vol.189「閑話休題:細かいことに気づく能力、忘れない習性」
誰にでも、「特に実益のない、人より優れた能力」(または 習性、くせ等)があると思います。私の場合、「細かいことに気づく、またはいつまでも忘れない」がそれです。
◆新しいものを敬遠する心理
前段で、習性として「新しいものをあまり好まず、敬遠する心理」があります。具体的にいうと、映画・マンガ・小説・音楽などなど全般、新しい作品を観るより、すでに内容を知ってる作品を何度も繰り返し観る・聴くことを好む、といったことです。
これがビジネス書だと、インデックス的に使う気に入った一部の書籍を除いて、繰り返し読むことはなく、新しいものを手に取ります。シゴト(自己研鑽など含む)だと飽きっぽく次に行く、エンターテイメント(非・シゴト)だと飽きずに繰り返す、ということかと自己分析しています。
会社における狭義の仕事に対してはたしかに飽きっぽく、一度自分で出来たことは二回目から人に振る、苦手(嫌い)なことはそもそも練習すること自体イヤなので、当てはまっていると言えます。
◆細かいことに気づく習性
そんなわけで、たとえば中古書店に寄ったときも、「むかし読んだ名作のクライマックス」を読み返したりしています。すべての場面を覚えるぐらい読んでるから、確認作業にすぎないわけですが、それでもつい引寄せられるということです。
「子ども(少年)時代に読んだ同じマンガ(同じ雑誌)を大人になっても読む」のは、男性に多い現象だそうです。女性だとほとんど無いのだとか。過去を懐かしむメモリ保存脳か、リセットする現在(未来)志向脳か、といったタイプの違いがあるのかもしれません。
昔のものを繰り返し確認する習性に加えて、こまかいことをわりと覚えている(忘れない)という能力(?)があります。男性の友人どうしでも「よく覚えてるなぁ」と呆れられるものです。
そんな次第で、読んだマンガの中から。
◆脇役の妙。
大人気バスケマンガ『スラムダンク』には魅力的なライバルが多く登場します。県予選トーナメント最大の壁が翔陽。強気のキャプテン藤間と4人のビッグマンの強豪校です。うちの弟は子どもの頃、「翔陽戦が一番いい」と言ってたように思います。(ちなみに『銀河英雄伝説』で好きなキャラ=フレーゲル男爵 なので、全体的に渋い趣味ではある)
「ビッグマン」の一人が永野満(ながのみつる)で、終盤まで主人公・桜木花道を苦しめました。
同じ井上雄彦さんの名作『リアル』に、「ナガノミツル」(長野満)というキャラクターが登場します。この「翔陽の永野」のパラレルワールドとして、Wikipediaにも紹介されています。
ここまではまとめサイトにも載るぐらいですから、『リアル』ファンなら知っていることかと思います。
その『リアル』と『スラムダンク』に、もう一組、同じ名前のキャラクターが登場します。「関くん」と「柾(まさき)」くんです。
三人の主人公のひとり「野宮」くんの高校の後輩で、バスケ部では「野宮派」とみなされ、少数派で浮いてしまいます。
『リアル』の物理的なテーマは「車椅子バスケットボール」だけど、そういう「いじめを受けるとはなにか」や「障害があるとはどういうことか」を描く技倆。読んでて後ろめたさに襲われる、むず痒くなる、居心地が悪くなるあの感覚=つまりリアルさも、「さすが井上雄彦さん…!」と感じます。
◆一コマの妙。
その関くん柾くんが、『スラムダンク』に"登場"するのがこちら。
退部届けの一番上に「関」、一番下に「柾」。作品を超えて、見た名前が並びます。
このことはWikipediaの『スラムダンク』のページには載っていません。細かすぎて気にしていないか、まだ誰もたどりついていないのか。
Google(パソコン)ではヒット4件でした。
うち1行目の「Yahoo知恵袋」では、私と同じことに気づいた人がシェアしていて、それに対して「パラレルワールドというほどではなく、単にキャラの名前の使い回しでしょう」と冷静なコメントが入っています。
いずれにしても Google で「4件だけヒット」させようと思ったらなかなか難しいから、大多数の人が気にも留めない・実益のない事柄に気づく、という性質は変わらず持続しています。
そうか、関くんは「健太郎」、柾くんは「太造」というのか。よく似合ってるな。柾くんは事情があってか、たしかおじいちゃんおばあちゃんに育てられているのだったと記憶している。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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(ご参考)「ご案内:個人事業で提供するメニューと、提供できる価値(2024.1版)」