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鎌倉の駅徒歩圏内の再建築不可物件の売却のお話をもらった話
鎌倉に引っ越してきてもう2年が経った。別に鎌倉に住みたかったわけじゃないけど、色々理由があって武蔵小杉から引っ越してきた。
2年も住んでると鎌倉の良くないところが目につくようになる。
武蔵小杉に比べるとお店は少ないしスーパーに行くまで結構歩かないといけない。
不便な割には地価がやたら高いので、その分家賃相場も全体的に高い。
歴史ある街なのでやたら道が狭いし渋滞する。駅前の道は歩道がないので歩行者が若干車道にはみ出しながら歩いてるし、観光客も多いのでとても危なっかしい。
自分一人だったら絶対鎌倉には住んでない。
じゃあなんで鎌倉に住んでるかって?
嫁の実家の近くだから
子供が生まれたらお世話で頼れた方がいいし、実家の近くの方が嫁のメンタルも安定する。
なんだかんだ生活面で実家を頼れるメリットがデカすぎて離れられないよなーと。
去年の年末、嫁の実家の隣に住まわれていたお婆さんが亡くなった。ご子息がいらっしゃらなかったので家はどうなるんだろうと思ってたら、生前お付き合いのあった司法書士に色々任せていたらしく、お隣さんというご縁で自宅の売却のお話をいただいた。
相続された親族の方も東京に住まわれていて管理ができないので、早く売りたいみたいだった。
ただし、嫁の実家とこの物件はとても大きな問題がある。それは2件とも素人目に見ても再建築できるとは思えない土地ということだ。
この手書きの図のように、細い階段の通路を降りた先に2件の家があり、幅員4mの道路に接していないということだ。
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再建築不可物件とは
建築基準法では幅員4mの道路に敷地が2m接していなければ建物の建築はできないということが定められている。これを接道義務と呼ぶ。
建築基準法42条と43条にはこう定められている。
第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
第四十三条 建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。
色々難しいことが書いてあるので端折るが、つまり幅員4m以上ないと建築基準法では道路とは呼べず、また、その道路に2m以上接していないと建物を建てられないということである。(色々な例外規定はある)
1950年に建築基準法が定められた時に初めてこの接道義務が定められ、そこから再建築不可物件が誕生した。
どういう場合が再建築不可になるかは、この図がわかりやすい。
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ちなみに接道部分が2mある旗竿地でも、通路の途中が1.8mとかだと再建築不可になる。
家を建てられない土地の価値は当然低い。
なので、相続者さんは早く物件を処分したかったんだと思う。鎌倉でJR駅徒歩圏内にしては相当安い金額を提示してもらった。
ただし、家を建てられない土地となると慎重に考えた方がいいと感じた。土地はそう簡単に手放すことができず、将来子供に負の財産を遺すことになるからだ。
それに再建築不可物件はほぼ住宅ローンを使えない。築50年くらいの家だったのでリフォームも必須になる。
リフォームローンもあるが金利が高いので、土地購入代金+リフォーム代金をキャッシュで払えないといけない。
不動産素人なので何から調べれば良いかわからなかったが、とりあえず調査が必要。ということで、ここから長い戦いが始まった。
2024年11月末現在も続いてるので、ここまでややこしい案件だとは思わなかった。笑