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「聞かざる・言わざる・見ざる」〜何を聞かず、言わず、見ないのでしょうか?
(写真は徳川家康が祭られている日光東照宮の三猿:2021年11月撮影)
ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健です。
あなたが「最高の自分」に向って成長し続けることに役立ちたいと願って書いています。
しばらくシリーズで書いてきましたが、次のシリーズを始める前に今日は東照宮に久しぶりに出かけましたので、そのことについて書かせていただきます。
日光東照宮
前回、東照宮に言ったのは中学生の頃だったと思います。
1999年12月に「日光の社寺」として、日光東照宮をはじめとする103棟が「世界文化遺産」に指定されました。
「世界文化遺産」に指定された20年後の2019年には大規模修復が完成したことを聞いてはいましたが、訪問することはありませんでした。
東照宮は1617年にされ、現在の主な社殿は第3代徳川家光が1636年に造営したものだそうです。
国宝や重要文化財になっている建造物が多くあるのですが、重要文化財である「神厩舎の三猿」について学び考えたことを紹介させて頂きます。
神厩舎
厩舎ですから、馬をつないで置く場所です。どのような馬を厩舎につないでいたのでしょうか。
神さまが乗る馬、「神馬」をつないでおく場所だそうです。実はこの馬、奈良時代から習慣で、祈願のために奉納した馬のことです。
さまざまな身分の人が馬を奉納していたようですが、小規模の神社では奉納された馬の世話をするためには負担がかかる上、奉納する側も馬は高価であり奉納するためにも負担がかかるということもあって、「絵馬」にかわったそうです。
なるほど、アラカンになって初めて「絵馬」の由来を知りました。
この神厩舎の長押に16体の猿の彫刻が刻まれています。
長押とは本来は柱と柱を水平につなぐもの建造材であったようですが、現在は装飾材として和室には見られるものです。
16体の猿の彫刻の中に有名な「三猿」が含まれているのです。
古来から馬を守るとされている猿の彫刻が「招福猿」として飾られたようです。
人の人生を風刺する猿の彫刻
この16体の猿は人の一生について描いた8面の彫刻によってできています。
有名な三猿はこのうち2面目に彫られています。
1面目には赤ん坊猿と母親猿の二体が彫られており、その次が「三猿」になり、3面目は独り立ちする前の一匹の猿です。
ですから、「三猿」は人間の幼少期について描いているわけです。
「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿は有名ですが、ここでは子どもへの教訓として描かれているのだそう。孔子の教えに出て来る4つの戒めのうちの3つとも重なっています。
1.見ざる:悪い行いを見てはいけない
2.言わざる:悪い言葉を言ってはいけない
3.聞かざる:悪い言葉を聞いてはいけない
これにより、子どもには素直な心のままに成長させよという戒めのようです。
孔子は「礼節を欠くことを」としていたようです。4番目は「礼節を欠くことを行ってはならない」です。
おわりに
幼少期に悪い言葉や行いを見ないように、言わないように、聞かないようにする。教育的な意味があるわけです。
これはダメ、あれはダメ
「〜しないように」というのです。
禁止を訴えるのも良いとは思うのですが、それでは何を見て、言って、聞くべきなのでしょうか?
子どもであっても、大人であっても、やはり見習うべき「模範」を示したいですね。
そんなことを思いながら、紅葉も終わった東照宮を後にしました。