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ディズニーBGS解説第1弾 ~ワールドバザール編~
どうも、T.Duckです。
今回からディズニーのBGS(バックグラウンドストーリー)を解説していきます。
今回ご紹介するのは、ワールドバザール。
ペニーアーケードやグランドエンポーリアムなど様々な施設がある東京ディズニーランドの玄関口でもあるエリアです。
このワールドバザールは、ウォルト・ディズニーが幼少期を過ごした1900年代初頭のアメリカはミズーリ州マーセリンの街並みがモデル。
ウォルト自身も、
「マーセリンには今までの人生、そしてこれからの人生で起こりうるどんな出来事よりも大切な経験が詰まっていた。」
と語るほど、思い入れのある場所なんです。
元となったのは、アメリカのカリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドやフロリダ州オーランドにあるマジックキングダムにあるメインストリートUSA。
![](https://assets.st-note.com/img/1723034512705-PrBqmmzr9O.jpg?width=1200)
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いかがでしょうか?
東京とは違い、屋根がなくてまさに街並みという感じですね。
何故東京ディズニーランドのワールドバザールには屋根があるのか?
それは、温暖湿潤で雨の多い日本の気候に配慮して屋根が付けられたんです。
地面にある線路は、東京には無い馬車鉄道のレールです。
![](https://assets.st-note.com/img/1723034881625-WNQTjwcs6h.png?width=1200)
こういった馬車鉄道は昔々の明治時代でも日本で走ってました。
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僕もアメリカのディズニーランドに行ったら乗ってみたいアトラクションの1つです。
さて、この「ワールドバザール」という名称、開園から41年以上がすぎ、もうすっかり馴染んだ名前ですが、今一度よく考えてみてください。
冒頭で記述した通り、ワールドバザールはミズーリ州のマーセリンというアメリカの街並みをモデルにしています。
では何故「ワールド」と入っているのでしょうか?
その理由を説明してくれる1枚の画像があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1723035560386-32Mmvh88Rb.jpg?width=1200)
東京ディズニーランド開園前のワールドバザールのコンセプトアートです。
まだ遊園地の名前も「東京ディズニーランド」と決まる前のものですね。
「Oriental」は皆さんもご存知、東京ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランド社から取ったものですが、そもそもOrientalとは英語で「東洋の」という意味があります。
つまり「Oriental Disneyland」とは日本語で「東洋のディズニーランド」という意味になります。
東京ディズニーランドは初めて海外にオープンしたディズニーランドなのでこういった名前の候補もあったそうです。
では、このコンセプトアートについて。
何やら「ITALIA」と書かれた旗があったり、全体を見てもアメリカの街並みよりかはショッピングモールに近い雰囲気です。
ディズニー社が東京ディズニーランドに作りたかったのは世界中のお店を集めた市場、通称「ワールドバザール」。
しかしオリエンタルランド社が「そんな独自性のある事はしないであくまでも「ディズニーランドが日本にやって来た」というテーマで作ってくれ」とディズニー社に要求し、この「ワールドバザール」計画は流れてしまいました。
ディズニー社は最初は「マーセリンには屋根なんかない」と反対しましたが、オリエンタルランド社は屋根がある街の成功例としてディズニー社をイタリアはミラノの「ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世のガッレーリア(通称「ガレリア」)」へ招待したそうです。
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![](https://assets.st-note.com/img/1723038081405-G1lfgFKXTw.jpg)
どうでしょうか。
ワールドバザールの雰囲気そのままの景色ですよね。
ディズニー社はこれに納得し、メインストリートUSAに屋根をつけることを承諾。
テーマランドの名称は「ワールドバザール」の名を残し、現在に至ります。
あのテーマランド名にはこんな経緯があったのです。
知らなかった方も多いのではないでしょうか。
それでは最後に、ワールドバザール、並びにシンデレラ城の錯視効果について話したいと思います。
ワールドバザールの建物は上の階ほど高さが低く作られています。
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1階よりも2階、2階よりも3階の窓が小さく作られてるのがわかると思います。
これにより、実際よりも高く見せる効果があります。
シンデレラ城も上のレンガほど小さくなっており、実際よりも高く見せています。
![](https://assets.st-note.com/img/1723044572139-JDmUppqvAk.jpg?width=1200)
そして、ワールドバザールの道にも仕掛けがあります。
実はワールドバザールの道幅はシンデレラ城に向かって行くにつれて、だんだんと狭くなっていってるんです。
これは実際よりもワールドバザールが長く見えるトリックです。
日本でも鶴岡八幡宮の参道にこの錯視効果が用いられています。
最後に、ワールドバザールの建物の色について。
ワールドバザールの建物を見てみると、赤や茶色、黄色などで作られた建物が多いことがわかると思います。
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これは「暖色」、またの名を「前進色(進出色)」といい、実際より手前に見える色です。
そしてシンデレラ城の青い屋根は「寒色」、またの名を「後退色」といい、実際より遠くに見える色です。
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これで、シンデレラ城を実際よりも遠くに見せています。
事実、自動車事故で1番多い車の色は青色なんだそうです。
実際よりも遠くに見えてしまうのが原因ですね。
いかがでしたか?
普段何気なく通り過ぎるワールドバザールですが、こういったところにも注目して散策してみると、また新たな発見があるかもしれません。
それではまた次の記事でお会いしましょう。