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39歳の決意 | 自分にとってのライフワークを考える。

2021年は1年延期となった東京2020大会というひとつの大きなプロジェクトを終え、自分個人にとっても、日本スポーツ界にとっても、日本社会にとっても大きな節目となる年だったと思います。

振り返ってみれば、北京2008大会のあとアメリカから帰国して以降、立ち止まることなくよくここまでやってきたものだと思う。この間、一貫してやってきたことは「スポーツの価値」を信じ、考え、形にすること。

”Creating Sport Value”(「スポーツの価値」の創出)

2014年に”Creating Sport Value”と題してWordPressで細々とブログを開設しました。かなり断続的にはなってしまっていますが、当時考えていたこととこれまでやって来たこと、これからやりたいことにズレはなく、そういう意味では自分の中でのアジェンダ設定は、ある程度機能してきたのかなぁと思います。ここから少し開設当時このブログコンセプトに記載した内容をそのまま転載したいと思います。

タイトル「Creating Sport Value」は、ハーバード大学マイケル・ポーター教授とマーク・クレイマー教授が2011年に発表したCreating Shared Value(CSV=共有価値の創出)という概念を文字ったものです。CSVとはつまり、ビジネス活動を通して、社会に対して共有価値となるモノやコトを創出して行くということ。2000年代に一般的となったCorporate Social Responsibility(CSR=企業の社会的責任)という概念の中で企業が社会に対して果たさなければならない責任として行われて来た社会貢献活動などとは異なり、CSVは本業におけるビジネス活動自体が社会に共有価値を提供して行くという新しい概念です。

資本主義社会によって、世界には様々な問題が噴出してきました。環境破壊はその最たる例ですが、現代社会は多くの課題を内包しています。CSVの事業にもビジネスである以上当然利益は求められますが、社会課題の解決に繋がるようなビジネス展開をするため、売り手/買い手のみではなく、社会一般にとっても有益となるわけです。日本には古くから「三方よし」という理念もあり、CSVの考え方にもあまり違和感はないかもしれません。

CSV(Creating Shared Value)という概念は、資本主義社会の行き詰まりから生まれました。一方、スポーツ界はどうでしょうか。「勝利至上主義」が跋扈するスポーツ界には少なからず閉塞感も感じます。ドーピングや八百長など、勝利のために不正をはたらくというケースも起きています。「勝利」にのみスポーツの価値を見出した結果、このようなことが起きてしまっているのではないでしょうか。しかしスポーツはただ「勝利」することにのみ価値が存在するわけではないはずです。

そんな背景の中で「スポーツの価値」を社会に還元する切り口を増やして行くこと、つまりスポーツ界のCSV(Creating Sport Value)が今のスポーツ界には必要だと感じています。

スポーツ界も自らの価値を社会に共有していく必要があります。特に公益法人化が進むスポーツ団体にとって、スポーツのチカラで社会のためになにが出来るのか、ということを考える必要があると強く感じて来ました。国際大会での勝利も様々な面での効果が期待され公益になるでしょう。しかしそれだけではきっと限界が訪れます。スポーツの価値を社会に還元する切り口は、挙げればキリがないほどあると思います。このブログを通して、その切り口のヒントとなる事例やアイデアを少しずつ発信していければと考えています。

「スポーツの価値」とはなんなのか。

スポーツの本質的な価値を広く社会に認めてもらうためには、スポーツが一般社会にとって必要不可欠なものにならなければならない。

世の中には様々な課題がそこかしこに溢れています。スポーツのチカラがそんな社会的課題を解決する糸口になったら素晴らしい。そしてその可能性もたくさんあると思うのです。

自分にとってのライフワーク

大会が終わってからのこの数ヶ月間、もう一度この原点に立ち戻り、改めて自分の「ライフワーク」をしっかり整理してきました。なんのために自分は働くのか。働きたいのか。そして人生をかけるのか。

「社会資源としてのスポーツが機能し、持続可能な地球環境と人間社会が実現する未来」

とても壮大な話なのですが恥じらいなく言えば、そんなビジョンを持って仕事をしていきたい。そして今まで関わって来た仕事のひとつひとつも自分の中ではそこに帰結しています。

必ずそういう時代が来るとは思っていましたが、社会が求めるアジェンダもかなりここに寄って来たと感じています。これからはより粒度の高いアプローチで、よりダイレクトにこのビジョンの実現に貢献できるような仕事をしていきたい。今日30代最後の誕生日を迎え、その決意をまずはここに記しておこうと思います。

正直、若いままでいたいなぁ・・・という想いがある一方、歳を重ねて来たからこそ出来ることに挑戦し続ける、そんな野心は持ち続け、この1年も前に進みたいと思います。

そして自分の学びと思考の整理としてブログ(& note)での発信も少しずつ習慣化していこうと思っています!

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