見出し画像

アイドル楽曲大賞2024への投票内容を公開しつつ今年を振り返る

というわけで年末ですので、私の「アイドル楽曲大賞2024」への投票内容を公開しつつ、今年を振り返っていこうという記事です。
メジャーアイドルには全然詳しくないので「メジャーアイドル楽曲部門」には投票せず、他の部門にはすべて投票しています。ポイントは初期設定どおり傾斜配点としました。


インディーズ/地方アイドル楽曲部門

5位 6ird / situasion 1.0pts.

ここ最近自分が行く対バンイベントでsituasionを見る機会が減っていたので曲も昔ほど追えてなかったのですが、そのブランクがあったせいもあり久々に見たライブでセトリに入っていたこの曲に衝撃を受けました。
壮大な曲調に激しい感情を載せたパフォーマンスは歌唱、ダンスともに素晴らしいです。
situasionってこれだけ尖った楽曲をやりつつも、個々のメンバーで見るとそれぞれ個性的にアイドルとしてキャラが立ってるので、よいバランスを保っているな、と思います。

4位 bund drive / NUANCE 1.5pts.

ほんのりと80年代の昭和歌謡っぽい雰囲気も感じるおしゃれな楽曲。発表時期としても楽曲の題材としても、横浜ベイホールで行われたわかちゃんの卒業公演を思い出させる名曲です。"bund" は英語で「湾岸通り」の意味で、横浜ベイホールは首都高の新山下ランプのすぐ近くにあります。
NUANCEは一見してご当地アイドルっぽさが薄いんだけども、こうやって横浜を題材にしたおしゃれな曲を一貫して歌い続けているし、そこが持ち味だと思っています。

今年のNUANCEはいろいろとあったけども、それでも歩みを止めなかったメンバーたちの努力には拍手を送りたいです。来年の4月にあるKT Zepp Yokohamaでのワンマンライブの成功を祈っております。

3位 ステフリ! / 美味しい曖昧 2.0pts.

これまでの美味しい曖昧の雰囲気とは大きく変わった底抜けに明るいダンスミュージックでありつつも、軽快かつ特徴的なギターのカッティングで美味しい曖昧らしさをちゃんと残している良曲。そしてこの曲は「『今ここ』にこそ自由がある」ということを歌いたいんだと思っています(独自解釈)。天気とかまだ見えない未来とか、コントロールできないことに気持ちを向けるんじゃなくて、自分がコントロールできる「今ここ」を生きることが結果的に自由であり続ける(stay free)ことにつながるんじゃないかなって。

今年はねむりさんの卒業だったりうずめさんの手術だったりで美味しい曖昧はいろいろ厳しい状況だったと思いますが、そんな状況でも攻めた姿勢を崩さなかったのはすごいと思います。来年はさらなる飛躍の年になると信じています。

2位 TOWER / 開歌-かいか- 2.5pts.

初期の開歌のイメージとは大きく変わったバンドサウンドが、開歌の「新章開幕」って感じがしてとても好きな一曲。初期の開歌はどこか文学的で牧歌的な雰囲気が漂っていましたが、このような都会的な一曲も似合うグループになったなと思います。

2022年、2023年とメンバーの入れ替わりが続いた開歌でしたが、2024年は5人体制で安定して、個々の個性が光る良い状態になっているように感じます。この「TOWER」も5人のバランスのよさが光る曲になっていると思います。

1位 彩叫幸福論-さいきょうこうふくろん- / カラフルスクリーム 3.0pts.

2024年は年始から自然災害と航空機の事故が発生して暗い雰囲気になっていたところに、この曲のリリックビデオ(現在は非公開)が公開されて「すごい曲が来たぞ」と気分が明るくなったことを思い出します。

この曲の歌詞が歌っている内容はすごく重いです。途方もなく大きな「夢」を前にしてくじけそうになったり潰れそうになったり諦めそうになったり絶望しそうになったりしても、何かに突き動かされるようにして前に進んでいく、そういうものだと思います。
私がオタクをやめられない理由って、結局のところはこういうものの先にある「つかめない何か」をステージ上の演者と一緒に見たいから、なんだろうなって、この曲に改めて認識させられたように思います。

楽曲はぱっと聞いてキャッチーな印象を受けるのですが、典型的なJ-POPで見られるAメロ → Bメロ → サビを2回繰り返してCメロでブリッジしてから大サビに持っていく、みたいな構成じゃなくて、洋楽によくある構成になっているのがひねりを利かせたポイントになっていると思います。日本人が聞くとBメロを飛ばしていきなりサビに行くように聞こえるこの構成ですが、洋楽ですとVerseからChorusにいくってことでわりとよくある構成だったりします。カラスクの曲ってこうやって解析してみるとめっちゃこだわって作っているのがよくわかるので、ただの王道アイドルじゃないんですよってのを折に触れて伝えていきたいところです。

そして今年のカラスクといえば、FNS歌謡祭への出演を賭けたイベントで決勝戦まで勝ち進んだことが大きなトピックだったと思います。その賞レースの過程ではいろいろとありましたけども、結局のところ「行け 行け 高く 遠く/勝ち 負け 超えた場所へ」というこの曲のワンフレーズがまさにその時のファンの想いだったのではないかな、と思います。この曲が年始に出た時には、こんなドラマチックな展開が待っているとは思いもよりませんでした。「曲の力」を感じたエピソードでした。

アルバム部門

1位 『color』 / 開歌-かいか- 3.0pts.

楽曲部門ではTOWERを選んだんですけども、アルバム収録曲の他の曲も良すぎて絞り込む時にめちゃくちゃ迷ったので、アルバムを1位に選出することでバランスを取りました。

やさしさと温かみに溢れたこれぞポピュラーソングというべき魅力がある「グランドマーチ」

軽快なリズムにセンチメンタルでエモーショナルな歌詞とメロディが載った「宝石ディスコ」

開歌の新境地ともいうべきエレクトロ・ポップ「Pl(r)ayer」

かわいらしい雰囲気でありつつも開歌らしさを残した印象のある「ねぇ I Know」

と多様なジャンルの楽曲が入ったアルバムです。

2位 『曖昧なアルバム2』 / 美味しい曖昧 2.0pts.

こちらも素晴らしいアルバムでした。楽曲部門で「ステフリ!」を選びましたが、それと迷ったのが以下の3曲

軽快なラップが楽しい「LATER ALLIGATOR」

軽快でおしゃれなギターサウンドが最高な「dreamy dreamy」

ほんのりとアシッドジャズ的な雰囲気のある「『詰』と『昧』」

と、甲乙付けがたい楽曲ラインナップ。
「dreamy dreamy」は美味しい曖昧の初期からのイメージと合っているように思いますが、このアルバムでは新しい挑戦も多く見られて、かつクオリティの高いものに仕上がっています。

3位 『The immortal envy club』 / situasion 1.0pts.

今年は2020年以前のアイドル現場の雰囲気が戻ってきて「沸き」が再び重視されるようになったり、tiktokでのバズりを意識したアイドルが全盛を迎えたりしていましたが、そういう雰囲気のなかでひたすらに独自路線で尖りつづけているのがsituasionだと思います。

『The immortal envy club』は楽曲だけ聴いてると日本のアイドルとは思えない雰囲気ですが、今年ドイツツアーを敢行した活動方針なんかを考えても、目線は海外を向いているのがよくわかります。
ぶっちゃけた話、私自身としては日本のポップミュージックが好きなのでここまで洋楽っぽい雰囲気が出てくると好みの傾向からは少し外れるんですけども、世間で流行っているかわいい全振りのアイドル楽曲も別に好きじゃないというなんとも面倒くさいオタクなので、その閉塞感をぶち破ろうとするsituasionの姿勢には共感できるんですよね。
というわけで楽曲部門では「6ird」を選びましたが(こういうエモーショナルな重たいロックが好きなんですよ……)、アルバムとしても3位に選出しました。

推し箱部門:カラフルスクリーム

東京在住の私が関西拠点のアイドルを「推し箱部門」に選んだわけですけど、今年のオタク活動でいちばんドラマチックな展開を見せてもらえたのがカラスクだったので選出しました。
カラスクは東京遠征を今年はかなり意識して増やしていた印象で、東京に住んでいても現場が少ないな、という感覚はほとんどありませんでした。(推しの生誕のために大阪まで弾丸で遠征したこともありましたけどもw)
いわゆる地下アイドルの現場は東京に偏りがちだし、ヒットするアイドルも東京拠点のグループが多い中、東京以外から上に上がろうとしていくその努力が今年は花開きつつあったのではないかな、と思います。
地方アイドルの戦略として、地元で足場を固めて地方から有名になる、ってやりかたもあると思いますが、大阪のような大都市ではなかなか地元が一枚岩になるのも難しいと思うので(FNS歌謡祭出演を賭けたイベントでのタイトル未定との戦略の違いにも表れていたと思います)、来年はさらに東京のオタクにもカラスクが見つかってほしいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!