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vol.187「若い人の前で話してと言われたら:学校の授業で教わらないこと①お金」

「ここまでの半生をふりかえって、ここはもっとこうしたかったこと」と尋ねられたら、ひとつはまちがいなく「勉強するテーマと、それを始める時期(を並び替えたい)」が挙がります。いわゆる「学校の授業で 1秒も教えてもらってないのに生きていくうえで 重要なこと」です。

すこし前に若い世代の方(就活を迎える学生さん)向けに喋る機会があり、自社のPRや自分語りをしても仕方ないと割り切って、「学校の授業で教わらないこと」をいくつか、ミニ講座形式でお話しました。

当日話した内容を、すこし整理しなおして、何回かにわけてシェアします。

テーマ 1つめは「お金」です。

「お金」は、「いくら持っているか」以上に、「その性質を理解しているかいないか」で、大きな差がつく道具のひとつです。

◆基本的な性質

①解釈の余地のないものである

1万円札をみて、「僕の見立てでは、これは8千7百円だな」ということはありません。「私の1万円と、あなたの1万1千円をかえっこして」も成立しません。
1万円は、誰が見ても1万円だからですよね。

ちなみにこの「解釈の余地がない」という性質は、次回あつかうテーマ「時間」とも共通する部分です。

②時が経つと価値が変わる。

解釈の余地はないけど、お金は時間が経つと価値が変わります
子どもにとって1万円は大金です。大人になると毎月の生活費の一部です。管理職が職場の忘年会に参加すると一次会で(傾斜配点含めて)徴収されるぐらいの額です(苦笑)。
お年玉を、使ってしまう派と貯金する派(お父さんお母さんに預けた派)といると思います。私は預けた派ですが、いま考えれば「多少失敗も含めて、自分で使う経験をするほうがベターだった」と思います。

すこし話が複雑になるけど、その逆も言えます。
株式に投資するときのコツは「ガマンして持っておくこと」です。超ロングスパンでみれば、株式という制度が始まってから数百年のあいだ、株式市場の平均値は常にゆっくりと、右肩上がりで上がっているからです。
ただし「"投資のプロ"も株式市場の短期的な動向を読むことはできない」という実験結果があるそうです。特定の個人が株価の値上がり値下がりを未来予想するのは不可能ということ。
したがってほとんど唯一の方法は「買ったら相場の上下を気にせず、ガマンしてなるべく長い期間、ただ持っておくこと」です。
お金は、どういう形で持っておくかで価値が増えもするわけです。

③持っているだけでは力を発揮しない。

学校で教えてもらえないのが「稼ぎ方」と「使い方」です。
「社会」や「経済」、「算数」の授業で、産業があること、税があること、買い物をシミュレートした四則演算の練習はするけど、「お金をどうやったら稼げるか」は教えてくれません。
同じく「使い方」。お金は、金庫にしまっておいたり、銀行に預けているあいだ、その威力を発揮しません。「お金はあの世まで持っていけない」と言ったりしますよね。使わないと意味がないからです。
だけど「どう使ったらより有益か」なんて、教えてもらってない。

◆お金との向き合いかた

基本的な性質をふまえて、お金の扱いかたの例を挙げておきます。

④早く使うと早く効果が出る。

欲しいもの、特に「使用してもなくならないもの」を買うとき、早く買うほど効果が早く(長く)あらわれます。本などはわかりやすい例ですね。読むことで、それまで知らなかった情報を手に入れることができます。
同じお金を預金しても利息がほとんどつかないとき、「いつか必ず買うと決めてるなら早く買う」ことでその効果の持続期間が増えるほうが、「お金が生きる」ことになります。。

⑤消費か投資か。

使ったら無くなるものにお金を払うことを「消費」、それを使うことで新たな元手ができるような買い物を「投資」と呼ぶことがあります。元手はお金とは限りません。自分の成長とか知恵とか知識とか、そういったものです。「そのお金は投資か消費か」なんて言ったりします。
私自身は、消費がすべてダメと考えてません。たまに買って家族で食べるケーキは「消費」だけど「ムダ」ではない。
なににせよ「これは消費かな?投資かな?どっちだろう」という視点は、持っておいてよいと思います。

⑥お金の稼ぎ方。

世の中には「お金を出して時間を買う人」と「時間を提供してお金をもらう人」の二種類がいます。
それぞれ「なに(だれ)」と「なに(だれ)」かわかりますか?答えは「経営者」と「サラリーマン(サラリーパーソン)」です。

経営者は時間の単価、いわゆる時給が高いので、移動をすべてタクシーにしたり、新幹線はグリーン車にして移動中も仕事をしたりします。
サラリーマンはその逆。毎日9時から18時まで(残業もありますが)時間を拘束されて=つまり提供して、月給をもらっています。私もこちらの種類です。

「企業への就活をする」ということは「サラリーパーソン」というフィールドに参加するということです。どちらが良い悪いではなく、「自分はどういうゲームに参加するのか」を理解しておくことはとても大切です。

⑦リスクとリターンは相応する。

お金を稼ぐ方法は、基本的にリスクとリターンが比例(相関)します。
経営者は仕事ぶりで自分の会社の業績が大きく変わるから、自分の給料や賞与が大きく変動します。※会社によります。日本型の伝統大手企業だとそこまで変動しないかもしれません。
サラリーパーソンは自分の時間を固定的に提供する対価としての給料だから、大きく変動しません。その年の成果で翌年の給料が半分になったり 3倍になったりはしない。

いわゆる投資商品や、賭け事(例:競馬の勝ち馬投票券のオッズ)も同じで、当たる確率が高ければ配当金は小さい。配当金が大きければ当たる確率は低い。金融機関の預金(貯金)は元金が保証されています。保証されているから金利は0.00,,,%です。

⑧余談:お金の運用について

そう考えると、たとえば個人の資産の運用も、ちゃんと自分の考えをもったほうがいいなと分かってきます。

・お金は貯めておくだけでは威力を発揮しない。必ず買うなら早く買うことを検討する
・預金(貯金)はリスクがないかわりにリターンも低い。「投資」はリスクがあるかわりにリターンも高い
・株式をはじめ投資市場の相場の動向をわたしたちシロウトが予測することは不可能である
・「金利」の概念。一般には「投資する前にローンを返したほうがいい」(利率で検算するといい)
・「複利」の概念。「*1.01」を電卓で何回か掛けてみると、数字がどんどん大きくなる。これが「複利」。

詳しくは、二千円くらいで、親切な解説書がいくらでも出ているので、探してみてください。


ミニ講座「学校では教えてもらえないこと」は、自分でいうのも変ですが非常に好評でした。
話し方、より伝わる順番や項目立てをブラッシュアップしながら、テーマを揃えていく予定です。
次回は「時間について」をお届けします。

最後までお読みくださりありがとうございます。

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(ご参考)「ご案内:個人事業で提供するメニューと、提供できる価値(2024.1版)」


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