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vol.190「若い人の前で話してと言われたら:学校の授業で教わらないこと③人。」

「ここまでの半生をふりかえって、ここはもっとこうしたかったこと」と尋ねられたら、ひとつはまちがいなく「勉強するテーマと始める時期(を並び替えたい)」が挙がります。
「学校の授業で 1秒も教えてもらってないのに生きていくうえで 重要なこと」です。

すこし前に若い世代(就活学生世代)の方向けに喋る機会があり、自社のPRや自分語りをしても仕方ないと割り切って、「学校の授業で教わらないこと」をいくつか、ミニ講座形式でお話しました。

当日話した内容を、すこし整理しなおして、何回かにわけてシェアします。

テーマ 3つめは「人」です。


昔から「ヒト・モノ・カネ」と言います。この「ヒト」はオーナーから見た経営資源=「人材」「組織」「モチベーション」という意味合いで使われます。
個人のレベルに置き換えて、ここでは家族・友人・何かを習う先生など「人間関係全般」と定義します。

◆どう捉えるか。

「人間関係」を形づくる要素を、定義してみます。

①「人づきあい」

人づきあいは、突き詰めると「何を取って何を捨てるか問題」に行きつきます。人間の使える時間が一日24時間と決まっているからです。
学生なら同級生と、社会人なら同僚と、食事に行けば2時間使います。
食事に行くかわりに一人ゆっくり過ごす。勉強をする。本を読む2時間は失われます。
単純にどちらが良い悪いではなく、「いま何をやっているのか」と考えることが大切なのです。

②「ギブ&テイク」

「ギブ&テイク」という言葉があります。
私自身の経験から、また、世の中で結果を出している人の話からも、先にギブするほうが後のリターンが大きい、と言える。「先に助けてくれた人」「損できる人」という評価を(無意識にでも)受けるからでしょう。
言葉からして「ギブ&テイク」ですよね。「テイク&ギブ」とは言わない。
人の役に立つ、貢献するほうが先。汗をかくほうが先、と心に留めおいてください。

③「人脈」

「人脈」は あてになりません。正確にいうと「人脈をあてにして作戦を立てるとたいてい失敗する」という感じ。「よーし、人脈を作ろう」と思って作れるものでもない。すくなくとも「今までに名刺交換した人(いまだとSNSでつながった人)の数」とは関係がない。
礼儀正しく誠実に振る舞うか、小さな約束を守るか、人に好かれるキャラクターを磨くかしているうちに、結果的にできるものです。
精神論や、道徳、善悪の話をしているのではなく、人間の心理がそういうものだ、ということだと思っています。

④絞れていくものである。

人づきあい、人脈形成、どう呼んでもいいけれど、「すべての人とまんべんなく仲良く」は、うまく行かったことがないです。誰からも嫌われない イコール 誰からも愛されない好かれない、という感じ。

大切な友人とか一生の付き合いとかにかぎらない、仕事でもそうです。
もし会社という組織の中で、有意義なこと(正しいこと、と言ってもいい)をやろうとしたら、摩擦・反発は必ず起こる。起こらないなら大した行動ではない、と言い換えてもそんなに間違いない。摩擦を起こしながら難題に取り組んだり、反対勢力と衝突しているから、濃い応援団もあらわれる。
人との関わりは「絞れていくもの」「かならず濃淡があるもの」と覚えておくとよいです。

⑤とにかく、感じよく。

「絞れる」と矛盾するようだけど、基本的に「感じよく」すること。
礼儀正しい・笑顔/真剣な顔・ハキハキ・テキパキする。基本の基本です。
仕事なら、新人で内容が判らないまでも、判らないからこそ、質問する・メモを取る、も含まれるでしょう。
「感じよく」して損をすることはまずありません。感じ悪くすることはいつでもできる。
迷ったら、友好的な態度を取る。判断できないときは判断を保留する。「保留する」というとネガティヴな印象がするけれど、「選択肢を簡単に減らさない」ということです。

⑥人的環境は「強く効く」。

周囲にどんな人がいるか、どんな人と付き合っているか、行動・会話しているかは、環境そのものです。
お金は、ふだん口座に入ってるデータだから、起きているあいだ触れることはない。影響を受け続けることもない。(※お金が無くて貧困の場合は別です)
時間は、すべての資源だと言えるけど、目に見えない。そのものは無色透明で、「時間は存在しない」という説があるくらいです。
つまり、「お金」「時間」そのものは悪さもせず、直接の良い影響もない。
人間関係はちがいます。直接影響を受けます。酸素ボンベを吸うように、マイナスイオンを浴びるように、微量の毒を吸い込むように、影響を受けます。人によって千差万別で、同じもの(同じ状況)が二つとない点も大きな違いです。

⑦「変えられないか?」と考えてみる

こうして考えると、社会で出会う、ハラスメントの上司 。毎回長話になる友人。いつも同じ話題の職場の飲み会。
付き合いを続けるべきか、ほどほどにして断るか。少なくも「検討の余地があるのだ」とわかります。
「もし会社を辞めても重要視するだろうか」と考えたときにそれでも大事なことは、そうそうありません。

◆まとめ

「人づきあい」とは、本質的に取捨するものである。そして最大の環境であり、大きな影響を受けるものである。
「人脈」は、後から結果的に形成されるもの。リスクを取るのが先。
捨てられない、変えられないものはそうそうない。

「人間関係」は、世界・日本・組織の外・組織の中、半径5メートル。あらゆる単位(コミュニティ)で発生します。空気のように存在する。
その点は「お金」「時間」と似ているけど、その影響の受け方、また同じものが無い、という性質はまるで違います。いちばん取り扱い注意で、いちばん教えてもらえず、自分で学んでいくしかないことかもしれません。


ミニ講座「学校では教えてもらえないこと」は、自分でいうのも変ですが非常に好評でした。
話し方、より伝わる順番や項目立てをブラッシュアップしながら、テーマを揃えていく予定です。
次回は「価値は何によって生まれるのか」をお届けします。
 
 
最後までお読みくださりありがとうございます。

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