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名機修理レポート「ensoniq VFX-SD」を救え!!【其の三/ホルダー換装&修理作業編】
「さてどれどれ…ありゃ!!
あー、この個体故の持病の一つが出ちゃいましたね~😭💦」
注意喚起(再掲)
前回の【其の二】でもお伝え致しましたが、
再度こちらにも同じ内容にてお断りを入れさせて貰います。
(寧ろ此処からが正に該当するかと思われますので何卒ご了承下さい。)
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ホルダー換装&修理作業
①【開腹~ホルダー換装】
いよいよ開腹作業開始。
VFXシリーズは基本、先ずは上面のパネル起こしから始めます。
(人によっては背面からと言う方も居そうですがそれについては後程)
上部四隅に有る六角ネジを外して…っておや?
左下のネジの回す感触が空回りしている様な…
違和感を感じつつもパネル起こしに成功。
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さてどれどれ…ありゃ!!😱💦
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あー、この機体の持病の一つが出ちゃいましたね~😭💦
ネジ穴の役目を果たすスクリュー状の金属部。
それを囲み抑えるプラ部が本体から飛び出る形で存在しているのですが、
経年劣化によって割れてしまった模様。
ですが一応この場合の対策は持ち得ていたので、取り敢えずは後回し。
(尚、其処まで深刻では無い事も追記しておきます。)
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上蓋のネジを外し終わったら今度はひっくり返します。
最終目的地のメインボード(以下、M/Bと表記)を取り出すには鍵盤ユニット(以下、鍵盤部)とホイール部のユニット(こちらは半分程)を外す必要が有ります。
その為背面から止めているネジを外す必要が有りと…
(この箇所が先程の「人によっては」の部分になろうかと思われます)
外し終わったら再度ひっくり返し。
鍵盤部がズルっと落ちない様に慎重にしつつ起こして、
起こしたらそのまま鍵盤部を退避…っと。
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ハイ、鍵盤部が無い状態となりました。
今回の工程は電池ホルダーへの換装と先程発生した破損部の修繕だけですので、行程自体は短いです。
これにもしタクトスイッチやボリュームスライダーに不具合も有れば対処を施しますが、幸い普通に使える様でしたので、敢えてここはそのままに。
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さて、取り出した後のM/Bになります。
今回の主目的はこの元の電池の除去、その後ホルダー化とする訳ですが…
ご覧になっている皆様には「おや?」と思われている方も多い筈。
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一般的にこの類の内蔵電池はCR系のコイン型電池を使われている事が多いのですが…形状が余り見慣れないですね~🤔
と、そう言えばXでnemoさんとやり取りしている時にこちらの方からも…
ありゃ、コイン電池じゃなくてこんな面倒くさいバッテリーなんですね…
— さいとう7𝕏 (@ysaito7) June 1, 2024
っと、さいとう7𝕏さんからもその件に触れて来て下さいました。
(いやー、この方もXを始める前から存じておりましたので、
お声掛けして頂けるとは嬉しい限りです(笑)😆💕)
では、その場でも述べましたが、今一度おさらいも兼ねて…
はい、無印VFXはボタン電池なのですが、
— t2-PochiPochi (@t2pochipochi) June 1, 2024
VFX-SDとSD-1はオリジナルが円筒形のBR系リチウム電池なのです。
当方も最初はちゃんとBR系の電池を使うべきか悩んだモノですが、「比較的高温性能」と言う項目以外はCR系と同じと言う事でCR系に換装しております。
(続く) pic.twitter.com/sgjZeY8o7p
初代VFXは上記画像にも掲載されている通りCR系コイン型ボタン電池を採用しておりますが、その後継機であるVFX-SDとSD-1は円筒形のBR系リチウム電池を採用しております。
性能的に何が違うのか?
これは当方の解釈になりますが「比較的高温性能」と言う点かと思われます。(逆に言うとそれ以外はCR系と同じ)
で有れば、BR系の同型電池を用いなくとも問題無い筈ですので、
ここは比較的入手しやすいCR系のコイン電池に変えておいた方が後々楽になるかと思われます。
ちなみにさいとう7𝕏さん自身も自らパナソニックのサイトにて置き換え可能かどうかの確認をされておりました。
あ、なるほど、充電池ではなくて一時電池なんですね。パナソのサイトにもほぼ置き換え可能ってありますね。https://t.co/1Uz0i52a6R
— さいとう7𝕏 (@ysaito7) June 1, 2024
当方からこちらのサイトの説明を促す前から挙げて頂くとは…
この方流石です。😆
また少々脱線致しますが、
実はその換装作業を当方所有の同型機(SD-1 32Voice)にて
既に何年も前から行っていたと言う裏付けも有りました。
なのでその辺りは問題は無いと今現在も思っております。
(続き)
— t2-PochiPochi (@t2pochipochi) June 1, 2024
また、人柱の意味合いも兼ねて当方の入手致しましたSD-1にその処置を行いましたが、未だ正常稼働中になります。
ちなみに時系列ですとSD-1が2012年。
ポストに挙げたVFX-SDは2019年にて施したモノになります😊
(画像は当方所有のSD-1になります【最近撮影】) pic.twitter.com/eE9UpdhmX0
と言う訳でその作業を…と言う前に終わっちゃいました。
ハイ、慣れている作業故にあっという間でしたね~(汗)😅
取り敢えずビフォー&アフターはこの様な感じで。
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と、その工程を見られたい方も居るとは思われますが其処は企業秘密と言う事で(笑)
とは言え、折角なのでせめてヒントをば。
初代VFXの場合、実はそのままフィットするホルダーが存在します。
ですのでそのパーツを手に入れれば苦は無く行えるかと存じます。
(但しそれでも、ある程度のハンダ技術を持ち合わせている事が前提になります)
ですがVFX-SD以降は形状もさる事ながら、フィットパーツも存在しない為、
当方ではこの様な物を用います。
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ハイ、ヒントはココまで。
とは言え、処置済の画像を見れば自ずと答えは分かるかと存じます。
あ、冒頭にも述べましたが、もしご覧になっている方が同様の事を行い破損等が生じても当方は一切責を負いませんのでご注意下さいね。
②【破損部の修理】
おっと、忘れる所でした!!😅
新たに発生した破損個所の修理が有りましたね。
先にも話しましたが、VFXシリーズは上面パネルを固定するのに対し
上下四隅に六角ネジを用いて止めるのですが、この箇所は経年劣化でポロっと壊れてしまう事も多々あります。
ですが幸いにも今回初めて取れた模様につき、その部分が丸ごと残っていたのは正に幸運でした。
さて、通常であれば瞬間接着剤でくっつけて元に戻す…等の方法が挙げられるでしょうが個人的にその方法はNG。
何せネジで回し再び固定する箇所ですので、その反動で再びポロリも。
別の方法でより強固にくっ付ける必要が有りますが…当方はコレを用います。
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困った時の「プラリペア」(笑)
所謂造形補修剤となりますが、
比較的速乾性なのは勿論、並の接着剤よりもより強固にくっ付いてくれる所がポイント。
但し、厚く塗り過ぎると確かに強度は高まりますが、
ボテッと仕上がってしまい最悪後から再度戻す鍵盤部との干渉も想像がつきます。
なのでそのギリギリの所を見つけて接着縫合。
すると仕上がりはこの様な所で。
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無論、力を入れすぎるとまた外れてしまいますが、
力加減に気を付ければ取れる事は無いので当方はコレを物凄く重宝しております。
皆さんも是非お試しあれです。😉
と、余談ですが。
この件が発生してしまったが故に数時間での作業終了の目論見がパーになってしまったのは致し方無いと同時に少しだけ泣いてしまったり…(泣笑)😂💦
【次回(最終回)に続きます】