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声優の天敵であるノイズとは?

声優が収録している場面、皆さま見たことありますか?最近では「声優によるアフレコ披露!」というTV番組も結構やってますので、収録の様子を何となく想像出来る方もいらっしゃるかと思います。
とはいえTVでアフレコしている様子と実際の収録はまた違うわけで、我々が日々スタジオで収録する際に気をつけなきゃいけないことは山盛り!

新人さんには参考になることが結構あるかと思われる今回の内容、私の体験談も交えつつお話して参ります。それでは我々の天敵"ノイズ"にまつわるNGあれこれスタート!

身につけるもののノイズ

服や靴、あとはピアスやネックレスなど、身につけるものが案外音を発生させていることもあるんです。
靴やアクセサリーは脱いだり外したり出来ますが、服は脱げないこともありますよね。衣擦れノイズが出るか心配なら、購入時にしっかりとチェックして買いましょう。え?これが鳴ってるの!??ってこと案外あるんですよ。

外画収録に関してはレシーバーも必ず身につけますので、立ち上がった拍子にレシーバーが身体にぶつかってノイズになっちゃったりすることも。
という訳でノイズ対策とか肩こり予防だったり邪魔にならないように、レシーバーを入れる専用ポーチを使う方が結構いらっしゃいます。とある先輩はベルトにかけて使うレシーバー専用の革の入れ物をオーダーメイドで作られたとか。オシャレ!!!!

工夫することで芝居により集中できるなら、やるにこしたことないですよね。

お腹の音

自分のお腹が盛大にグーっとなってしまい、その所為でリテイクになったという経験はプロなら一度ならず何度もあるはず。
なので小腹満たし用のお菓子や飲み物など、予めすぐ栄養補給出来るものを用意しておくといいかなと思います。それとは逆に「消化音で腹鳴りしやすい」という方は、収録直前や最中は何も口にしないようにしてると聞きました。

体が仕事道具ですから、自分の体の特性を知るのは本当に大事。

ちなみに、生理現象の一つで「咳」があります。これは我慢しがちなんですが、どうか咳は極限まで我慢しないで下さい!咳を我慢し過ぎると、後で死ぬほど咳き込んでとんでもないことになっちゃいます。咳が止まらなくなり気管支やっちゃったり、声帯をガリッとやっちゃったりなんてことも有り得るんです。

トイレ我慢しかりですが、生理現象は極限まで我慢せずに!!!

あと少しなら持ち堪えられる…という状況でしたら私はこうしていました。例えばシーンの途切れ目とか、セリフとセリフの隙間で誰も喋ってない瞬間を見計らってササッとブースの外に出てしまう。自分の出番が来たら収録は止まってしまうかもですが、誰にも被ってなければそこからスタート出来ますのでね。

携帯の音ノイズ

携帯電話など音の出る電子機器は、あらかじめ電源を切るかマナーモードにして音が出ないようにしましょう。劇場や映画館等々でこの文言は耳にタコが出来そうなほどよく聞きますが、ついうっかりが人間誰しもあるのでここでもしっかりとお知らせ。

とはいえ。最近セキュリティの問題でスタジオ内に携帯持ち込み禁止が増えた為、うっかり鳴らしちゃう心配は少なくなりました。ただアクセント辞典アプリが手元にないとソワソワしちゃうの私……

余談なんですけど。
とある現場で収録中、演出さんからトークバックにて「誰か携帯のバイブが鳴っているので電源切ってください」との注意が入りました。全員確認し収録再開したものの…「まだ切れてないですよ、全員確認してください!!」と再度の注意。
今一度全員確認するも誰の携帯も鳴っていない。スタジオ内から振動音のようなものがするとのことでしたが、結局原因がわからず数分間収録が止まってしまいました。一応ソファの隙間や下に携帯の忘れ物がないか確認したけれど、そんなことあるはずもなく。スタジオ内の役者には振動音なんて一切聞こえないし、、、

スタジオって、ね、ホントにね、色々ありますよねぇ~

移動音

最近は分散収録の恩恵で、一人一つのマイクを使うことが増えてありがたい限り。それでも自分の出番が近づいたら、座っている場所からマイク前に移動しなければならないってのは昔と変わりません。何の配慮もなくドカドカと歩いたりすると、それをしっかりマイクが拾います。

というわけで恐らく皆やっているであろうテクニックとしては、誰も喋っていない時にサっと立ち上がりササッと移動!うっかり立つタイミングを間違えちゃったりしたら、静か~に移動しましょう。でもそんな時に限って、立った瞬間に椅子がギィィィとか軋んだりして……油断大敵ッッッ

一斉に収録していた際は、新人はマイクから距離のある場所に座るのが定番。これは沢山喋る人がマイクに入りやすいようにという考えからです。なのでもし沢山セリフがある日、先輩から「こっち座りなよ」とか「出番すぐ終わるからここどうぞ」なんて声をかけて頂いたら、頑なに断り続けなくていいと思いますよ?有り難く座っちゃいましょう!!

ペラ音

所謂業界用語でして、台本をめくる時に出る音を「ペラ音」と言います。実はこれでリテイクになること、とっても多いです。マイクの傍に台本を掲げているので致し方ないのですが。。。

ペラ(本のように綴じてない一枚の紙のこと)の台本の場合、皆でタイミングを合わせ一斉にめくったりもしますが、これも結局は現場合わせ対応かなと。セリフが次ページにまたがっていたりすると、前のページに写し書きするのはよくあることです。今喋っている人が言い終わったらシャッとページを入れ替えたりと臨機応変に。

また製本された台本ですと、めくりの技術は本当に人それぞれ。私は不器用なので、台本を持っていない方の手でめくりたいページをしっかりとつまんでゆっくりめくっています。それでもノイズ出しちゃったりするんですよね、ホントすいません。。。

突然ですがめくりテクニックをご紹介!
・マイクの下に台本を下ろす反動でめくる
・完全にマイクの下に台本を下ろしめくる
・次ページに指を挟んでタイミングがきたら指をスライドさせめくる

怒涛のセリフ量や超高速展開の作品だと、皆様瞬時にパパっと軽やかにこのめくりをしていらっしゃるわけですが。華麗にページをめくる方を見ると、心ときめく私がおります。


というわけで。ノイズ関連だけでもこんなにありましたねー。現場経験を積めば自然と出来るようになったりするかと思いますが、あ、いや、私、めくりは未だに試行錯誤だ……

何というか。さまざまな事がルールというよりか、配慮といいますか心配りなのかな?なんて思います。より良い作品になるために一丸となって挑む。最近は分散収録になって"一丸"となる感覚が中々難しいかもですが。なかよしこよしとかじゃなく、プロとして作品をより良くするために。そんな思いできっと全員繋がっているはずだから!!

そしてもし現場でのアレコレで何か悩んでいる事があれば、どうぞお声がけ下さいませ。一緒にお茶を飲みながらお話ししましょう。


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