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【大会調整録】シノビノギ、わからん…

【結論】このゲームよくわかんない!

いかがでしたか? どうも「ガンナガンをしばく会」の高須(@t4ks_)です。
普段はガンナガンやポケカをしています。Wonderland Wars…?何ですかそれは。

という訳で今回はシノビノギに関する記事です。
2023年7月2日に「ボードゲームカフェじーじー 藤沢店」で開催された16人規模の大会にて調整メンバーの池粕(@ikekasu_428)が優勝できたという事で、メンバー内の環境変遷/当日選択した構成について解説していきます。
ちなみに筆者と大村あたる氏はどちらも2-2でした。皆このゲーム上手い…;;

大会に向けた調整に取れる時間があまり多くなかったため「これが結論!」と自信を持って出せるものでは無いですが、忘備録も兼ねた文章として調整メンバー内での見解についてしっかり書かせて頂きます。
攻略記事というよりは、筆者の身の周りの環境変遷/調整録としての側面が大きいです。ご了承ください。
また、「シノビノギ」のプレイ回数が多い読者の方にとっては退屈な文章が続くと思いますが、何卒ご容赦ください。





▼大会レギュレーション「三忍択一」に関して

大会中は事前に決定した3忍以外使用不可。
ランダムな方法で先手後手を決定する。
3忍を見せ合い、相手のシノビのうち使用されたくないシノビを1枚選択し、同時に公開。

大会に持ち込む構成を検討する上で、「先手後手によるデッキパワーの変化が少ない上で、どの1体をBANされても残り2忍で概ねの対面にプレイングでの勝負が出来る土俵に立っている事」が必要であると考えました。

また、シノビノギ自体が新規のゲームであったため「強い構成探し」と「プレイングに関しての考察」のどちらも殆ど0から行わなければいけない上、「三忍択一の都合上、(どのシノビがBANされても良いように)3つの構成の練度を高めておく事」も必要でした。

早期の段階で【ヒツグ/アオイ】が頭一つ抜けて強力な構成であるのが判明した事は練習方針を決定する上では僥倖でしたが、残り1体をどうするかの決定は大会前日まで縺れる事になりました。

・【ヒツグ/アオイ】に関して

【ヒツグ/アオイ】は多くのプレイヤーが辿り着くであろう強構成と考えており、実際に大会当日も【ヒツグ/アオイ/any】の3忍を選択したプレイヤーがかなり多かったと認識しています。(何なら16人全員が【ヒツグ/アオイ/any】だった? 1人オフメタ構成を選んでいた気がするから15人?)

「ヒツグ」「アオイ」どちらも単体でのスペックが高いのは勿論、

【ヒツグ/アオイ】のいいところ
・《天・地(ヒツグ陽効果)》で《精神統一(アオイ陰効果)》や《納刀》を使いまわす動き
・《式神・十三天将》で山に戻したマキモノを《精神統一》で混ぜる動き
・《天・地》+《式神十三天将》で、捨て札の任意のカードを回収できる
・《緊急・如律令》から《太刀鼬》《一本踏鞴》が出るのは勿論強い
・《八卦・閃衝》《連続斬り》《居合斬り》《五行・殲霊》などデッキ内の打点も豊富
・《真言・展開》で《連続斬り》を使用すると2マナから始動できる。

この2忍の組み合わせは他のそれとは常軌を逸した強さであり、実際プレイ初日(2023年5月12日)地点で既に「1セット戦ならばどちらかを取り上げる」という共通見解が出来上がっていました。また、三忍択一においても当然「ヒツグ」か「アオイ」のどちらかはBAN対象であると考え、1セット戦では先手側が「ヒツグ」を取り上げる事が殆どだったため、自分達は「ヒツグ」をBANする事を前提に考察を始める事にしました。 

・調整の方針についての決定

大会の開催及びレギュレーション「三忍択一」が決まり、調整メンバー内でも練習方針についての擦り合わせを行いました。

・当日の構成について【ヒツグ/アオイ/any】までは確定であるため、残りの1忍について考察する。
・自分達は基本的には「ヒツグ」をBANするが、相手からのBANは「ヒツグ」or「アオイ」であるものとして練習を行う。(自分がヒツグを使用できる可能性がある事も考慮する)
・プレイングに関してもまだまだ未開拓であり、「相手の盤面を割り続けるプラン」以外についても考察する。

また、筆者と池粕は6月24日にポケカの自主大会「ちからもち杯(32チーム/96人規模)」に出場する予定があったため、シノビノギばかりにリソースを割けない状態でもありました。日本チャンプのヤバすぎる「おい@2」


▼プレイ初期のゲーム理解について

最初は色々な組み合わせを楽しみつつ、「マキモノ発動/オトモを召喚→出したオトモで伏せ札を守る→マキモノ発動/オトモを召喚……」のサイクルを成立させる事を目指してプレイしていました。

・《餓鬼》《小鬼》《瀬戸大将》などといった、効果が強力なオトモが成立するとかなりゲームが傾く。
・《不知火》などのオトモ複数体の裏にマキモノを置かれるとかなり割りづらくなる。
・継続してアドバンテージを稼げるオトモが成立していると、毎ターン打点を出される。
・成立後のオトモを除去する手段が《神殺し》《滅神砲(リン陰効果)》《迦楼羅(ヤエ陰効果)》以外存在しない。
・そもそもオトモを出して色々すんの、おもろいやん。

プレイを重ねるうちに「相手のオトモが立つ展開を徹底的に拒否するべきでは?」と気付き、高い盤面処理能力を持つ「リン」や、オトモに依存せず継続的に打点を形成できる「アオイ」「ヒツグ」の評価が高くなりました。

オトモを主体とするシノビの評価は落ち、毎ターン盤面に対して打点を出していくプレイに対して「伏せ札を経由しない直接召喚」「伏せたオトモがアタックされ、増えたマナを使ってリターンを取る」辺りの行動を取れないとゲームにすらならず厳しい…と一旦結論付けました。

・各シノビの第一印象

カードNo.順で記載。あくまで第一印象であるため、評価が漏れてるカードや項目があります。

「葉隠 來花」
《化け狸》のスペックは魅力的だが、《影討ち》を連打するタイミングで《裏工作》もセットで使用しなければならない点がどうしても「アオイ」や「リン」の下位互換に思えてしまう。
《影討ち》や《神殺し》を素打ちしてしまうと2周目の山がかなり薄くなるため、早期決着が望ましい?

「多々良 燐」
《乱れ撃ち》がとにかく強力。こちらは相手のオトモ展開を拒否しつつ、自分は複数展開した《不知火》でマキモノを守る事が出来るのも魅力。
陽効果の《速射(陽効果)》は手札を使用せず打点を形成できるため、リーサルまで持っていきやすい。

「玖牙 獅子那」
直接召喚の手段を持たないためオトモを展開するまでの道のりが険しく、展開出来たとしてもオトモの燃費(マナ効率)が悪いため、《小鬼》《木霊》《不知火》などといったマナ補助を相方に置かなければならない。
《祈祷》や、《咆哮共鳴(陽効果)》にはかなりポテンシャルを感じるものの、かなり扱いが難しい印象。

「四葩 ぬい」
《御神降ろし(陰効果)》や《精霊降ろし》による直接展開、《天恵》や《森の託宣》によるドローなど優秀なサポートカードが揃っている反面、通常攻撃以外でのアタックが出来ないため、かなり相方を限定してしまう印象。

「稀鬼」
《小鬼》+《餓鬼》が成立さえすればかなり戦えるが、やはりそこまでの道のりが険しい。デッキ内にジュツが無いのもあり盤面を全パンされた返しにリターンを得る能力があまりにも乏しい。先攻のパワーはかなり高い印象。

「望月 葵」
《精神統一(陰効果)》と《納刀》はかなり緩い条件で手札を1枚増やせる上に、《連続斬り》や《居合斬り》はオトモに依存せず高い打点を形成する事が出来る。
《一本踏鞴》も手札に嵩張ったマキモノを捌けるため、手札の質が落ちすぎる事が無くなりゲームを優位に進める事が出来た。
また、《太刀鼬》も相手のカードを捨て札に落として使用しづらくしたり、オトモを複数展開し、その裏にマキモノを伏せる相手に対して強引に2周目に入れて山札から3枚目までのマキモノを取る動きが出来る事から度々使用された。

「天祇 夜廻」
序盤戦の「シノビの裏にマキモノやオトモを伏せる」プレイを、《神通力》+《九羅魔天狗》で拒否できるのが非常に強力。
《八咫烏》や《旋風(陽効果)》で手札を増やせるのもかなり好印象。
しかし、《烏天狗》や《九羅魔天狗》は展開する旨味があるオトモでは無い(あくまで《神通力》の使用コストに過ぎない)上、直接展開の手段も持っていないため扱いは少し難しい。ポテンシャルは感じる。

「九十九 操」
《不落不落》と、それを直接召喚できる《跳梁跋扈(陰効果)》が偉い。
《雲外鏡》《瀬戸大将》まで展開出来ればやれそうだが、やはりそこまでに至る道のりが険しい。

「芦亜 卑嗣」
ヒツグ本体も含め、デッキ内の全カードのパワーが高い。特に2マナ/0リリースの《真言・展開》が強さの根幹。このカードで《五行・殲霊》や《緊急・如律令》を安く使用できるため、少ないマナで動く事が出来る。(マナに置く分を打点や盤面展開に割く事が出来る、という事。)
また、《天・地(陽効果)》や《八卦・閃衝》を使うと山札再構成のタイミングを相手とズラす事が可能で、相手を攻め立てても返しに隙を晒しづらいという強みもある。同じカードを簡単に複数回使いまわす事も可能で、これも当然強い。
プレイ初日地点でもやはり最初のリシャッフル直前が争点になる事が多く、山札が尽きかけ、マキモノのある場所が絞られ6点ほど通したら勝てる盤面でヒツグやアオイの強さを大いに実感できた。

・先手/後手の差に関して

プレイし始めてから少し経った頃、「先手後手の決定後に構成を選択出来る点が重要なのでは?」と気付きます。

・後攻1ターン目に2打点出す事がかなり難しいため、後手側は「先攻1ターン目のシノビ裏の伏せ札」を割りづらい。(後1からでも伏せ札を咎めやすい「ヒツグ」や「リン」はそういった点でも評価を上げていた。)
・伏せ札を割られたとしてもマナは増えているため、いくらかドロー出来ている先攻2ターン目ならばリターンが取りやすくなっている。(3マナのジュツを打ちやすい。)

先手側はオトモ主体、後手側はジュツ主体の構成にするのがベターなのではないか?と考えました。
後手側は「ヒツグ」「アオイ」「リン」辺りをピックすれば良い事は明白でしたが、先手側にはついては(初日地点で評価の低かったシノビも含め)様々な構成が検討される事になりました。


▼プレイングとゲーム速度の変化

ここまで「オトモの展開を目指す」→「伏せ札を全て割り続ける」といった形でプレイングのメタが変化してきましたが、どちらも多くのリソースを消費するプレイでした。

・伏せやオトモを増やし、相手がアタックしなければならない回数を増やす事が出来る。
・アタックの回数を増やし、マキモノのHIT率を増やす事が出来る。
・ドローフェイズがターンの終わりにあるため、カードを使い切ると使用可能な手札が増え、自分のアタック数を増やす事が出来る。

シノビノギというゲームでは捨て札からカードを回収する手段がかなり限られています。重要なカードまでも無闇矢鱈に通常攻撃やマナ等に使用するのは、自ら勝ち筋を手放す事に繋がります。

特にカードパワーの高い《納刀》《精神統一(アオイ陰効果)》や、直接召喚の手段となる《本領発鬼(キキ陰効果)》《跳梁跋扈(ミサ陰効果)》《御神降ろし(ぬい陰効果)》《精霊降ろし》などはマナに送らず、使用機会が来るまで手札に持ち続けたい(重要度の高い)カードです。

しかし、カードを手札に保持し続けるという事は、試合全体のアタック総数やマナの総量を減らしてしまう事に繋がります。これは、アタック以外の方法で勝利条件(マキモノ3枚の奪取)に近付かなければならない事を意味します。

では、より少ないアタック数でマキモノを奪うためにはどうすれば良いのでしょうか?

・シノビノギのゲーム設計

他のカードゲームなどによくある「盤面除去」「ハンデス」「ドロー」などといったやり取りはシノビノギの中にも存在しており、そういったカード群は(マナを考慮しなければ)基本的に「"1:1交換"が出来る効果」が標準的な強さとして扱われています。

しかし、このゲームの「攻撃」……中でも「マキモノ狙いのアタック」については非常にコストパフォーマンスが悪いです。
シノビノギの「相手のマキモノを3枚奪取する」という勝利条件を、「3ダメージ与える」と言い換えると分かりやすいと思います。
1ダメージを与えるためには何回アタックすれば良いでしょうか? 3ダメージ与えるには何回必要? その答えはマキモノの奪取に成功するまで分かりません………基本的には。

・リソースと「要求アタック数」

以降、"現状からマキモノを全て奪う為に必要となる最大のアタック数"を「要求アタック数」とします。

極端な例になりますが、「15枚の山札から3枚のマキモノを当てる」のと「6枚の山札から3枚のマキモノを当てる」のとではどちらが簡単でしょうか?
3枚のマキモノを当てるために、前者は15アタック、後者は6アタック必要になります。当然、後者の方が簡単という事になります。
シノビノギでは、相手に課す要求アタック数が高ければ高いほど負けづらくなります。逆も然りです。

リソースを使用しゲームを進めれば進めるほどに、山札からカードは消えていきます。その過程でマキモノを引く事もあるでしょう。
ドローなどによってマキモノが所在する可能性のある非公開領域が狭く/少なくなればなるほど、相手の要求アタック数は下がっていきます。マキモノが露呈した場合においても同様です。

逆に、「手札/山札が増える」「複数体展開されているオトモの裏に伏せ札を置く」「非公開のドローにより、マキモノの所在が山札から手札に移った可能性を起こす(その上で、山札にもマキモノがある)」など、マキモノが所在する可能性のある非公開領域が広く/多くなればなるほど、相手に課される要求アタック数は多くなります。

「1アタック≠1ダメージ」であるシノビノギにおいて、リソースを切って勝利条件を達成しに向かうのは非常にリスクの高い行動です。
可能ならば自分はリソースと非公開領域の広さを保ちつつ、相手にはリソースを浪費して貰い、終盤に少ない要求アタック数を満たして勝てる状態を作る……といったゲーム展開にしたいところです。

・マキモノの扱いについて

プレイヤーがマキモノを奪う理由の一つは「ゲームに勝利するため」、そしてもう一つは「相手にリターンを取らせないため」です。
3枚目のマキモノを奪われるまでゲームに負ける事はほぼありませんが、やはり相手の場にオトモが展開されるのは好ましい事ではありません。

「伏せ札がどのカードであるかを予測する」「相手の展開を許容するかどうかの葛藤」というのはこのゲームの醍醐味であると同時に、非常に難しい部分であると思います。伏せ札の裏に1マナがあるからマキモノの可能性が高い…といったある程度の指標は存在しますが、捨て札などの公開情報が無い序盤の伏せ札を予測するには限界があります。

アタックする場合は、「自分のリソース事情」と「相手の展開をどこまで許容するか」を天秤にかける必要があります。カードを伏せ、相手にアタックを要求する場合にも同じような事が言えます。

そうなると、早期にドロー/露見してしまった2枚目のマキモノの扱いが難しく感じると思います。
盤面に伏せるか手札に保持するかは難しいところですが、序中盤ならば基本的に伏せてしまっても問題無いと考えています。山札が薄かったり/手札が多かったりすると話は変わって来ますが、序中盤においてはマキモノを手札に保持しておくよりは、伏せてしまった方がメリットが大きいと認識しています。

マキモノを使用すると得られるリターン
・手札が増える。(うれしい。)
・現在のマナに関わらずオトモを召喚できる。(《瀬戸大将》などの例外あり)
・マキモノが山札に戻る。(序中盤なら山札は厚いはずなので奪取されづらくなる)
・ドローが出来る。(マキモノを引き切ってしまっている場合や、2周目に入らないとゲームに敗北する可能性が高い場合などはメリットになる。)

マキモノを手札に保持する事によって得られるリターン
・相手にマキモノで無い伏せ札へのアタックを要求できる。(相手にアタックの権利とリソースを浪費させる)
・手札が多い場合、(伏せ札にするよりも)相手に課す要求アタック数が増える場合がある。(これは終盤において大きなメリットとなる。)

相手のオトモが立つ展開を徹底的に拒否するプレイは、あくまで終盤(概ね最終ターンの意)の要求アタック数を減らす手段に過ぎない事を理解するまでは「リソースを切って試合中のアタック総回数を増やす」事のみを考えてプレイしていましたが、リソースを切るリスクを理解してからはゲームが全く別のものとなり、ゲーム速度は大幅に低下する事になりました。


▼当日に使用する構成の検討

先攻ならば【ヒツグ/キキ】、後攻なら【ヒツグ/アオイ】【リン/アオイ】が強い構成だろうと評価されていました。
ただ、キキは三忍択一で選択するには難しいシノビであると判断されたため真っ先に候補からは除外され、大会に向けた練習は【ヒツグ/アオイ/リン】を中心に始まりました。

また、プレイングに関しての認識もこの調整の最中に変化していきました。

・【ヒツグ/アオイ/リン】

オトモ中心のほぼあらゆる構成に対して後手の【リン/アオイ】の勝率が高い事を評価し、残りの1忍をリンに。この地点では他の構成にする事を考えられなかったため、【リン/アオイ】のミラーを中心に練習を行っていました。

【リン/アオイ】のいいところ
・《速射(リン陽効果)》と《乱れ撃ち》で後手から3アタック出来る。(リンのいいところ)
・リンのカード群によって《精神統一(アオイ陰効果)》《納刀》が使いやすくなる。(いわゆる「墓地肥やし」的な要素)

調整初期では「相手のオトモが立つ展開を徹底的に拒否するプレイ」が中心だった事もあり先手側の勝率が芳しくありませんでした。先手側のBANを変える事も検討されましたが、「ヒツグ」がオープンになるとリソースの差がさらに広がってしまい、結局リンを使っている側が不利になる…という事態が起きました。

"後手適正の高さ"と"ドローフェイズを跨がず2周目に入る手段がある事"がリンを使うメリットであると認識していましたが、先手を取れた際にリンを活かしきれない事がままあり、残りの1忍について考え直すフェーズに入りました。

・【ヒツグ/アオイ/ミサ】

【アオイ/ミサ】が「後手を取った際にも戦えるオトモ中心の構成」として評価されたため、リンに代わる選択肢としてミサが挙がります。

【アオイ/ミサ】のいいところ
・《百器夜行》で《一本踏鞴》《太刀鼬》を展開できる。
・《雲外鏡》で《不落不落》を展開出来る。《不落不落》は《納刀》《百器夜行》を回収出来る。
・《納刀》で《百器夜行》を回収出来る。
・《瀬戸大将》《毛羽毛現》で相手のリソースやアタック数を削る事が出来る。

「ヒツグ」についてはBANすることが前提であったため、【アオイ/ミサ】対【リン/アオイ】のマッチアップについて検討が行われました。

・【リン/アオイ】側が「相手のオトモが立つ展開を徹底的に拒否するプレイ」を徹底する。
→ミサ側が思うように展開出来ず、アタックするための打点も出しづらくなる。
・【アオイ/ミサ】側が「リソースを温存する(待ちの)プレイ」を徹底する。→リン側が序盤から律儀に伏せ札を割ってしまうと、「ミサ側の展開をいつかは通さなくてはならなくなる」or「リソースを吐きすぎてミサ側のアタック要求数が下がる」のどちらかのゲーム展開になってしまう。

・【リン/アオイ】側もリソースを吐きすぎないように心掛ける。
→お互いにバースト火力をガメる展開になる。火力面だけで言うならば概ね五分だが、リン側の方が効果による山札再構成により要求アタック数を上げるプレイを行いやすい。

丁度このマッチアップを詰めていた時期が、「リソースを温存する重要性」「手札を5枚以上保持し、次ターン以降のアタック数を増やすプレイ」「ドローフェイズを跨がず2周目に入り、相手の要求アタック数を上げる動き」といった要素をキチンと理解し始めたタイミングになります。

ゲーム理解度が低い内は練度次第のマッチアップという認識でしたが、回数を重ねるうちに、ミサの「カード群にドローなどの山札を掘る効果が無く、マキモノ事故に弱い」デメリットが目立ち、大会ではミサを使用しない事にしました。

リン以外のシノビを使用する場合、「ミサ以外のオトモ主体のシノビ」ないしは「先手を取った場合においてもオトモの展開が有利に繋がりやすい、ジュツ主体のシノビ」を探す必要がありました。

・【ヒツグ/アオイ/ライカ】

ちからもち杯が終わり、大会本番を控えるのみとなります。大会前日の調整が始まる前は【ヒツグ/アオイ/リン】を使用する事を前提に考えていましたが、先手後手のパワーギャップがあまり大きくないシノビとして「ライカ」が挙げられた為、その日の調整で試す事になりました。

ライカは「相手の狭い非公開領域に大きなダメージを叩き込む」「相手のリソースを削るために、相手に無理なアタックを強いる。(強力な効果を持つオトモの展開をチラつかせる)」「少ないリソースで相手のオトモ展開を拒否できる」といった基本的で強い行動を行いやすく、プレイ難度も高くないシノビであったため、大会当日の使用候補として評価を上げます。

当日は「ヒツグ」のBAN率が高いと考え、【ライカ/アオイ】を中心に練習を行いました。

【ライカ/アオイ】のいいところ
・《化け狸》《一本踏鞴》で継続的に手札を増やす事が出来る。
・《影討ち》《連続斬り》《居合斬り》など、火力が豊富。
・《影縛り(ライカ陽効果)》で、相手の「オトモ複数体の裏にマキモノを伏せる」プレイを拒否出来る。
・数少ない除去札《神殺し》を運用出来る。(これは相手の《一本踏鞴》《式神・十三天将》《太刀鼬》や「ミサ」のカウンターとして機能する。)

ライカの感触はかなり良く、他候補との吟味の末、調整メンバー3人全員が【ヒツグ/アオイ/ライカ】を選択する事になりました。

・【ヒツグ/アオイ/ヤエ】

調整段階で検討されていた構成の一つ。当日は【ヤエ/アオイ】と対面する可能性も考えられたため、これについての検討/練習も行われました。

【ヤエ/アオイのいいところ】
・《鵺》は山札の枚数を回復できる上、《精神統一(アオイ陰効果)》を使い回す事も可能。
・《八咫烏》を用いる事で自身の公開領域を狭める(マキモノの所在を明かす)事無く、ドローフェイズを跨がずに2周目に入る事が出来る。
・《神通力》+《九羅魔天狗》は、序盤の相手の展開とマナ管理を崩す事が出来る。
・《納刀》で《神通力》を回収出来る。《神通力》は、ドローフェイズを跨がない2周目突入の手段になる。

対戦をしてみると、やはり「《鵺》が着地すると【ヤエ/アオイ】側の非公開領域が中々狭くならないゲーム展開」になります。
ヒツグをBANされていたり、リンを使用していたりするとリソース差が広がり、終盤の火力に屈して負けがちでした。
伏せ札を割って展開を拒否するにしても「リソースを消費してしまった上で《鵺》が着地する」という大きな裏目があり、対面する側のプレッシャー/プレイ難度は非常に高いです。

しかし、【ヤエ/アオイ】側のプレイも簡単ではないため、この構成の選択を一番最後まで検討していたのは、【ヤエ/アオイ】の経験値が一番高い池粕のみでした。(筆者と大村氏は練度の問題で早々に見切りを付ける事に。)
しかし、「《鵺》1枚への依存度が非常に高いため、大会向けでは無い。」として、最終的には候補から外れました。今考えると、アオイをBANされるのも好ましくないかもしれません。

▼当日のマッチアップと反省

池粕(4-0)、高須(2-2)、大村あたる(2-2)

・「ヒツグ」の練度不足

・筆者の想定よりもアオイをBANするプレイヤーが多かった。
・ヒツグをBANされる前提で練習を進めていた為、ヒツグを使う準備(特に【ヒツグ/ライカ】の練習)が殆ど出来ておらず、筆者の2戦目/大村氏の4戦目は練度不足の部分が出てしまった。

ヒツグは現状「山札を掘り進めずに試合に勝つプレイ」が出来る唯一のシノビであり、プレイの選択肢/分岐が多いシノビでもあります。
《真言・展開》《五行・殲霊》も絡めた打点の出し方、《天・地(ヒツグ陽効果)》《八卦・閃衝》を用いて山を掘らず相手の非公開領域が狭まるのを待つ(ロングゲーム寄りの)動き、待ちの動きをする際にどこまで火力札を探しに行くか…などについては慣れが必要な部分であり、筆者は特に後者2つについての練習/考察が足りなかったと感じています。

いや、ポケカが面白すぎた。

・構成の選択について

【ヒツグ/アオイ/ライカ】を選択した事については正しい判断であると考えています。
2-2という結果については、先述の通り練度が不足していたことが原因であると考えており、4-0した池粕氏はヒツグを使う想定/準備を十分に行えていたように思えます。

【ヒツグ/アオイ/リン】【ヒツグ/アオイ/ヤエ】に関してもそれぞれの強味がきちんと存在していると考えていて、メンバー内の評価は【ヒツグ/アオイ/ライカ】も含めて概ねフラットなものでした。シノビノギというゲーム自体が練度や運次第で比較的どうにでもなるゲーム性であるため、最終的にはプレイミスが少なく済むであろう「ライカ」の選択に踏み切りました。



▼あとがき

今回は「シノビノギ発売」から「第1回公式大会」までのプレイ記録を書かせて頂きました。
調整中は7割の勝負を外してガチ萎えしたり、正しいプレイングが分からずかなりメンタルをやられていましたが、大会当日はかなり楽しくプレイできたのでそこは良かったなと思っています。勝ち越したかったな~と言う気持ちもまぁありますがw

シノビノギの練習/調整をするにあたり、今回も例の如く池粕氏にはゲーム理解度についてはかなりキャリーして貰いました。ガンナガン大会5冠の男、やはり只者じゃないね。

「優勝したし何か書く?」と池粕氏に問いかけてみたところ、「調整録みたいな長い文章を書くのは俺より高須の方が上手い。任せた。」と返って来たので、彼にはプレイング周りに絞った話の記事を書いて貰う事にしました。

こんな感じの。(宣伝)


7月30日にはガンナガンの大会があるので、しばらくはそちらに注力するつもりです。その後は動きがありそうなEAT/PAINTも……