信号の緑色
子どもが色を覚えだした。
その頃から、信号を教えるようにした。
「赤色のときは、止まって車を見ていようね。」
そこで気づいた。青って、緑色だな。
やっと緑を覚えた子に、青と教えたら混乱するかな。
「緑色になったら歩こう」と教えた。
それから2歳を過ぎた今も、青信号をあえて緑色と教えている。
でも知育系の動画が、「青になったら渡ろうね」と言ってる。おまわりさんも笑顔で言っている。
どうしよう……。
どのタイミングで修正かけよう……。
「なんで青っていうの?」と聞かれたときでいいかな。
でもその前に、お友達と青緑論争起こして泣きながら「なんで嘘ついたの?!」と怒られたらどうしよう……。
いや嘘ではない。どう見ても緑色だし。
雑学の本で、昔の日本人は青と緑の区別があまりついてなかったとかなんとか読んだ気がする。
だから「青菜」とか言っちゃうのか。
草原はどんなふうに見えていたんだろう。
海原か!うまい!……いやなにもうまくない。
困っているんだ現代人は。青と緑の区別がついている育児中の現代人は。どうして昭和あたりで変えておいてくれなかったんだ。いっそ信号の色を青にしてくれればよかったのに。木の葉と色被らないよ?
心の中で愚痴をこぼしながら、今日も信号の青を緑色と教えて頭を抱える。