つまみ細工小話〜色の話その二「橙」(だいだい)
歴史、材料、モチーフ…ときて、おそらく皆さんがかんざし選びの時に一番気になる「色」のお話その二、です
「橙色」(だいだいいろ)
橙色は、そのまま果物、植物の「橙(だいだい)」の色ですよね。
みかんより赤みかがってるイメージ。
私、小さい頃鏡餅の上に乗ってるのは「おみかん」だと思ってました。
家でお餅にみかんを乗せていたのは、橙が売ってなかったから…なのかなあ?はて。
時代的にはいつから?
で、その色名の元になった橙はいつからあるんだろう…と調べると、平安時代には、まだない!
平安時代の襲色目(WEBSHOPの商品展開に使っていて、最近勉強中)を見ても、橙色がでてこないんです。
朽葉色、赤朽葉、紅葉色なんていうあたりがオレンジっぽい。
日本に入って来たのはその後だそうです。
平安時代の後となると、武士が出てくる時代。
橙=代々
日本に入って来た橙の木や実を見て、
「橙」=実をつけたまま冬を越す=代々続く…
となぞらえたのも納得が行きます。
武士の時代だと、いかにして自分のお家(おいえ)が続くようにするか…を考えていたようですし、あれやこれやの策を巡らせていて。
なお、今の代表的な色名の「オレンジ」
果物としての「オレンジ」が入って来たのは明治くらいといいますから、ハイカラな言い方ですね😊
七五三と橙色
橙色は、中の人の世代だと、
「七五三の着物の色」
3歳の七五三の着物によく使われていて、実際着たのもその色味でした。
着物の色に込められた思いとしては
「冬も落ちずに春を迎える強さ」
「健康」
そして武家の時代から続く「代々続きますように」でしょうね。
健康に育つことは当たり前ではなく、有難いことで、きちんと形にしないとね…という昔の人たちの気持ちはよくわかります。
それを実際に冬を越す植物や常緑の木々に託すのは、「ああなってほしい」のだろうと思いますが、なんとも風流。
最近の七五三
私が小さい頃は、そんな感覚が残っていましたが、今は七五三だとドレスで写真撮影するお家も多いですし、着物も橙色や赤は少なくて、紫や水色、洋服の流行りに合わせた色味が多くなっています。
健康に育ってほしいという親の気持ちは同じだとしても、
「子供が好きなものを着て楽しそうにしている写真」というあたりが現代なのだろうなと思います。
ここ数年は着物復活、といいますか、ドレスのお写真はもちろん撮るのだけれど、お参りは着物…の方が増えた印象です。
お店の横にある氷川神社に行くと、お着物で七五三のお参りに来ているお子さんがとても多いです。
親子で着られるのが着物の良いところ
それこそ代々着られる…と掛け言葉にできそうです😊
しっかりメンテナンスしておけば、何代も着られます。
いっときのドレスブームは去ったのでしょうか?息子の七五三で神社に行った時は、ほとんどのお子さんがドレスやスーツでした。
でも、橙色や赤系のお着物のお子さんを見ると、お母さんのお着物かも?という柄行だったりするので、レンタルとかだとやっぱり選びにくいのかもしれません。
小さい頃は選びにくい色?
「赤はいい!橙色もいい!日本人の肌を健康的に見せてくれるよ!」
と、大人になるとわかるんですよね💦
自身もそうだったのでわかります。
赤は選ばなかった。
(若い頃は「黒とグレー」とかが好きでした😂
今の私なら「そんな暗い色不健康に見えるから着るのやめなさい」って言いそう笑)
今なら、赤や橙はいい、身につけよう…と思います。
次の色は…
赤(紅)、橙ときたので、次は黄色系ですね…!
先ほど書いた朽葉色、黄朽葉色、なんていうのが古代からあるようです。
お楽しみに〜
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