「下手だけど、魅力のある俳優」は、鬼門

どんな俳優になりたいか?


「上手くて、魅力的な俳優」
「上手いけど、魅力のない俳優」
「下手だけど、魅力ある俳優」
「下手で、魅力のない俳優」

どれがいいですか?

と聞くと

「上手くて、魅力的な俳優」

と言います。

そりゃそうだ。
それが1番いい。


1番嫌なのは?

「下手で、魅力のない俳優」

そうだよね。
どうしようもないし。



では、
「上手いけど、魅力のない俳優」
「下手だけど、魅力ある俳優」
だとどちら?

ほぼ
「下手だけど、魅力ある俳優」
と答えます。


昔は私もそうでした。

上手いだけで魅力がないのは
やってて面白くなさそうだし、
表現者としてどうなの?

なんて思ってました。


ただ、最近は
「上手いけど、魅力のない俳優」
はかなりいい
と思ってます。

その理由としては
使い所が必ずあるからです。

広く色んな役をやる可能性がある。
取り替え可能だからチャンスが回ってくる。
相手役から信用を得られる。

なにが言いたいかというと
「上手い」はすでに魅力だ
ということです。

また
演劇はその人の人生が反映されるので
時間が経てば人生経験から
それだけで勝手に魅力がついてくる
ということです。



「下手だけど、魅力ある俳優」は
鬼門です。

なぜなら、
上手くなることで
元々持った魅力を失う可能性があるからです。


「下手だけど、魅力ある俳優」には
勇気が必要です。

自分のやり方でなければ
その魅力が出ないので。

監督、演出に言われたことをやったところで
その魅力は、ほとんどが消えます。

特に俳優は、萎縮したら終わりなのですが
監督、演出から言われる=否定された
となり、
自分の表現を捨てること多々あります。


昔ながらのハラスメントのやり方は
手段としてはあります。

追い込まなければ出せないことはあるので。

ただ、その俳優の反骨精神がなければ
出すものがありませんので、
昭和の人でなければなかなか。


へらへら笑いながら
「はい、わかりました」

どんなに言われようが
「やってみます」

と言いながら
一生懸命自分のやり方で作り上げる。

この勇気がなければ
「下手だけど、魅力ある俳優」
になることはできないです。

それをやる勇気を持つ俳優が
どれくらいいるものか。


人としての魅力は誰にでもあるもの。

ああ、上手くなって
それがもっと出せる俳優になりたい。


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