つまみ細工の素材 第一回〜縮緬地について
つまみ細工小話、今回から歴史からは少し離れて、素材についてです。
一応
縮緬地
着物生地
ペップ(花芯)
…の予定です(予定は未定)
今回は人気の縮緬地の話!
つまみ細工は、
「絹生地を使った花のかんざし」
…という表現を多く使われますが、基本的には「正絹」(しょうけん、絹100%の生地)を使います。
弊社もほぼ100%正絹生地を使用しています。(ほぼというのは、大昔の生地は本当に絹100なのか判定不能なものもあるため)
先日、別記事で縮緬の画像集を作ってありますので、そちらも参考にご覧下さい。
ここでは、つまみ細工になったものを1〜2枚(トップの画像、中間のピンク色が縮緬地です)
縮緬地の特徴
縮緬以外の生地と比べるとふんわりした質感なのですが…いまいち画像では伝わらないのですよね…
画像集見ていただき、下の方の風呂敷生地がわかりやすいかと思います。
なんとなく表面ザラザラというか、糸がでこぼこしてるのは分かるかなと思います。
つまみ細工の作品になっていると、ふんわりするのが、そのでこぼこのおかげなのですが…
現代の縮緬地と比べてみる
現代の化繊縮緬は、でこぼこが激しいです。
縮緬というと、ほとんどの方がこのでこぼこが強く出たものをイメージされるのではないかと思います。
ちょっとした巾着とか、和小物で使っていたりすると思います。
さてここで、縮緬地がどう作られるかの話になります!
縮緬はなんででこぼこがあるのー?
糸をねじってるから!
織る前、糸の状態の時にぐるぐるぐるぐる…ーーっと撚りを加えます!
で、ひねりにひねった糸で、パタンパタン…と織っていきます。
織り上がったら、今度は、そのひねった分をぎゅーーーっと伸ばします!
伸ばすと言っても、シボが美しい状態まで。
それがいわゆる縮緬と言われる生地の正体です。
ただでこぼこしてるだけばないんです😊
ひねったものを伸ばしているから、生地としてはめちゃくちゃ伸びやすい
そこが、魅力!
着物でも、縮緬生地で作られたものがあり、てろんっとした俗に言う「落ち感」みたいなものが出ます。
硬いものもありますが、比較的てろてろしています。
てろてろしてるということは、つまみ細工にした時にはちょっと扱うのに慣れが必要です。
が、できるようになると、なんとも可愛い!
現代の縮緬風生地
この縮緬生地、さきほど書いたような工程を踏んで作られるため、手間ひまかかります。(高くなる)
なので、最近の木綿生地では、「ちりめんぽい押し型で型をつけた」ものがあります。
そういうちりめん風生地には「洗濯すると、型が落ちていきます」など注意書きがあります。
弊社でもこのタイプの生地を使いますが、用途としては、つまみ細工の土台、おちりんや台紙を包むなどの時。
和柄で可愛いので😊
でも、先ほど見ていただいたつまみ細工の縮緬生地は、そこまででこぼこしていませんよね要はシボが少ない。
こういう生地はつまみ細工にはしやすいです。
何度か仕立て直している生地だと、さらに使いやすいです。
縮緬は先ほど書いたように糸をねじってるので、その分の糸が必要になる=たっぷりの糸を使った贅沢な生地でした。
つまみ細工に、鬼シボ縮緬はおすすめしません
鬼シボの現代の縮緬だと、つまみ細工のふわっと感が出ないのと、糊の水分を吸い込んで縮みやすく、綺麗にいかないのです。
ボンド手芸や、縫いつまみなら、いく分いいのではないかと思います。
とりあえず、気になる素材はぜひ、自分であれこれ試してみてください😊
着物には縮緬地が多い
弊社の盆栽町にある店舗でかんざしを見たお客様に、わりとよく「これはちりめんですか?」と聞かれるのですが、難しい質問なんですよね笑
超難問。
縮緬もあるしそうじゃないものもある。
としか言えない…
お客様のイメージしている縮緬が何なのかを聞いてからお答えするようにしています。
羽二重と縮緬と…
縮緬はふんわりして可愛いさが出るけれど、シャープさはないので、その辺りは使い分けです。
透明感がある羽二重、今書いた縮緬、どちらも正絹の織物ですが、見た目が全然違う
ここへさらに、地文様が入ってくると、さらに複雑に笑
複雑なことはまたの機会にして、つまみ細工やかんざしを見かけた時、生地は何かな?と見る時の参考になれば幸いです。
ちょっと駆け足でまとまりがないのですが、着物生地、正絹生地の中でも縮緬は奥が深すぎて、一言で現すのは難しいんですよね。
はまちりめん、たんごちりめんなどの名称もありますし、お召し縮緬という生地もあります。
素材として気になった方は、産地などの案内をご覧下さい。楽しいですよ😊