403architecture[dajiba] review
−“リノベ”を重視しているというよりは、建築をつくるときの、都市への関わり方について模索している。
彌田徹さんが放ったこのワンフレーズが、403 architectureの建築そのものであると感じた。
403 architecture [dajiba]は辻琢磨さん、橋本健史さんと彌田さんの3人の建築家を主宰としていて、リノベーションを中心とした建築を多く手掛けている。
そんな彼らの建築を根拠づけるキーワードが、
「マテリアルの流動」
「パラレルな可能性」
「すべてはコンテクストである」
の3つである。
これらのキーワードは作品を通して顕著に表れており、僕はその作品たちに刺激を受けずにはいられなかった。これからいくつかの作品を交えて話をするのでぜひ聞いてほしい。
まず処女作である『渥美の床』では、築40年を超える渥美マンションの1室のプロジェクトで、天井の下地である野縁材を細かく切り、それを敷き詰めて床をつくった。こうして使われなくなった部材に新たな役目を与えることで、建築材料の可能性を広げ、またそれを具現化させた。
次に『ヴェネツィアの橋』では、地域のヴェネチアングラスの廃材を溶かし、再造形してできたガラスピースを組んで橋を制作した作品である。
また『海老塚の段差』では、半分の床を取り払い800mmの段差をつくり、床下収納とベランダへの動線を同時に確保した。さらにこのプロジェクトでは、ホームセンターで入手できる一般的な材料を中心に使用したという。使用されなくなった部材を加工して新たな部材へ変えることで、そこに部材の循環が生まれる。
こうして彼らの建築は地域や都市に根付き、永久に生き永らえていくのだろうと感じた。
僕は当レクチャーと上記を含めた数々の作品から、「“地域の材”を活かす力」、「部材を活用する上での、多方面でのアプローチの仕方」を学び、その活用術に刺激を受けた。
403 architecture[dajiba]の建築概論…。
私は新たな概念を植え付けられた気がした。
The Stairs of Kagiya
The Difference of Ebitsuka
The Floor of Atsumi
The Wall of Zudaji
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