーとしての力強さは強調したいが、1人の女性としても光らせるには」を意識しています。価値観が容姿<強さの選手もいますが、あくまでファンとして勝手に追及するポイントがあっても良いと思ってやっています。(以下作例、BeforeとAfterが逆なのは御愛嬌)

③同じ会場で撮られた写真を見る

同じ会場で同じ試合を撮影していても、同じ写真は2つとしてありません。他の方が撮った写真には自分にない要素があり、学びとなるポイントが詰まっているものです。
ここで行うのは、「自分の写真を客観的に見て、相対的に実力を評価する」ことです。

私のやり方としては、特に技術が優れている方の写真を見て、自身の技術レベルの低さや捉え方の甘さを認識するようにしています。モチベーションを下げる要因になりかねない方法ですが、撮影に対しての競技性や振り返りによるインプットの増加、そして良いものは良いと評価する感受性を持つトレーニングとして行っています。

写真を撮る上でのインプットは、雑誌やネットに載っている技術的な情報が主になります。しかし、ある一定量知識が付いてくると物足りなさを感じるようになります。そんなときの貴重なインプット源は「他の人の作品」となることを常に心がけ、可能な限り多くの写真を見るようにしています。

④その他細かい点

・被写体を理解する
一般のフォトコンテストで入賞する写真の多くに、「足しげくその場所に通い、ようやく捉えた最高の1枚」があります。気象条件や場所、表現方法など、その被写体を魅力的に捉えるに一番有効な手段は「理解」に他ならないでしょう。
写真を撮っている方には言うほどでもない当たり前のことですが、選手への理解はとても大きく写真に寄与します。その理解は、後述する「一番見てほしい瞬間」を選別する作業に繋がるので、重要なポイントと考えています。

・選別の基準を厳しくする
3年前と比較して変えたポイントに、写真選別の基準を厳しくし、一番美しい瞬間をピックアップして投稿するようにした点があります。
この変更をした背景に、肌感覚ですが「コマ送りよりも、瞬間の1枚を強調する方が目を止める」と認識しています。すなわち、「自分が一番見てほしい瞬間はどれか」を突き詰めることが重要です。0章の3年前投稿で言えば、机に穴が開いたシーンだけを強調すべきです。
自分の求める「一番見てほしい瞬間」を捉えるには、撮った後の振り返りによって、その瞬間の認識と意識の向上させるという、少々根性論じみた方法が手っ取り早いと考えています。

・機材のグレードアップ
写真のクオリティを上げる一番の手段、それは良い機材を揃えることです。150万円程度出してフラッグシップ機とバズーカを買いましょう。
……と言うのは簡単ですが、年数数千万の方々だけではないと思いますので、現実的なことを書きます。
私の場合、エントリー向けセットを購入した後、レンズをグレードアップさせています。カメラ本体はエントリーモデルなので画質やダイナミックレンジに限界はありますが、レンズは悪くないモノなので言い訳をできなくしています良い機材に変えるということは、悪くなる要因を減らすことになります。すなわち考えるべき点を少なくできるので、上達への近道としては誤った選択ではないともいます。

・モチベーションを維持する
兎にも角にも写真を楽しくとること。一番わかりやすいのは「いいねが沢山貰える」「選手からリアクションが貰える」という承認欲求を満たすことです。
しかし、前提として「いいねが貰える写真」と「自分が好きな写真」は、必ずしも一致しないという認識を持つことが必要です。この認識が出来ていないと、自分の自信がある写真が評価されない→自信・やる気を無くす、ということになりかねないので注意です。

終わりに

3年間で考えてきたことを並べましたが、正直偉そうな口を叩けるほどの腕前はいつまでも付かないだろうと踏んでいます。

個人的な悩みとして、③に挙げた「自分の技術を相対的に見る」回数が少なくなってきている、ということがあり、本稿を書いた次第です。
諸般の事情で特定の興行にしか行けなくなったため、お山の大将状態になりそうという恐怖と戦う状態です。。。
特にレベルの高い方が集まる興行はスケジュールが合わないことも多く、悩み中です。いずれタイミング合わせて色んな団体見に行こうと思ってます。

何かしらのタイミングで、写真についてディスカッションしてみたいと思う今日この頃。

以上、長々とした文章にお付き合いありがとうございました。

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たかはしあさぎ
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