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クラスの男子の写真を手に入れろ!!~思春期の自意識と『写ルンです』~

僕は私立高校で教員をしています。学級経営や授業について「あーでもない。こーでもない。」と毎日いろいろ工夫しながら頑張っています。

さて今日は以前に担任したクラスの話です。

3月になり、そのクラスが終わりそうになると、思い出って残したくなりますよね。そこで僕はクラスのフォトブックを作りました。

その時に以下のようなことを経験し、考えましたので、今日はそのことについて書きます。

① 保護者がうらやましがる教員の資産とは?

② フォトブック作るのはそんなに大変じゃない。

③ でもクラスの男子の写真が手に入らない。

④ からの「写ルンです」という救世主

⑤ 生徒が編み出した「写ルンです」の独創的な使い方

⑥ 高校生は訳が分からないこともする笑


① 保護者がうらやましがる教員の資産とは?

 

そもそもフォトブックを作ろうと思ったきっかけは、クラスの保護者の何気ない一言でした。

「先生は良いな。私の息子が成長している姿を、私よりも長い時間見られて羨ましい。」と言われたんですね。

「じゃあ、クラスのフォトブックでも作ったら楽しいかもしれませんね」と軽いノリで話したらエラく盛り上がってしまったのでフォトブックを作ることになりました。

その時にあらためて気づいたのは、教員が保護者に対して持っている一番大きな資産は、生徒といる時間の長さと情報量だということです。

当たり前すぎるかもしれませんが、僕はこの法則をあらためて意識し、保護者会のやり方を大きく変えることにしました。

その時に考えたことはこの記事にまとめてあります。


② フォトブック作るのはそんなに大変じゃない。

 

担任としての作業量が増えてしまいましたが、考えてみると、そう言う写真の編集作業をやったことが無かったので、貴重な経験になるし、純粋に面白そうだな、と思って、クラスのフォトブックをコツコツ作りました。 

フォトブックと聞くと、「作成するの大変そう」と思うかもしれません。でも、簡単に作れるアプリがあります。

アプリに写真データを入れて業者さんに送れば、ビックリするくらい早くフォトブックが出来るんです。クオリティーもかなり高いですし、料金もおそらくビックリするくらい安いと思います。

配布した時の生徒、特に保護者の満足度が非常に高いので、クラス費に余裕がある場合はやってみたらいかがでしょうか?一人198円くらいで僕は作れました。


③ でもクラスの男子の写真が手に入らない。

 

順調に作成していたのですが、ここで大きな壁にぶち当たりました。そう、男子の写真がなかなか手に入らないのです。

「今、僕はクラスの男子の写真を猛烈に収集している。」

 という文章だけ読むと、「あいつヤベーな」と思う方もいるかもしれません笑。でも当時、どうやったら男子の写真が手に入るだろうかをずっと考えていたんです。

 女子の写真は本当に簡単に集まるんです。「写真、ちょうだい」この一言で十分でした。AirDrop経由ですぐに100枚以上の写真が集まりました。

しかもこちらの意図を勝手に汲んでくれて、みんなが楽しそうにしてる写真や、アクセントになるような少しふざけた写真、インスタ映えしそうな写真などバリエーション豊かな写真をいろいろ送ってくれたので助かりました。

ただ、男子は本当に写真をくれません。こちらが写真を撮ろうとしても顔を隠してしまったりします。思春期ゆえの自意識が原因なのでしょうか・・・

 男子の写真が手に入らなさ過ぎて、フォトブック作成がなかなか進まなくて困ってしまいました。


 ④ からの「写ルンです」という救世主


そんな時に、ある人から「『写ルンです』を教室に置いといたら勝手に生徒が写真を撮るんじゃないですか」というアドバイスをもらったんですね。

※ちなみに最近の『写ルンです』はiPhoneにデータ転送できたりするんですね!!

このアイディアをもらった時に、最初はビックリしたのですが、これは素晴らしいアイディアだと思いました。

ⅰ)『写ルンです』は高校生には物珍しいので、男子が面白がって使いたがるかもしれない。

ⅱ)スマホのカメラ機能で撮影したのと違い、「撮影結果がその場でわからない」という感覚を若い世代は面白いと思うかもしれない。

 こんなことを考えて、実際に『写ルンです』を2つ買いました。一つは男子用、もう一つは女子用です。そして「自由に撮っていいよ」という張り紙を貼ってクラスに置いてみたんです。

最初は全く何も起こらなかったんですが、何故かあるタイミングで『写ルンです』の人気が(一部ではありますが)爆発したらしく、気が付いたら全ての写真が撮られていました。とても嬉しかったです。

生徒に話を聞いたら、撮影可能枚数が決まっているというのが面白いようです。数が限定されると一枚当たりの価値が上がり、それを消費することに楽しみを感じているのかもしれません。

この面白さは撮影枚数がほぼ無限のスマホでは味わうことができないでしょう。

さらに現像する前に、アナログながらの別の魅力を発見しました。それは現像する前は、一体どんな写真が入っているかわからないという楽しみです。

これも『写ルンです』の魅力ですね。「結果がすぐにわからない」というエンターテイメントがあると思いませんでした。



⑤ 生徒が編み出した「写ルンです」の独創的な使い方

 

『写ルンです』を教室に放置して少し経ったときに、女子が新しい『写ルンです』の使い方を始めたのが面白かったので書きます。

 『写ルンです』の目を当てる所にスマホのカメラを当てて、『写ルンです』のレンズ越しにスマホの写真を撮影し出したんです。

こうやって撮影するとスマホの写真でも少し変わったニュアンスの写真になるようです。フィルターとして『写ルンです』を使い始めた彼女たちを見て、「賢いな・・・」と思わず感心してしまいました。


 ⑥ 高校生は訳が分からない笑


もう少し時間がたった頃、彼女たちに変化が起きました。そう、何故かわかりませんが、『写ルンです』を黒板の上に置いて一部の生徒が拝み始めたのです

 『写ルンです』が何故、彼女たちの崇拝の対象になったのかはわかりませんが、それは今まで見たことが無い風景だったので、写真を撮っておくべきだったなと後悔しています笑。


最後に

 教員をやっていると思いもかけないような経験をすることがあります。高校生はとても面白く、学級の中では様々な物語が生まれています。

こんな話もあるので興味あったら読んでみてください。僕のプレゼントの概念を変えた生徒の話です。



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