vol.134「七夕伝説に見る『人間の考えることは似る』現象:自分の見立てを持とう」
七夕ですね。梅雨が明けないうちから猛暑、どうなってしまうのかと心配な一週間でした。
◆神さまは、罰を与える。
彦星と織姫(牽牛と織女)の物語。どんなお話だったか思い出すため、ChatGPTに質問してみました。
なるほど。日本では男女とも神様、中国では男は人間なんですね。
追加質問してみました。
読んでいただくとわかるように、「こちらの言ったことに合わせてもっともらしく」「再引用して回答を返す」点には注意が必要です。※前述の1ターン目よりも詳しくなっており、単に繰り返しているわけではない。
また、再々質問すると 日本版でも「働かなくなったことへの天帝の怒り」のくだりを含めて教えてくれます。
ChatGPTを用いるときは「何度か表現を変えて深堀り質問する」必要があります。
いずれにしても「神(最上位の神)が怒って罰をくだす」物語です。
洋の東西、という表現は古いけど、ギリシャ神話、また一神教の聖書にも似た話が多く存在します。
神さまは人間(下位の神)に罰をくだすのが好きなのだな、と感じる。
そして、凡庸な人間の感覚では、犯した罪よりも与える罰のほうが重い、大げさだと思います。(町ごと滅ぼす、世界を洪水で沈める、戦争を起こさせて見物)
◆人間の考えることは、似る。
前述のお話のつくり、Wikipediaにもおおむね同じプロットが紹介されていました。
ただ、子どもの頃に何かの本で読んだのはすこし違って、いわゆる「羽衣伝説」がメインになっていました。※この記憶自体、後で作られたor強化された可能性あり。
引き続きChatGPTに質問してみました。
羽衣伝説は、手塚治虫『火の鳥』にも登場していました。七夕と関連づけられていたか記憶があいまいです。
さらに「七夕 羽衣伝説」で、Google検索してみると、
・夫が天に帰った妻を追いかけ、再会する
・神(天帝)が男に仕事(瓜畑の管理)を与え、「瓜を食べてはならない」と命じる
・瓜を食べてしまい、下界へ戻され、天の川で隔たれる→年に1日だけ会える
というパターンがあるようです。
『「何々を食べてはならない」と制約を課されるがつい食べてしまい、引き離されて、年の限られた期間だけ会える』というお話は、これも各地の神話に登場します。
古事記のイザナギとイザナミ、ギリシャ神話のペルセポネとデーメテール。そして牽牛と織女。各執筆者のあいだでメールかなにかで見せ合いっこしていたのでは、と思わせるほどよく似ている。
(※ここでも、手の届くところに置いておいて禁じる=試すあたりが、「神様は基本的にいじわるなのだ」と思わされるところです)
ただ、たとえば織女の伝説の一番古いものは紀元前数百年前にさかのぼるようです。シルクロードが開通したのが紀元前2世紀だそうで、どちらも正しいとすると、伝播したのではなく東西それぞれで生まれたことになります。※ギリシャ神話は紀元前10世紀~15世紀にさかのぼるそうなので、逆向き(牽牛織女→ペルセポネ)も無さそう。
この物語にかぎらず、世界各地の神話や伝承を読むと、「人間の考えることって本当に似通うものだな」と、率直に感動します。
以上、「七夕」について、ChatGPTを使って調べてみたら、、、というシェアでした。
ある2つのものを比べて、共通点を見出して言語化してみる。差異点を取り出して整理してみる。習慣として、というよりは癖(へき)として、時々やっています。
すでに言われていることですが、ChatGPT/生成AI は質問の仕方で回答が変わる。もっと使いこなしている人だと、もっと引き出せるのだと思います。「ITは能力の差を埋めるのではなく広げる道具」の側面です。
しかし拙くても荒削りでも、「自分で一度調べてみる→自分の見立て=意見を持つ」訓練をすることが重要だと考えています。
調べる→自分の見立てを持つ→専門書を読むか、他の人の発信を見つける→自分の見立てを上書き更新する、の繰り返しなのかなと思っています。
最後までお読みくださりありがとうございます。
メモ:
澤円さんVoicy「APAホテルの元谷社長はやっぱり素敵だった。」
元谷芙美子氏の「私が社長です」は商標登録されているとのこと。知りませんでした。ご家族で会社を経営、またご夫婦仲が良いそうで、こちらは引き裂かれなかった織姫と彦星のお話でした。
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