双極症とベンゾジアゼピン

 ベンゾジアゼピン系睡眠薬はよく眠れるし、ベンゾジアゼピン系抗不安薬はよく不安を取る。そんな便利なベンゾジアゼピンだが、私たちは連用を避けるべきだと思う。依存性(薬がないと眠れない・不安が取れないと思う)と耐性(薬の効きが悪くなる)の問題が大きいからです。実際に長期間連用する人でベンゾジアゼピンの依存を形成している方は非常に多く、ベンゾジアゼピンの増薬を希望する方も多く、私は残念に思っています。またベンゾジアゼピンには筋弛緩作用があり、量が多いと転倒のリスクが上がります。
 ベンゾジアゼピン系睡眠薬の代わりはデエビゴ、レボトミン、セロクエルなどがある。
 ベンゾジアゼピン系抗不安薬の代わりはジプレキサ、セロクエル、リスパダールなどがある。
 ベンゾジアゼピンを数ヶ月使っている方は、自己判断で中止すると離脱症状(依存を形成する薬物を減量あるいは断薬することによって生じる症状)が出ます。離脱症状は不安、イライラ、不眠、震え、発汗をはじめとして多彩で、けいれん発作や幻覚・妄想なども生じえます。よってベンゾジアゼピンの減量は主治医と相談して、慎重にゆっくり減らして下さい。
 ベンゾジアゼピンは毎日は飲まず、いざという時の頓服に残しましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?