SEQTRAKまとめ
YAMAHAのSEQTRAKについて、使っていて気づいたことなどをまとめる。
(追加で気づいたら適宜拡充)
概要
取説
公式サイトのダウンロードにPDF版もある。
他のシンセにない要素
PC or スマホが必要
本体で出来る操作は一部であり、音色のエディット、変種したデータの保存(プロジェクトが8個しかないので絶対使う)、本体の設定など、アプリがないとできない操作が多いのでアプリを動かすためのPC or スマホは必要。
ちなみに、WAVファイルのインポートやプロジェクト保存のアプリ外へのエクスポートはAndroid版ではできない(おそらくiOS版も出来ないと思われる)。
自動保存
操作して変更した内容は常に更新し続ける。厳密には電源オフするときに全て不揮発メモリに保存されるが、強制電源オフをしない限りは保存されないことはない(逆に言うと長期間編集していて消えて欲しくない場合はフリーズのリスクを避けるために電源オフして保存したほうが良い)。
ライブなどでミュートしたりした内容もそのまま再集計が保持されてしまうので、元に戻すのが手間。(一時保存という機能もあるが、他のプロジェクトを選択すると消える)
特殊なMIDIケーブル
本体側は5極ミニ(3.5mm)ケーブルというあまり見ない端子とDIN5ピンのMIDIアウトとMIDIインコネクタが付いている。
特殊なので壊れたり無くしたらどうしよう・・という場合は、保守部品として予備を入手可能。ヤマハの修理センターかヤマハの取り扱いのある楽器店で依頼すればよい(らしい、発注したことはない)。
操作方法
詳しいことはユーザーガイド参照。
個人的に最初に知っておくと便利と思った操作をいくつか列挙。
モードの切り替えなど
鍵盤入力モード ノブ[ALL]+上[KEY]
Synthステップ入力 [本体Ver1.10] 左[PAGE]+ノブsynth
メトロノーム ノブ[ALL]ノブ+右[BPM+]
バッテリー残量 ノブ[ALL]+左[PLAY]
ミキサーモード ノブ[ALL]+左[VOL+]
ソングモード ノブ[ALL]+右[PROJECT↑]
基本的にパターンしか使わない場合でも、複数パートを一瞬で切り替えるのにソングモードを使うと便利。
操作
音色選択で音色カテゴリを選択 SOUNDノブを回さずに押しDrumキーで各音色カテゴリを選択。ノブをグリグリ回さなくても一気に飛べる
音色を選択しなおすと、フィルタがOFF、リバーブが0、ディレイが0に代わるので再設定が必要
パターンの長さ 変拍子も可能!
Drumは左[PAGE]+ノブDrumトラック
Synthは[BAR LENGTH]+ノブSynthトラック
左PAGEで16ステップ以上は切り替える(Drumトラックと同じ)
音の長さ オンのDrumキー+ノブ[ALL]
パターンを削除 [DELETE]+ノブ各トラック
プロジェクトを削除 右[PROJECT↑]+左[DELETE]+Drumキー
トラックのステップをコピペ [本体Ver1.10] Drumキーを2秒以上長押し、LED点滅でコピー→ペーストは左[PAGE]ボタンを押しながらDrumキー
プロジェクトの一時保存 [PROJECT]を押しながら選択中のプロジェクトに対応するDrumキー(黄色点灯)
リストアは[PROJECT]を押しながら、水色に点灯しているDrumキー
他のプロジェクトを選択したり、電源OFFしたりすると消えるので注意
サンプリング
REC SAMPLE短押しでサンプリング開始、長押しでサンプリング元を変更、Drumキー左からMIC/AUDIO IN、USB、RESAMPLING(SEQTRAKの演奏をサンプリング)
サンプリングする前に録音先の選択(DXツマミとSAMPLERつまみの下のボタン)をしておくのを忘れずに。
サンプリング中に失敗したと思ったときはDELETEキーを押しながらREC SAMPLEで終了させるとキャンセルできる
16秒までなので、BPM 120(1拍0.5秒)で4拍子8小節分(4×8=32拍分)サンプリング出来るので、フレーズサンプリングも出来なくはない。ただし音楽演奏に同期しながら本体サンプリング出来ないので(本体のメトロノームをオンにしてサンプリングしないとテンポを合わせられない)、PCなどDAWで録音してWAVファイル転送したほうがやりやすいかも。
アプリ
本体ボタンのベロシティ アプリのSETTINGS-ADVANCED INPUT VELOCITYで変えられる
ソングのループはアプリのPERFORM→左のSONGで右下のループマークを選ぶ
MIDI設定 クロックやCC、PCの送信がON/OFF出来る
インポート可能なサンプル:44.1 kHz、16-bitまたは24-bit、16秒以下のWAV
VisualizerのAR機能はアプリだけでSEQTRAKの音に映像がつけられ、動画が作成可能(AndroidではVisualizerのAR機能を使うのにARCore対応端末である必要あり)
動作例
電源キーに注意
電源キーを下に向けて鞄に入れると、重力で電源が入るので(しかもPLAYキーも兼ねているので入ってしまうと音も鳴る)、上に向けて入れること。
関連製品など
Decksaver
透明な保護カバー。
2024年7月に日本向けに出回るようになったが、もし日本で手に入らない場合でも本家サイトからJapan向けに注文すれば送料は1個分近くの代金になってしまうものの1週間程度で輸入して入手可能。
Yamaha Seqtrak cover - Decksaver
Yamaha Seqtrak用 - Dirigent | ディリゲント
Analog Cases の専用ケース(GLIDE Case For Yamaha Seqtrak)
2024年8月現在、Analog Casesの日本サイトには掲載がないが、本家サイトに掲載されている。日本のアマゾンから購入可能。
Yamaha SEQTRAK Case | Analog Cases
Amazon.co.jp: Yamaha SeqTrak 専用セミハードケース : 楽器・音響機器
PCキーボードケース(SEQTRAKケースとして)
SEQTRAKを入れるケースとして、PC用の文字入力キーボードのケースがサイズが近い。
例えば、下記のSサイズ、AS-AKS-Sはちょうど入る(Dacksaverを入れるとややきつい)。
Keyboard Sleeve - ARCHISS キーボードスリーブ - 株式会社アーキサイト (archisite.co.jp)
こちらのSサイズのDeep Orangeもちょうど入る(Dacksaverを入れるとややきつい)。https://store.leopold.co.jp/products/keyboard-pouch
モノラルフォン-ステレオミニ変換アダプター
ギターやベースのモノラルフォン信号(ただしアクティブタイプかDIを通した音)をSEQTRAKのAUDIO IN(ステレオ)のシールドケーブルを入れたい場合、変換アダプターが必要だが、ちょうど良いアダプターが下記くらいしかない(2024年8月現在)。
変換アダプター GMP-386|Hosa Technology
USB Type Cケーブル
一般的なUSB Type Cコネクタなので、PCやスマホには付属のUSBケーブルでなくても家電量販店で販売されているものが使える。
USB MIDI機器を接続する場合、機器がMini BやMicro Bの場合は、直接接続するケーブルがなかなかないので、例えばType Aのケーブルを使いSEQTRAKとはA-C変換アダプターを使うなどして接続する。
アップデート
本体アップデート
ヤマハの公式サイトか、アプリで通知される。PCのほうが成功しやすい(個人的な印象)。
初期ロットの出荷時はバージョンが1.00なのだが、シンセトラックのステップ⼊⼒モードなど、使い勝手が良くなる内容が多いので、1.10にアップデートすることをおすすめする。
アプリアップデート
ヤマハの公式サイトか、アプリで通知される。
Android版は、1.0.1までARCore非搭載のAndroid端末でインストールできなかったが、1.0.2で出るようになった。(ただしVisualizerのAR機能は使えないが、音色エディット、ファイルのバックアップ/リストア、本体設定など、使えるメリットは大きい)
USB端子
USB-MIDI
USB MIDIキーボードなどが接続できる。
下記の通り、MIDIチャネルとパートの関係が固定なので、USB MIDI機器側でチャネルが変えられないと不便。
SEQTRAK ユーザーガイド 17.資料
PCやスマホの接続時もUSB MIDIが使える。
USBオーディオ
接続したPCなどでオーディオ信号として扱える。PCのアラーム音などもSEQTRAKで鳴る。
PCのDAWと(USB MIDIでタイミング)同期して演奏したり、SEQTRAKの音を録音したりできる。
(公開当初サンプリングと記載していたが、同期してサンプリングは出来ない。WAVファイルにしてSEQTRAKに転送させることは可能)
Bluetooth
アプリ上でのやり取りにBluetoothを使用しているが、一般的なBluetooth-MIDIのようで、例えばRolandのDAW ZenbeatsのBluetoothスキャンで検出してBluetooth-MIDIとして動作する(Android版で確認)。
実行例
不具合
ボタンが反応しにくい
特に下のほうのボタンを押しても反応しにくいボタンが存在する(個体差がある)。
公式の見解では、不具合ではなく仕様の模様。
なるべくボタンを押すときに下を向かないように気を付けるしかないが、該当のボタンをちょっと上を向けたりすると反応しやすくなったりする。
プロジェクト名が長すぎます、のエラー
プロジェクトの後ろに見えない文字があるのでそれを削除する(削除しても変わっていないように見えるが見えない文字が削除されている)。
※プロジェクトの後ろに見えない文字が含まれるのはアプリバージョン1.0.2で修正されている模様。
電源入らない事象
2回だけ遭遇。
電源キーを長押ししても電源が入らない
充電しようとUSBコネクタに挿してもLEDが付かない
公式に回避方法が示されているわけではないが、
プロジェクトとパワーキーを同時に1分くらい押し続ける
パワーキー長押しで2回とも電源入った。
Wi-Fi CONNECTION FAIL
SEQTRAKのPROJECT MANAGER(プロジェクトのバックアップ・リストアなど)やビジュアライザーモードでUSBだけでなくWi-Fiが使えるが、Android版アプリでWi-Fi APモードでCONNECTIONするとFAILが発生するときには、Androidの「位置情報」をオンにしてからCONNECTIONすると成功するようにみえる(自分が試した限りは)。
iOSでも同様の事象が発生する模様。
保存した情報が変わっている
ポルタメント復活?
ポルタメントをオフにしたつもりが、電源オフ・オン?ファイル保存?どちらがきっかけか分からないが、いつの間にかオンになっているときがあった。
このとき、ポルタメントのOFFだけでなくアプリの同じ画面のTIMEも0にしてからは起きていなさそう。
音色が変わっている?
ピアノの音色でデータをスマホに保存し、リストアしたらピアノに聴こえない(別の音色か、ポルタメントが効いているのか)。怪しいパラメータもないので、再度同じピアノの音色を設定しなおした(音色を設定するとフィルタ、リバーブ、ディレイが初期値に戻るので再設定が必要)。
[REPEATER]タッチスライダーを押したときの音がずれる?
データをスマホに保存し、リストアしたら保存前と音がずれる。
これは保存した後にMIDI SYNC設定が変えると起きそう。
SETTING→MIDIのSYNCをINTERNAL→EXTERNALに変えたら音ずれが直った。
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