MLB Column 2007: 7. 夏の移籍市場
【こちらのコラムは筆者がMLB選手エージェント事務所にてインターンをしていた2007年当時のブログからの抜粋です。当時の記憶を保存することを目的としているため、修正なしで掲載しています。現在とは異なることもありますので予めご了承下さい。】
⚾︎▶︎▶︎ 夏の移籍市場 ◀︎◀︎⚾︎
移籍市場というと、何となくオフシーズンを想像しがちですが、MLBでは夏も市場が活発です。
MLBで自由にトレードが行える期限は7月31日まで。8月1日以降ワールドシリーズ終了までは、ウェイバー公示された選手以外獲得することは出来ません。(ちなみにウェイバー公示とは、球団が保有権を失った選手を公示すること。下位球団から指名権があり、最初に獲得の意思を示した球団がこの選手を獲得できる。)
日本の場合、選手登録締め切りが6月30日なので、6月の間は、交換トレードや新外国人選手の獲得が活発に行われていました。それと同じく、MLBでもこれから1ヶ月ほど、選手の移籍が活発になります。
さて、それでは、どうしてシーズン真っ只中に選手のトレードが行われるんでしょうか?
実はこれがプレーオフ進出への大きな要因になっているんです。
そもそも7月にもなってくると、そろそろプレーオフが狙えるチームとそうでないチームがハッキリしてきます。狙えるチームは即戦力を補強して勝ち星を増やしたい。狙えないチームは来シーズンを見据えたチーム作りを始めます。この双方の間でトレードが行われるわけです。
Chicago White Soxは、選手年俸総額がリーグ4位でありながら、今シーズンは首位もワイルドカードも10ゲーム差以上離れています。米Fox Sportsによれば、プレーオフ進出の可能性は0.013%ほどなんだそうです。
年俸総額が高いということで、もちろん高給取りがたくさんいます。今シーズン後のFAが4名。この中には井口選手も含まれています。これだけの選手を集めて、優勝を狙えない位置に低迷しているということで、ファンもがっかりでしょう。球団の戦略手腕をファンに見せるためにも、「この4枚のカードを使って、どう来シーズン以降のチーム作りに営むか?」ということが注目されています。この選手たちを売りに出せば、かなりの年俸総額が浮くことになり、来期に向けての資金づくりと伸び盛りの若手選手が獲得できて一石二鳥な訳です。
7月31日のトレード期限までに、White Soxがどう出るか!? これは注目のゲームです。
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