【学び㊷冊目】不格好経営
【南場さんは経験主義者?】
今回は、南場氏がDeNAの創始者である事以外、事前情報全く無しの状態から読み始めましたが、まず一番最初に驚いたのは、本書の構成です。構成のほとんどが、自らのストーリーにフォーカスしているのです。
有能なプレイヤーは技術を語りますが、経営者は「コンセプト」を語ります。
経営者が本を出すことによって伝えたいのは、コンセプトです。少なくとも、名が知れていて、一定の成功を収めている経営者は間違いなくコンセプトを本で伝えます。(そもそも、成功していない経営者は本を出せないかもしれませんが。)
この経営者はどのようなアプローチで「コンセプト」を語るのか、そう思い読み始めると、まるで小説のようなストーリー展開が始まります。経営者の成功者のストーリー体験ではなく、「エッセンス」を求めに本を読みます。
ですが、この本はその全く裏を行きました。(それが良いか悪いかには言及しません。)
「経営の手法は、本人の能力、正確、会社の状況によって千差万別なので、誰かをまるっとモデルにすることは、ない」
直接的ではないものの、経験主義であることは、この発言からも認めているように思います。
【じゃあ経験主義者だから経営者としてはダメ?】
コンサルタントとして、プレイヤーとして活躍した経験を持つ彼女は、経営にも圧倒的な行動力で挑み、失敗を積み重ねながらも、少しづつ成功を積み重ねていき、DeNAという会社を作り上げました。
演繹的にマネジメントのコンセプトを全力で学びそれを実践して得た成功ではなく、失敗からの学び+圧倒的な行動料から得た成功のように感じますが、結果として演繹的な学習で得ることができたであろう結論の多くを得ることができています。かつ、知名度と言う名の成功も手に入れました。経験主義=悪、という訳ではないです。
とわいえ、演繹的に学習していく方が近道なのは間違いなく、この本から本当に学ぶべきなのは「経験主義であること」ではなく、彼女の圧倒的な実行力の部分です。
インフルエンサーの話を聞く際、特に「経験談」に惑わされてはいけず、「エッセンス」の部分だけに特に注意して聞く必要があることが重要です。
最後まで読んでくださりありがとうございます。