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T2 エンジニアインタビュー/#05

物流問題の解決という志を共にする仲間に焦点を当てて紹介します。
今回は、プランニング&コントロールグループのリーダーを務める藤巻さんにインタビューしました。
学生時代から貫く『情熱』と自動運転への想いを胸に、T2でどのような仕事をしているでしょうか。

藤巻 由太 技術開発本部プランニング&コントロールグループ グループリーダー

1983年神奈川県生まれ。横浜国立大学工学部、横浜国立大学大学院工学府を経て、商用車OEMの研究所へ新卒入社。2024年よりT2に入社。サッカーをこよなく愛し、現在は小学生チームの熱血コーチとしても活躍中。

「大きなものをコントロールしたい」エンジニアの基礎を築いた、前職である商用車OEMの研究所時代

─── まず子供時代のことを聞かせてください。どのような子供でしたか?

 社宅に住んでいたので、周りに同世代の子供がたくさんいました。学校から帰ってきたら、すぐに近くの広場に行ってドッチボール、サッカー、野球などで遊んでいました。サッカーを本格的に始めたのは小学校3年生頃で、中学生・高校生では比較的良い成績を残せていました。サッカーは今もずっと続けていて、人生で大事な1つのツールです。

 小学校時代は消極的であまり自分の思いを発しない、大人しい子でした。成長するにつれ、徐々に意見が言えるようになってきたと思います。
『勉強で負けたくないし、サッカーでも負けたくない』、根本的に負けず嫌いな性格なので、高校受験ぎりぎりまでサッカーをやりながら、要所要所のポイントを抑えて要領よく進めた結果、成績が伸び、奇跡的に湘南高校に進学が決まりました。今じゃ絶対入れないです(笑)
 高校入学後も部活でサッカーを続けながら、将来に繋がること・自分が好きなこと、特に数学や物理を勉強することを心掛けていました。

─── 新卒で商用車OEMの研究所へ入社されましたが、車への興味はどこから来ているのでしょうか?

 車というよりも、大きなものをコントロールすることに非常に興味がありました。乗用車よりもトラックや飛行機、バス、電車など、働く大きな乗り物に関する仕事をしたいと思っていました。難しそうな仕組みや、非日常感からトラックに興味を持ちました。
 就職活動を通じて量産開発だけでなく、自動車の原理原則をしっかりと学びながら、トラックの事故を抑制すべく先進的な安全装置に興味を抱き、商用車OEMの研究所へ入社を決めました。

 入社後はADAS先進安全機能の開発部署で、最初の3年間を過ごしました。
現在「横転抑制制御」という機能が量産開発されていますが、その技術の卵の開発を担当させていただき、トラックの一般的な動きや車両運動の勉強など、『トラックを開発するとはどういうことか』という基礎をしっかり学びました。

 その後、研究所から本体の商品企画部門、つまり車を作る旗振り役の部署に出向し、車を開発・量産する際のコストの考え方と、先進安全機能以外の部分について、3年間勉強させてもらいました。
 2015年に発売された2代目大型トラックのフルモデルチェンジに運よく立ち合うことができました。※1  前モデルからエンジン、ミッションも含めて、変更内容が多岐にわたったことで、車の構造全体を学ぶことができた充実した3年間でした。量産までは立ち会えなかったのですが、『どんな車を作るか』を決める上流企画から参画できたので、その経験は今に繋がっていると思います。
 その後研究所に戻ってから、車速制御から始まり、操舵制御、判断ロジックに取り組み、さらにはプロジェクトの全体をマネージする役割を果たしました。今振り返ると、自動運転システム全てを取りまとめていました。
※1 通常フルモデルチェンジは10~15年に一度

やりたいことを求めて新たな一歩を踏み出し、T2へ。

─── 充実した前職での業務。そんな中、T2に入社を決めたのはなぜですか?

 テレビ報道がきっかけでT2に興味を持ち始めました。T2は『いつまでに何を実現したい』という明確なゴールを決めて、猛スピードで技術開発、事業開発の両面を進めていました。そこに感銘を受け、自分のやりたいことも重なり、とても惹きつけられました。

─── T2の選考の思い出はありますか?

 絶対に入社してほしいというラブコールを受けたことが1番強く印象に残っています。大手企業だと隠しながら情報を引き出すような、探り合いが多いのですが、本当にストレートに回答してくれたので、非常に透明性があり、信頼できる会社だなと感じました。
 カジュアル面談後、一次面談、二次面談と、とんとん拍子に進み2~3週間で入社が決まったので家族も私も驚いていましたが、悩む暇も必要もなかったというのが正直なところです。
 私がやりたいことと、T2に入社して取り組めることが完全に合致していました。

─── 入社から4か月が経ちました。入社前後のイメージの変化はありますか?実際働いてみて感じたことはありますか?

 印象の変化はそれほどなく、むしろイメージ通り。意思決定の速さは、想像以上に速くて、最初はそのペースに付いていくだけで大変そうだなと感じました。ただ、それがあってのスタートアップですし、追いつき追い越せの感覚で、なんとか喰らいついています。
 開発に必要な機材購入について、大手企業だとだいたい1~2ヶ月、金額が百万、一千万を超えれば半年掛かることもあります。T2では必要だということをきちんと伝えたら、1週間も掛からないうちに判断が下る。この意思決定のスピードには非常に感心しています。

─── 現在のプランニング&コントロールグループでの具体的な業務内容を教えてください。

 自動運転ソフトウェアの機能開発をしているグループのリーダーです。私のグループは更にプランニングチームとコントロールチームに分かれます。
 自動運転は「認知」「判断」「操作」の一連の流れがありますが、私のグループはその中段の「判断」と「操作」を担当しています。
 認知(認識)チームで周辺車情報や自己位置情報を特定しており、その情報を貰って、プランニングチームが経路計画を生成する、『どこをどうやって走ろうか、車速はどうするか』などの判断をしています。
 そしてコントロール(操作)チームでは、そのプランに対して車をその目標値通りに操作するためのハンドル・アクセル・ブレーキなどへの指示を出している。これが私のグループの仕事です。

 私自身はグループリーダーなので配下の2チームのマネジメントをしていますが、コントロールチームのリーダー(テックリード)も兼務しています。というのも、コントロールチームはまだ人員が少なく、数ヶ月前は私1人だったので、まずはこのチームの体制を整えて操舵制御周りを改善することが重要なミッションの一つです。最近入ってきたメンバーと二人三脚で一緒に進めています。
 プランニングチームに対しては、実装には携わっていないものの、「こういうソフトを作りたい」という仕様書をプランニングチームのリーダー(テックリード)に伝え、作ってもらい、その確認などを行っています。

 他のグループとの連携も密接に行っています。自動運転システムとしては1つなので、ソフトウェアとして成り立たせるため、パーセプショングループやローカリゼーショングループとも頻繁にコミュニケーションを取りながら開発を行っています。
 ソフトウェアだけでなく、自動運転車として成り立たせるためにはハードウェアグループとの連携も重要です。更に自動運転トラックとして安全な走行が保てているか、評価・検証・シミュレーションを行うV&Vグループ(Verification & Validation)とも連携していますし、最終的な安全性の確保としてはセーフティグループとも連携しています。
 また、事業開発部とは『どのような実証で、どこをどう走りたいか』などの議論をしています。

モーションプランニングチームの打ち合わせ風景

─── ソフトウェア開発をしている中で、走行試験場に実際に足を運び、実車での試験に立ち会う機会もあるのですか?

 
JARI ※2 には入社直後の3ヶ月間は2週間に一度のペースで通っていました。当時はまだV&Vグループも人員が少なく、前職でも頻繁にJARIに通った経験があり、全体の段取り、ロードの積み方なども色々レクチャーしました。一部、V&Vグループの業務を継続して担当させていただいている関係で現在でもJARIに行く機会はあります。

※2 JARIとは財団法人日本自動車研究所(Japan Automobile Research Institute)のこと。T2のトラックはJARIが保有する城里テストセンターで実車実験を行っている。

リーダーとして冷静さと熱い思いを胸に、駆け抜ける現在

─── 仕事をするうえで、どのようなことに困難を感じますか?

 自動運転システムのGen1.1(バージョン1.1)の立ち上げが直近の課題でした。操舵制御が暴れるという事象の原因究明・分析ができないという課題がありました。私一人では解決できず、他チームに分析用ツールの開発や支援を依頼したところ、やはりすごいメンバーが揃っているT2。すぐに対応してもらい、本当に助かったことを昨日のことのように覚えています。
 そうやって周りに頼り、信頼関係を築くことで、私自身のやりたいこととやるべきことも徐々に明確になり、少しずつではありますが、私自身もチームも「回ってきた」という感触が持てています。
 先述のとおり、コントロールチームは人員が1、2人だったので全力投球で進めてきましたが、それだと持続性に欠け、チームとしても成り立たない。今後もいろんな人の協力を得ながら進めていきたいと、強く思っています。

 また、自動運転の開発手法は世の中で確立されていないものであるため、セーフティグループによる安全性実証と、私がやっているソフトウェア開発の両輪をきちんと回していかなければならないという難しさがあります。
開発がある程度できてから評価するのではなくて、同時並行でやっていかなければいけないスピード感。そこが非常に大変だと感じます。
 しかし、大変なのですが、やはり前職で感じていた大変さとは違い、自分の力いっぱい仕事ができるし、もっと仕事がしたいと思っています!

もっと仕事がしたい!

─── リーダーとして意識して取り組んでいることはありますか?

 メンバーの意見、主張はしっかり聞きたいと思っています。すべて聞けているかどうかはわからないですが、その人のやりたいことや嫌なことはきちんと聞いて、うまく調整することを意識しています。
 私を含めて5人のグループですが、メンバー各々の強い意志があってぶつかる時もあります。でも、目指すところは1つなので、最後はいいところに収束します。困難をみんなで乗り越えていく、チーム力は非常にいいと思っています。
 過去の経験を生かして、プロジェクトマネージャーとして全体の日程管理もサポートしています。社会人人生で学んだ重要なことは、『いつ何をしたいのか、そのために1週間後、1ヶ月後に何をしなければならないか』というブレイクダウン方式で考えることです。ブレイクダウンした細かい目標があるからこそ、「今日ちょっときついけど、乗り越えたら○○になる」という目標だけではなく先の姿を含めて伝えながら、配下のメンバーに業務を割り振ることも重要です。1~2日でも遅れれば全体スケジュールに影響が出るのでリスクを先読みして、今のうちからすべきことは何かを明確にしてメンバーに伝える。これが私のマネジメントのやり方ですね。

─── リーダーがプライオリティを考えて正確に出すという知見がマネジメント成功の秘訣ということでしょうか?

 私も技術すべてをわかっているつもりはないので、メンバーにヒアリングしますし、一部はテックリードにも権限移譲するようにしています。「こういう現状だから、進め方の正解はわからないけれど、いつまでにこの仕事を完成させるため作業順序はテックリードに任せたよ」というやり方を試行錯誤しています。権限委譲とそれを支えるコミュニケーションが大事ですね。         
 今振り返ると、こういったリーダーシップはサッカーをしていた子供時代からの蓄積もあるかもしれませんね。

─── これからどんな人と一緒に仕事がしたいですか。

 第一にマインドが大事だと思います。T2は運送業界における社会課題を解決していく会社なので、その思いに共感して実際に行動に移せるほどの熱い思いを持っている方と仕事をしたいです。そしてプランニング&コントロールグループの一員として運転や車が好きという人に入ってほしいです。
 この思いをベースに具体的なスキルについて説明をするとAI、C言語などに加え、Simulinkやコントロールと車両運動制御の経験がある方に来ていただきたいです。制御理論、最適化理論など必要な要素は色々ありますので、そういう知識と経験を備えた方に入っていただけると、非常に楽しく仕事ができるかなと思います。

メンバーの意見をしっかり聞き、着実にプロジェクトを進めていく

─── 藤巻さんから見たT2の魅力や強みについて、教えてください。

 転職のきっかけにもなったところですが、ゴールが明確なところは魅力であり強みです。世の中では技術ありきで進めている会社が多いのですが、T2には商業運用というゴールが明確にあります。ゴールを目指し、技術開発本部と事業開発本部が、hub to hubで一緒になって取り組んでいる。それこそがT2の強みであって、コアコンピテンスなのかなと思います。
 メンバーもかなり優秀な方がいて、物流の課題をなんとか変えてやろう、変えたい!という熱い思いを持っている。この2つがT2のコアバリューなのかなと思っています。

─── コアバリューの話題になりましたが、藤巻さんの好きなValues、もしくは心がけているValuesは何ですか?

 6つ全部好きですよ!特に『この瞬間に人事を尽くす』が好きです。
毎日多くのタスクがありますし、新たな問題が発生したり、その日のうちに問題解決しないと次の日が回らないということも多々あります。
ですが『この瞬間に人事を尽く』し、一つ一つを解決していくことで無事に次の日を迎えることができる。Valueを常に意識をしながら仕事をしています。

─── 最後に、藤巻さんがT2で叶えたい夢や目標を教えてください。

 自動運転を使った新しい物流サービスを作る、創造することが目標です。自動運転、無人運転は新たな創造なので、必ず成し遂げたいと思っています。一番早く確実に成し遂げられる会社がT2だと考え、飛び込んできたので、なんとしても実現したいです。
 そのサービスが、幸せな流れを生み、その過程で人と人との交流が生まれ、新たな幸せも生み出していく。T2の事業化を通じて、そのようなこと想像するとわくわくしますし、私もその流れを作り出す一人になりたいです。

T2では、一緒に自動運転の未来を創る仲間を募集しています。

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