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vol.010「好きになる先生の共通点。」
「距離が遠く、居心地の悪いほうがいい話。」、続き。
「尊敬できる先生」「師事が続く人」の共通点、というものがあって、整理してみました。
1.ステージ上と降りた後で、態度が変わらない。
出会って、好きになった先生たちの、例外なく共通する点。
カメラの前では愛想よく→陰で仏頂面、壇上では礼儀正しい→降りたらゆるむ、ということがない。
かならず低姿勢、常に笑顔、という意味ではなくて、態度を変えない。最大のキー、「一貫性」だ。
2.メニューに値段がない。
もちろん、セミナーが終わるまで値段が伏せられてる(寿司屋でいうおまかせ)わけではなく、料金は提示されている。
(例:体験版=3,000円、初級編=1万円、中級編=5万円、個人コンサル=10万円、出版記念=新著を購入すれば無料)
ただし「受講料に合わせた加減」をしない。「今日は体験版だからあまり開示しないでおこう」というブレーキを踏まない。単に時間が短いだけで、エッセンスの深度が変わらない。
3.具体的で細かい。
事例が具体的でリアリティに富む。聞いているだけで面白い。知識が深く、ディテールが細かい。
一つのかたまりと思っていた行動を、これ以上ない単位にまで分解できる。
「細かいメモリ」は、一度手に入ると「失われず、次からは必ず気になる」という特性があるから、「分解」を教わることは価値が高い。賞味期限が長い。
4.アウトプットの量が異常に多い。
Facebook、ブログの、一度あたりの投稿文字数が(異常に)多い。
セミナーのために準備するスライドの枚数が(異常に)多い。
メモや原稿を見ずに1ターンで話せる量が(異常に)多い。
普通の人のように、「何を書こうかネタに困る」「文章が出てこない」ことがない。
アウトプットする量が多い。もしくは練習する量が多い。
5.即答する。断定する。保留しない。
常に、すきま時間さえあれば、自身の専門分野のことを考えているから。講座に参加するような人の思い浮かぶ質問は、すでに頭の中に答えがあるから。1,000回ぐらい考えているから。
定義を持ち合わせているから、止まることがない。言いよどむことがない。
ともかく、即答する。またはすかさず、意図を確認するための質問をする。断定する。
6.基本的に謙虚である。もしくは公正である。
「セミナー」とか「講演会」とか「本の著者に会う」を体験するまで、よく判っていなかった。もっと距離が遠いか、もっと尊大な態度だと、なぜか勝手に思い込んでいた。
謙虚、低姿勢である。敬体で話す。敬語で話す。「誰それさん」で統一している。馴れ馴れしくしない。
親しみをこめて呼ぶ、フランクな場合でも、公正である。相手によって態度を変えない。フェアに接する。
7.安全な場づくり。行動することそのものをバカにしない。
参加者全員に、安心・安全な場を提供する。
行動を起こすことそのものをとがめない。発言すること、挙手すること、質問することそのものを歓迎する。"生徒"をバカにしない。
そのことを冒頭に宣言する。主旨を説明してルール化する。
手厳しいように見えて、根っこのところで優しい。本質的に「善」なのだと思っている。
+ + +
好きになった人たち、尊敬する師たちは、これらの要素のいくつか、または全部が当てはまる。
一つの仮説として、「自身にしか関心がないから」ではないかと思っている。冷たい人間だというのではなくて、他人の人生、他人の悪口や批判に興味がない。他人への嫉妬をしないからだろうか。
次回は「良い生徒になるための行動」を整理してみます。
(つづく)