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vol.120「先にほめる。『結果に対する報酬』ではなく『期待に対する先行投資』:ほめ達 西村貴好さん」
「ほめる」は、「話を聴く」と並んで、難しいスキルのひとつです。
「指導する」もちゃんとやるのはもちろん難しいのだけど、まだ「なんとなく形にはなる」。「良いほめ」を研究して試行錯誤している管理職はあんがい少ないと感じています。
過去読書メモより、『結果を引き出す 大人のほめ言葉』。
「ほめ達」ことほめる達人、西村貴好さんの著書です。
◆「ほめるところがない」は、単なる怠慢。
付箋箇所より一部抜粋。
・結果が出てから「ほめる」では遅いのです。結果が出る前から「ほめる」から、結果が出るのです。
・愚痴には判断を入れず共感を示す
・①目を見る②うなずく③あいづちを打つ④繰り返す⑤メモを取る⑥要約する⑦質問する⑧感情を込める
・何がすごいのか、どこが素晴らしいのか、きちんと考えて言葉にする
・面と向かってほめるのではなく、ほめ言葉が間接的に相手の耳に入るようにする
・叱るときは口頭で、ほめるときには書いて渡す
・部下や後輩の失敗に対しては、あらかじめ言う言葉、態度を決めておく
・「ほめる」というと大きな出来事が起きるまで伝えてはいけないと思いがち
・「事実+ありがとう」はほめ言葉界の横綱。この「事実」は、小さいほどいい
「ほめる」に関する「二大あるあるカン違い」は、
1.素晴らしいことでないと、ほめてはいけない
2.コイツは(他者と比較して)ほめる所がない
だと考えています。
別の言い方をすると、「ほめるエネルギー(労力)に見合った内容でなければ、ほめたくない」というカン違い。「ほめる」ことにコストは1円もかからないにも関わらず、です。
「ある人間に ほめるところが一つもない」は、確率的に起こりえません。ということは、「あいつはほめるところがない」と言っている上司は、「私は怠慢な(無能な)上司です」と公言しているのと同じ。とほうもない傲慢、といっていい。
『結果が出てから「ほめる」では遅いのです。結果が出る前から「ほめる」から、結果が出るのです。』がすべてだと思います。
意識していなかった視点です。
結果(事実)が起きたあと、「どこがよかったのか考えて言葉にする」はこだわってやっているほうだと自分では考えている。それにしたところで、十分かどうかは相手に聞かないとわからない。そもそも「これで完成、ほめ道 最終形!」ということは永久にやってこないのだと思います。
「ほめる」とは「結果に対する報酬」ではなく、「期待に対する先行投資」である、と受けめました。
※おすすめの一冊です。読まれたことのない方、特にリーダー、管理職の方、ぜひ手にとって見てください。
◆「運」「流れ」は説明可能な現象。
読後感想をSNS投稿したところ、西村さん御本人からコメントを頂きました。
「ほめ達!」が一番伝えたいことは、
「ほめる」は人の為ならず・・・。
「ほめる」ことを他人のコントロールに使わない!というのが最も重要なポイントです。
そして、この内容は、本だけでは伝えられない部分でもあります。
ご興味を持っていただき、さっそくの行動に心から感謝です。
このすこし前に別のセミナー会場でお会いして友達申請でつながったと記憶しているのだけど、ご覧になっててコメント入れされる細やかさも素敵だなと感動しました。
「本では伝えられない部分がある」。ライブで聴けたりするのかしら…。ためしに検索したら、近々、講演が行われることを知りました。これは「受講しなさい」ということだと考えます。即、申し込みました。
「言霊」や「運(流れ)」そのものは、科学では証明されていないと思います。けれど、それらしき説明を試みることはできます。つまり、
①解釈するのは常に人間の脳だから、行動を選択したい人には『流れが来ている』になる。
②選択の結果が良ければ(良いと思い込むことで)、『やっぱり良い流れだった』となる。
といったことです。
◆講演会での学び:マイナスのときこそみられている。
当日のメモより。
・「学習性無力感」に陥るのは、小さな失敗の繰り返し。
・「成長しない」という選択をする。成長=変化はストレスだから。
・心は筋肉と同じ、負荷をかけ、回復するとき強化される。
・上司は部下の前で、得意なことばかりやる。新しいことは出来ない、ぎこちない=かっこ悪いから。
・「ぎこちないことに挑戦している、かっこ悪い姿こそが格好いい」という文化をつくる。
・成長しない仕事はない。つまらない仕事はない。
・成功したいなら環境を選ぶべき。幸せになりたいなら環境を選ぶべき。
・環境とは、付き合う人。
・24時間「ほめ達」のことしか考えてない。同時に、普通ではないと分かっているから周囲に強制しない。
・仕事の成功で家庭での失敗は補えない。
・教育の目的は独立させること。
・付き合う人は、使っている言葉。
・人脈の扉は内開き。内側に把手がある。
・使う言葉を変えていこう。
・人はアクションとリアクションを見て判断される。
・マイナスのときの反応を決めておく。
・「事実+ありがとう」は強力なほめ。事実は小さいほど良い。
・ほめることの究極は、生きていることの感謝だ。
・この世で「絶対」は一つだけ、いつか必ず役目を終えて死ぬこと。
・誰のお世話も受けなかった人(ひとりで生まれた人)というのはいない。
・承認欲求、まわりの人からの承認では満たされない。
・靴(くつ)のなかの小石で苦しんでいませんか。
・苦楽は半(なか)ばにする。
・微力と無力はちがう。
・記憶のマネジメントがすごく大事。
・すべての行動はテストマーケティング。プランAがプランBになる。
・目の前の一歩が踏み出せる、目指すべきところがあるのはすでに幸せ。
・人生のなかのタテ糸(経)をみつける。
・失敗はない、すべては気づき。傷(きず)か気づき(きづき)か。
・ほめずに、ほめる。
・時間をかけて発酵する、と時間をかけて腐敗する、のちがい。
たとえば本の著者、高名な起業家、いわゆる偉い方で、信頼したくなる人(≒ファンになる人)の共通項として、
1.講演や交流会で、他者の悪口をいわない
2.尊大にならず、卑屈でない。卑下しない
3.ステージを降りても、態度が変わらない
という共通項があります。
西村さんも、当てはまる人だとすぐわかりました。
・講演終了後、「山下さん、参加いただきありがとうございます」と西村さんから声をかけられた。(びっくり。あわてて立ち上がり、応答・返礼)
・懇親会場への移動時間、ほぼリピーターの方々の中にいるのを察知して、再度声かけ+いろんな話題を振っていただいた。(しかもトーン・温度感がごく自然。気を遣わせない気遣い、だと思う)
・セミナー終了後、ひとり黙々と(淡々と)使ったホワイトボードを、きれいになるまで消していらっしゃった。
90分間で何十回かうなずいたけど、なかでも「人はアクションとリアクションを見て判断される。だからマイナスのときの反応を決めておく」は本当にそのとおりだと思います。
アクション:順境にあるとき、それらしく振る舞うのは、例えば紳士的でいるのは、簡単です。
リアクション:予想外のことが起きたとき、理不尽な逆境におちいったときの態度で、その人となりが露呈してしまいます。
人の真価は逆境のときにあらわれる。だから、マイナスの事態での反応を決めておくと(あらかじめ練習しておくと)、準備してない人より、有利になる。
終了後の懇親会まで含めて、学ぶことの多い、ぎゅっと詰まった良質な時間でした。
懇親会で隣になった方と話していて、あらためて整理できたこと。
・人間が、つねに合理的行動を取り、意思の強弱のない生き物なら、洗面所の日めくりカレンダーで事足ります。「謙虚であれ」「感謝しなさい」「挨拶しなさい」。
・そうではないから、外の世界に出る。人の口から、たとえば西村さんのようなその道の一流のプロから話を聞くことで、刺激を得ている。『行動を起こす納得感』を手に入れている。コストをかけている。
どちらが良い悪いとか、上等であるとかでは無しに、会社員/サラリーパーソン以外の世界との接点を持ち続けておくことは大切ですね。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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