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pmconf 2018 に行って来ました - 1日目 -

ハウスマートCTOの高松です。

去年に引き続き今年もpmconfに行って来ました。
pmconfはPM(プロダクトマネージャ)のためのカンファレンスです。
2016年から開催しており、今回で3回目となります。

日本でもここ数年でプロダクトマネージャというロールが浸透して来ていますが、それを推し進めることに貢献してきたカンファレンスです。

今年は秋葉原での開催です。外はあいにくの雨でしたが会場に着くと大盛況でした。
650人分のチケット完売だとか。席もほとんど埋まっていました。

今年もとても勉強になる内容ばかりだったので、カンファレンスの趣旨と気になったセッションについて感想をまとめてみます。

「愛されるプロダクトを創ろう」

去年のテーマ「広げる・深める」に続いて「愛されるプロダクト」が今年のテーマでした。

去年は良いPMになるための知識領域の専門家(UXやリサーチの専門家など)を集めての講義が多かったですが、今年は国内の有名プロダクトの現役PM or 経営者のセッションが多く、より実践的な内容になっている印象を受けました。

基調講演の「愛されるプロダクトを作るべき3つの理由」

なぜ愛されるプロダクトを作るべきか、理由が言語化されていてスッキリ理解できました。

・BtoCもBtoBも継続的に使って対価を支払ってもらうビジネスモデルにシフトして来ている
・愛される→継続して使ってもらう=LTVの最大化
・SNSでの拡散がマーケティング上重要になっている
・愛される→SNSで好意的にシェアされる=CACの最小化

サブスクリプションモデルであれば継続利用が売り上げに直結しますし、広告モデルだとしても継続利用=広告収益の増加につながるので、愛されるプロダクト作りが重要な時代なんだなと再認識しました。

ビジネス的な要請もさることながら、愛されるプロダクトであれば作り手側のモチベーションも高まり、いいことづくめですね。

基調講演のTogetterはこちら↓

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個人的に興味深かったセッションについても簡単にまとめます。

ユーザーと両想いになるサービスの作り方(エウレカ VP of Pairs Japan 金田さん)

PairsのPMである金田さんが、Pairsのリリース前、立ち上げ期、拡大期でどのようなサービスづくりをしてきたかを解説してくれました。

リリース前は徹底的に勝ち筋があるかを検証し、海外での先行事例などを見て参入を決定したそうです。

Pairsは国内デーティングサービスの中でも後発だったこともあり、リリース後は他サービスの良い機能をできる限り真似して実装し、マーケティングの戦いで勝つ、という方法を取っていたそう。競合がコストをかけて検証したものをそのまま取り入れて、その分マーケティングにリソースを投下するというのは賢い戦い方だなと思いました。

国内No.1になったあとの拡大期(今)は
・No.1だからこそできることを考えて施策を打つ
・変化するユーザーニーズを捉えること
を大事にしているとのことでした。

立ち上げ前〜拡大期までの一つの成功パターンを学べたのが私にとっては大きい収穫でした。

このセッションのTogetterはこちら↓

インターネットテレビ局「AbemaTV」プロダクトの変遷(サイバーエージェント 執行役員 長瀬さん)

AbemaTV立ち上げの2年間についての発表でした。

なんと長瀬さんは大小含めて50以上(!)のサービスを立ち上げているとのこと。経験が豊富なこともあり、全体を通して流石だなと思う部分が多く、大変勉強になりました。

2014年頃から沢山立ち上がっていたNetflixなどの有料 x オンデマンドとあえて違う無料 x リニア(番組表があって時間通りに番組が流れるもの)というポジションを狙って立ち上げたそうです。コンセプトは「インターネットテレビ局」。

リリース前に250ものモックを作って検証をし、ユーザビリティの検証を実施。
その中で、あえてテレビのメタファーとして、スマホを横向きにした視聴スタイルと番組表の2点を採用したそう。ユーザビリティは若干下がるが(他の動画サービスは全て縦型のUI)、オンデマンド型の他サービスとの差別化を図るための意思決定とのこと。
その後、ブランド確立したタイミングを見計らって縦型のUIに変更しているなど、考えられたプロダクトのストーリーが印象的でした。

計画当初から「プロダクト:コンテンツ=50:50」の比重で力を入れていくと決めていたらしく、それも継続的なグロースに繋がっているようです。
リニアとTwitterは相性が良いので(大人数が同じ番組を同時に見るのでバズりやすい)、SNS上でのバズを使ってプロダクトをグロースできているようで、コンテンツの力を使ってプロダクトを加速させる良い事例だと思いました。

また、PMの仕事として年間10件弱のPRを継続的に出していて、話題性・技術的なチャレンジを含めて計画を立てているそうです。これは私も見習いたい。

このセッションのTogetterはこちら↓

失敗をデザインする(ラクスル CTO 泉さん)

ラクスルは印刷事業と配送事業を行っており、ビジネスの特性上自分がユーザーになりにくい(作り手が印刷業者や配送のドライバーになることが難しい)という課題を抱えているようです。

そのようなビジネスの場合、PMやエンジニアのアイデアを元に作ると、特に的外れなものを作ってしまいがちなため、観察調査・ヒアリング→プロトタイプ→検証のサイクルを事前にしっかり回すことで、無駄なシステムを開発してしまうリスクを下げましょうという内容でした。

これは弊社でもBtoBのサービス(不動産業者の業務支援システム)を作る際にも非常に意識しているポイントであり、同じような失敗をした経験もあるため共感できる内容でした。

特にドックフーディングをしにくいプロダクトを作る場合は、「自分が考えた仮説が正しいことを証明するために仕事をするのではなく、事実から学んぶことを仕事にする」という言葉は常に念頭に置いておくべきではないでしょうか。

このセッションのTogetterはこちら↓

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これ以外にもPixivの方の発表がまさかの本人不在でVTuberのプレゼンだったりと、盛りだくさんの内容でした。

もっと色々書きたいことはありますが、それは他の方のレポートに譲ろうと思います。

2日目も面白い内容があればまとめようと思うのでよろしくお願いします。

pmconf Day1 のTogetterです↓