vol.159「自分の意見、価値観を持つこと。アズカバンの『壁』は自分で作っている。」
政近準子さんの主催する学校「メタファッションジャパン(通称MFJ)」で学んでいます。2021年1月の「0期」から、通算4回めの受講です。
今回のテーマは「ハリー・ポッター」でした。
◆大の大人が本気で苦闘する学校
テーマ「ハリー・ポッター」ってなに?どういうこと???
授業はすべてオンラインで、数日前に課題が提示される。課題に沿って当日その装いで参加し、授業の中でショートプレゼンタイムがあります。
「課題」の一部を抜粋してご紹介。
「自分自身が超えたいと思っている何か」「自分のお役目、存在感のバランス」「人との違いを表現する」―。
「ファッションの学校」と聞いて、「何の勉強しているか当ててみて」と言われても、なかなか当たらないと思います。
毎回、ものすごく考えさせられる、というのか、脳に負荷のかかる授業で、とにかくエネルギーを使う授業です。この点は私の思い込みではなく、ほかの受講生の方々も同様のことを再三述べています。
大の大人が、仕事でもないのに真剣に取り組んでいる。自分の自由意志で参加してるのに ふうふう言いながら、冷や汗をかきながら、課題と格闘する。「自分の人生をこのまま過ごすことのリスク」「一言で言えない教室の価値」を理解しているからだと思います。
◆アズカバンの囚人「自分が作っている壁」
今回のテーマ「自分を超える」から、考えたこと。学校の定義する6つの切り口「TPPSOM」でいえばM:マインドにあたる部分です。
マインド:とにかく振りきる。そして楽しむ。調和やバランスを考えずにやる。苦手、遠ざけていたことをやる。場に貢献する。自分の課題作品を実サンプルとして提供する。口火を切る。質問する。フィードバックする。
装いの準備においては、
・これまでやってなかったことをやる(アクセサリ、つけ毛)
・アイテムを古着屋で1つ買い足す、
と条件設定した。
基本的には持っているアイテムで組み合わせを考え、映画写真(ゲイリー・オールドマン)と見比べて、シャツを買うことにする。
授業当日の日中に古着屋巡り。洋服屋が集中しているエリアでGoogleマップを見ながら次々と入っては出てを繰り返す。15軒まわって最初の店に戻り、1着を選んで購入した。この日の最高気温37℃。ペットボトルの水を飲みながらの徒歩です。
15軒の在庫を合計すると、2千着だろうか。3千着だろうか。サイズまで含めると、探す「仮定のシャツ」はなかなか見つからない。ある意味で純粋に確率の問題だから、定期的に覗いて、たまに見つかるぐらいのものなのだと思い知らされた。
そのエリアの、各古着屋に入ったことはほとんどなかったけど、どこにどんな路線のお店があるか、一気に把握できたことは大きな収穫だ。アメカジないしストリート系が多いけど、ヨーロッパ(東中欧)やアジアからの輸入品を専門に扱っているお店もあって、面白かった。
「長いあいだ避けていたことを、行動に起こしてみたら思ったより大したことがなく、乗り越えた、という経験は誰しも持っていると思う。
アズカバンの刑務所の壁は、自分が作っているのだ。
◆何を表現して、何を省略するか。
テーマ「自分を超える」から、
・自己開示すること。今日までの根源をなすエピソードに由来すること
・リンクはメタファー、暗喩的に表現※すること
・「プレゼンってこんなもんだよな」は捨てて、振りきること
と定義した。
内容はエモーションに訴えるものではあるけど、直感・即興ではなく、書き出して推敲する。
一文、一語を入れるか、削るか。各文の順序。間(ま)の取りかた。滑らかに話すか、区切り区切り話すか。何を説明して、何は説明しないか。
40秒という短いプレゼンでは、こうしたことがとても大切だ。
シリウスとハリーの関係をなぞらえての内容だけども、その説明(言語化)には時間を割り当てず、話すのと同時進行で、終わった時点でわかるように組み立ててみた。
結果的に、ほかのどの受講生メンバーとも似てない、自分の言葉によるプレゼン、「人との違いを表現」した。と思う。
そもそも自己開示そのものが好きではなく、そうそうするべきものでもない、と思って生きている。
今回のお題は、「自己開示が苦手という課題を超えて、開示する」という、入れ子構造=マトリョーシカのようになっていた。
◆恐れは自らが作り出した幻想。
課題「ハリー・ポッター」が生み出した"絵"の持つ力は、政近さんのnoteを見ていただいたら伝わると思います。集合と分散、違う人格が同じテーマで装いを考えて集まったその多彩さ、雑多さ、美しさの持つ力だ。
「大の大人が本気で苦闘」しながら取り組んだからだ。
取り組まなかったからと何の罰があるわけでもないのに、課題をやりきる。課題のメドが立たなかったら、授業当日を迎えるのに憂鬱になる。この構造は、好きになり尊敬する師たちが、共通で引き起こす現象だ。彼ら彼女らは、相手の脳内に幻想を見せるプロフェッショナルだとも言える。人は、自分の脳が創り出した幻想や迷い、恐怖と戦っているのだ。
快適で楽しくて充実感を感じるような場は 学びが小さい。学ぶなら恐れやストレスを感じる場だ。価値を見逃さず掘り出すような学校だ。
そのためには、すべて理解はできない場に身をおくこと。自分では作り出せない空気をまとっている人に師事することが、重要なのだ。
今回 プレゼン内容を検討してて、ハリ―・ポッターの誕生日が昨日(1980年7月31日)だと知りました。またWikipediaによると「2024年7月11日に日本記念日協会に正式登録された」とあります。同協会のトップページ 「新しく登録された記念日」に載っていました。知らなかった。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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