ウサギの避妊手術+再手術(腹壁ヘルニア)の話
■手術するかしないか問題
先代ウサギを子宮の病気で亡くしているので、正直今の子をお迎えすると決めた時点で手術をすることは決めていました。
ただ、ここで飼い主は麻酔や手術のリスクについてめちゃくちゃ葛藤する訳で、自分が「手術をする」を選んだ要点を参考までに書いておきます。
■野生とペットの違い
⇒うさぎは野生では1年の間でも発情と妊娠を繰り返す動物
⇒ペットとして飼うと妊娠する機会がない
⇒発情のホルモンバランスが続く事の負担(子宮の病気以外にも)を考えなければならない
■4歳を超えたメスのうさぎの子宮癌の発生率は50%以上と言われている
⇒高齢になったらほぼ子宮の病気になると思った方がいい
■うさぎへの麻酔技術は向上している
⇒昔のイメージで考えすぎてはいけない
■高齢になるほど手術リスクは高くなる
⇒基本的にはオス・メスともに生後6~12ヶ月を推奨されている
⇒今回は7ヶ月のタイミングで手術にした
あと、ウサギの手術はどうしても難易度が高くなりますし、少なくともウサギの避妊手術に否定的な病院には任せられないので、病院探しも重要だと思います。
例えばエキゾチックアニマル診療をしている病院とかでしょうか。自分はウサギのブリーダーさんから病院情報を聞いたりしてました。
■3/14(手術前日)(日)
■毛の生え変わり時期だったので念入りにブラッシング
⇒手術後は極力ブラッシングせずに大人しくさせてあげたい
■爪切りもしておく
■入院用にいつものご飯をジップロックに2食分
⇒病院でも出してくれると言われても、いつものご飯を
■ケージやトイレなど自身の匂いがついたものを入院時に使ってもらう
⇒病院側の都合もあるので事前に相談を
■ご飯は普段どおりしっかり食べさせておく
■3/15(手術)(月)
■12:00:血液検査・レントゲン
⇒この結果次第では手術見送り
■13:00:手術説明・手術同意書
⇒麻酔の手法などをしっかり聞いておく
⇒2021年現在の麻酔技術を調べた限りでは、吸入麻酔が基本の様子
■13:00〜14:00:手術
■16:30:術後の容態を電話確認
⇒『手術は無事成功しました』だけだとまだ不安
⇒『麻酔からももう覚めてます』まで聞けてちょっと安心
⇒1泊入院で退院は翌日予定
■3/16(退院)(火)
■09:30:病院から電話
⇒急変かと思って心臓が止まるかと思った
⇒体調安定してるので退院お迎えの話だった
■10:30:退院お迎え
⇒内服薬無し
⇒エリザベスカラー有り
⇒抜糸は1週間後予定
⇒食欲復活しなければ来院、点滴
⇒手術前検査、手術、入院全部合わせて¥36,300でした
■11:00:帰宅
⇒エリザベスカラーをしきりに舐めてて、ちょっと落ち着かない。
⇒水が飲めるか、ご飯が食べれるか、など抜糸まではまだ気が抜けない。
エリザベスカラーに不満そうなご様子。
エリザベスカラー、内服薬、抜糸は手術手法によって有無が変わりそう。
■3/17(水)
■少しずつ元気になってきてる雰囲気はある。
⇒食欲は5~6割って感じ
⇒うんちはまだ小さいけど数は出てる
⇒隅っこで丸まりがちなのは、きっとお腹の傷が痛いんだろうなぁ…
■エリザベスカラーが一番厄介
⇒単純なストレス以外だと…
⇒耳が擦れてちょっと赤くなってる
⇒食糞しようとしてエリザベスカラーにうんちがついたり
⇒水とか食べ物が食べにくそう
⇒耳の傷が悪化を防ぐために普段はエリザベスカラーを外して生活
⇒外してる間はずっと横にいる前提。
⇒出かけるときとか目を離すときはつける。
⇒事前にソフトタイプのエリザベスカラーとか取り寄せておくべき
⇒病院でつけられたのはプラスチック製だった
⇒給水ボトルはボールタイプが良さそう
⇒お皿タイプのディッシュドリンカーはエリザベスカラーが邪魔で飲みにくそうだった。
■3/18(木)
■少しずつ元気になってきてる雰囲気はある。
⇒食欲は8割って感じ
■糞も少し小さかったり形が不揃いだったりはするけど、数はちゃんと出てるし改善していってる雰囲気。
エリザベスカラーは耳へのダメージが大きいので縁の部分を医療補助テープでガードしてみた。
■3/19(金)
■食欲と糞の状態はほぼ元通り。
■顔つきも普段の元気に戻ってる感じだけど、横になってる時間は長い気がするからまだまだ様子見。
■3/20(土)
■前日とあまり変わりないかな?見た目は元気。
■3/21(日)
■だいぶ元気になった。お腹をガードしてる感じもだいぶ無くなったかな。
■手術前よりも食欲が増えてる気がする。1.5倍くらい。
⇒避妊手術後は太りやすいとは聞いてるので、抜糸終わって落ち着いたら食事量ちょっと減らそうとは思ってる。(代わりに牧草食べてね)
■3/22(月)
■調子はいつもどおり。(食欲は相変わらずマシマシな感じ)
⇒逆にいつもの調子に戻りすぎて、ケージをジャンプで飛び越えて外に出そうな雰囲気まで出てきた。まだやめて。お願い。
■お腹の傷もだいぶ小さくなってきたかな。
■3/23(抜糸予定⇒腹壁ヘルニア発覚⇒再手術)(火)
■抜糸予定の検診
■触診の結果異常が発覚
⇒避妊手術では肌の外側を縫う糸とは別に、腹膜などの内部を溶ける糸で縫っている。
⇒どうも内部を縫っているはずの糸が解けている可能性が高く、腹膜、腹筋の隙間から臓器が少し飛び出るような、いわゆるヘルニア状態になっている。
■病院側としては医療ミスという認識で、すぐに再手術した方が良いという話に(費用は全額病院負担)。
⇒こちらも費用とかはどうでもよく、どうすれば助かるかという話。
⇒短期間での2度の手術という点に不安・心配は大きかったが即日再手術に移ってもらった。
■一応書いておくと、病院側は医療ミスという認識でそれ自体はそのとおりだとしても、手術をお願いしている時点であらゆるリスクがあるとは思っています。
⇒また、術後のヘルニアに飼い主が気づくのはかなり難しいと思う。
⇒抜糸のときや術後検診のタイミングなどではしっかり触診してもらうように、念の為お願いしたほうがいいのかもしれない。
■3/24(再手術退院)(水)
■退院
■手術自体は開腹しての、お腹の中の整復+縫合手術短期間での2回の手術
⇒麻酔は吸引麻酔のみで、1回目の手術と比べれば軽い内容。
⇒ただ、短期間での2回の手術ということで、様子としては1回目と同じくらいの負担にはなっていそうな様子
■食事、糞は平時に近い様子
■3/25(木)
■食事、糞の面では比較的元気。
⇒できるだけ回復にエネルギーが回せるように、細かく複数回に分けてご飯をあげてた。
⇒アニマストラスやバイタルラビットなど、体力消耗時向けの高エネルギー食品を少し多めに。
■ただ、1回目の手術と比べても横になってる時間が長め。(特に夜)
■3/26(金)
■前日と変わらないかとおもっていたが、夜にかなりぐったりした様子を見せた。
⇒正直、もうダメかもしれないと思った瞬間が深夜に何度かあった。
■3/27(土)
■極力隣にいるようにして一夜明け、どうにか乗り切った様子を見せる。
⇒ぺたんと横になってるときが普段より多い感じはするので、回復しようとしてる感じではある。
⇒食欲、糞はこの日も前日も平時並みだった。
■昼、夜ともに比較的元気な様子になっていたが、人間側が落ち着かなくて結局この日も寝れずに夜通し様子見。
⇒うさぎが落ち着かないのも良くないので、出来るだけ放っておくようには頑張ったけど…。
■3/28(日)
■ちょっと質問もあったので病院に連れて行って検診
⇒Q. 手術痕の周りの肌が黄色いのは消毒液?内出血?
⇒A. イソジン系の消毒液の跡。
⇒Q. 手術の縫い目のところの肌が固く、内部からの盛り上がりを感じる。ヘルニアの再発というわけではない?
⇒A. 今回腹膜をかなり細かく縫っており、これによって内部から少し盛り上がっている。触診した感じでも腹膜の隙間などは無さそうで、ヘルニア再発は無さそう。
■検診で色々聞いて、不安部分が一旦解消。
⇒本兎も比較的元気な顔をしてる上、人間側が倒れちゃいそうなので仮眠を取りつつ様子見。
■3/29(月)
■食欲、糞も普段どおり。
⇒手術後はむしろ食欲が増えてる感じだったが、若干いつもどおりくらいの食欲に戻り始めた印象。
■3/30(抜糸)(火)
■抜糸(5~10分くらいで完了?預けて待合室で待ってたけど、なんか一瞬だった気がする)
■エリザベスカラーがようやく外れた。
⇒耳がちょっと痛々しい。早く毛が生え揃えばいいけど…。
■手術痕の周りはまだ比較的熱を持ち気味な印象はあるので、しばらくは回復に専念してもらおう…。
⇒部屋の中での運動はしばらく我慢してもらう
⇒ご飯はもうしばらくは高エネルギーにしてあげる
⇒避妊手術後は太りやすいとは聞いてるから、いずれは少し控えめにするつもりだけど…。
以上、長々となりましたが避妊手術と、それに伴う腹壁ヘルニアの手術のお話でした。
特に腹壁ヘルニアの事例は最近の症例としてどの程度多いか不明なので、今後うさぎの避妊手術をするうさ飼い仲間の参考・助けになればと思っています。